2009年に公開された映画『アナコンダ4』。
アメリカのSyfyで放送されたテレビ映画。原題は『Anacondas: Trail of Blood』で、『アナコンダ3』の直接的な続編となるシリーズ第4作。
ここまで映画ってつまらなくできるんだ。って逆に感心しました。
監督は映画に愛ってないんですかね?
本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。
基本情報
作品名:アナコンダ4
原題:Anacondas: Trail of Blood
公開年:2009年
製作国:アメリカ合衆国
上映時間:91分
監督:ドン・E・ファンルロイ
脚本:デヴィッド・C・オルソン
原作:―
出演:クリスタル・アレン、リンデン・アシュビー、ダニー・ミッドウィンター、ジョン・リス=デイヴィス、アナ・ウラル
ジャンル:ホラー/アクション/パニック
あらすじ

前作で秘密研究施設から逃げ出した巨大アナコンダは、科学者アマンダによって倒された。しかし、その体内にはすでに新たな生命が宿っており、成長した子供たちが再び人間を襲い始める。
一方、不老不死の可能性を秘めた「不死の蘭」の研究を狙うウェクセル・ホール社会長マードックは、研究成果を手に入れるため殺し屋を送り込む。アマンダは巨大蛇の脅威とマードックの追跡、その双方から逃れながら生き残るための戦いに巻き込まれていく。
これ、試作品か?
まず一番びっくりしたのがCGのクオリティの低さ。
これ、本当に2009年の作品なんですか?
アナコンダが完全にCGなのは別にいいんですよ。巨大な蛇を実際に使えるわけがないんだから、CGを使うこと自体は当然だと思う。
問題はそのクオリティがあまりにも低い。
もう「CGが古い」とかいうレベルじゃない。自分は最初これプロトタイプなんじゃないかと思った。試作品をそのまま本編に入れたんじゃないかというくらい安っぽい。
『ジュラシック・パーク』って1993年ですよね。
それより16年後ですよこの映画。
なのに自分には『ジュラシック・パーク』の方が圧倒的に本物っぽく見える。
なんなら日本の『学校の怪談3』で見たような90年代CGを思い出したくらい。
いや、終盤まで見ていたらもう80年代なんじゃないかと思えてきた。
2009年という数字と、画面に映っているもののクオリティが全然一致しない。
そしてCGがひどいと、蛇だけじゃなくて人間側の芝居まで全部死ぬんですよね。
仲間がアナコンダに食われる。
残った人間が、「クソ!」みたいなリアクションをするんだけど、いやいや、CGやんけ。
本来なら仲間が怪物に殺された悲しみや恐怖を見る場面なのに、「CGに食われた人間を見て俳優が演技してるな」としか見えない。
CGの嘘っぽさが、役者の感情まで嘘にしてしまっている。これ結構致命的でしょ。
おまけに人間側のキャラクターも全然魅力がない。
森の中を男女が車で走ってなぜか音楽に乗り始めて、「俺はリズムの虜だ」みたいなことを言い出すんだけど、何なんだよそれ。
勘弁してくれ。
そんな台詞聞かされたら、もう登場人物を応援するどころか「早くアナコンダに噛まれちまえよ」と思ってしまう。
愛着のないモブが順番に死んでも何も怖くない
この映画を見ていて改めて思ったのが、パニック映画って怪物を描く前に人間をちゃんと描かないとダメなんだなということ。
本作は人物が出てくる。
ちょっと喋る。襲われる。死ぬ。
次の人。
これを繰り返しているだけに見える。
だからそいつがどういう人間なのか分からない。
何を大事にしているのかも分からない。
誰とどういう関係なのかも大して興味が湧かない。
要するに、愛着がない。
愛着のないモブが巨大蛇に食われても、知らんし。
例えば『ジュラシック・パーク』だったら、グラント博士は最初、子供が苦手で恐竜に襲われる中で子供たちと一緒に行動することになって、少しずつ関係が変わっていく。
だから危険な状況になったときに、見ている側も感情が動くんですよ。
人物が先にあって、危機が後に来る。この順番が大事なんだと思う。
ところが『アナコンダ4』にはその積み重ねがほとんどない。
人物を好きになる前に襲われる。人物を知る前に死ぬ。
しかも蛇のCGはクソチープ。
そして本作、アナコンダ映画なのに人間同士の争いがやたら多い。
銃撃戦だったり、殺し合いだったり。
これを見ていると、自分には、「アナコンダをCGで出すと金がかかるから、なるべく蛇を出さずに人間同士を戦わせてるんじゃないの?」としか見えなかった。
金銭面でアナコンダを出せないけど、何かスリリングな場面は必要だから人間同士を撃ち合わせようとしか思えないのだ。
ところがその人間同士の戦いも全然面白くない。
キャラクターに感情移入してないんだから当然なんですよ。
アナコンダはなるべく出ない。
出たらCGがひどい。
人間同士を戦わせてもドキドキしない。
じゃあ何がしたいんだ、この映画。
この4作目単体を見ている限り、「アナコンダでなければならない理由」が何一つ見えてこない。
巨大な蛇が出て、人を追いかけて食う。人間が逃げる。
それだけ。
『ジョーズ』以降、こういう動物パニックものは大量にある。
では、この作品ならではのものは何なのかと考えると何もない。
監督のアイデンティティも感じない。
アナコンダというコンテンツへの愛着も感じない。
パニック映画というジャンルへの愛も感じない。
ただ「アナコンダ」という名前を使えば、なんとなく見る人がいるだろう。
そんな惰性で作られたようにしか自分には見えない。
低予算なのは別にいい。
金がなければないなりに、「自分ならこの予算でこう撮る」「この発想だけは誰にも負けない」という熱があればいいが、本作にはそれがない。
ただでかい蛇がバーッと来て、人間がわちゃわちゃしているだけ。
ここに一体何があるんだろう。
正直、制作陣に説教したくなるレベルだった。
褒めるところがマジで一個もない
そして終盤までひどい。
雇い主のマードックは末期がんで、不老不死を狙った薬を自分に注射する。
すると、「効いたぞ! 効いたぞ!」みたいに喜び始める。
早えよ。そんな即効性あるのかよ。
何をもって「効いた」と判断したんだ。
しかもワッハッハと喜んでいたら、目の前にアナコンダが現れて殺される。
何も面白くない。何から何まで雑すぎる。
そしてラストにアナコンダは手榴弾で爆破されるが、生きていることを匂わせて終わる。
『幽☆遊☆白書』の戸愚呂兄を思い出す。
もう再生できる怪物って、こういうパターンになるんですよ。
最後まで「続き作れますよ」という逃げ道を残す。
いや、もう作らなくていいです。
本当に。
この映画を褒めるところを探そうとしたんだけど本当に褒めるところがマジで一個もない。
自分が見た時点ではNetflixでもかなり上位に入っていて「なんでこれが上位なんだよ」と本気で思った。
これを見るくらいなら、
うんこを2時間じっと見ていた方がまだ建設的なんじゃないか。





