【映画】学校の怪談3(1997)|監督交代で変わった恐怖の質とシリーズ最大の転換点について【ネタバレ考察】

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映画『学校の怪談3』をイメージした画像 ファンタジー

1997年に公開された映画『学校の怪談3』。

前2作を手掛けた平山秀幸監督に代わって、後に『ガメラ』シリーズで高い評価を得る金子修介監督がメガホンを取った作品。

本作最大の特徴は、それまでの旧校舎を舞台にした閉鎖空間ホラーから大きく方向転換した点で、鏡の世界という異空間を舞台に据え、学校の外にまで怪異が広がるスケールの大きな物語となっている。

この変更点が受け入れられるかどうかで本作の評価はガラッと変わってしまうでしょう。

本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。

基本情報




作品名:学校の怪談3
原題:学校の怪談3
公開年:1997年
製作国:日本
上映時間:96分
監督:金子修介
脚本:しまだみちる
出演:西田尚美、野田秀樹、黒木瞳、佐戸井けん太、前田亜季、米澤史織、吉澤拓真
ジャンル:ホラー、ファンタジー、ジュブナイル

あらすじ




映画『学校の怪談3』をイメージした画像

20年前に亡くなった少年・タイチの亡霊が現れるという噂が残る槇町小学校。運動会の日、二人三脚で転倒した子供たちをきっかけに不穏な出来事が起こり始める。

やがて学校で発見された一枚の鏡を通じて、子供たちは怪異が支配する“鏡の世界”へと迷い込んでしまう。現実世界へ戻るため、子供たちは数々の怪物たちと対峙しながら、タイチに隠された真実へ迫っていく。

もはや別シリーズだった




本作を初見で観た時に戸惑ったのが前2作との空気感の違いだ。本作から監督はガメラシリーズで知られる金子修介に交代している。

もちろん同じことを繰り返したくないという作り手の気持ちは理解できるが、『学校の怪談』『学校の怪談2』が大好きだった当時の(小学生の)自分にとって、この変化は到底受け入れ難いものがあったのを覚えている。

特に大きいのが舞台設定だ。

前作までは「旧校舎」という、それだけでワクワクする閉鎖空間が物語の中心だった。しかし本作では鏡の世界という設定が導入され、学校だけでなく街全体へと物語が広がっていく。

スケールは確かに大きくなったがその反面、「学校の中から逃げられない」という閉塞感や緊張感は薄れてしまったのだ

さらに恐怖の質も大きく変化してた。

これまでのお化けたちは基本的に驚かせるだけの存在だったが、本作の怪異たちは明らかに子供たちへ危害を加えようとしてくる。

包丁を持って襲いかかるのっぺらぼうや、首を締め上げようとする人体模型など、これまでのシリーズにはなかった攻撃性が増している。

全二作のどこか牧歌的な恐怖が「アクション的な怖さ」に変化しており、正統進化というよりも、監督交代によって生まれた異色作なのだ。

広がりすぎた世界観




今回は母子家庭の主人公が再婚によって家族になるという話が軸になっており、連れ子同士の兄妹関係まで描かれる。今振り返ると決して珍しい設定ではないのだが、子供向けホラーとして考えると妙に生々しい。

さらに物語は学校だけで完結しない。

「鏡の世界」という設定によって、学校の外にも怪奇現象が広がり、親たちも物語へ深く関わってくる。シリーズとしてスケールアップを狙ったのだろうが、その結果として「学校の中で起こる怪談」という魅力が薄れてしまった。

当時の自分は「これって本当に学校の怪談なのか?」と思ってしまった。

そして怪物たちにもあまり恐怖を感じない。

「赤い玉」や「紙のお化け」なんかは全く怖くない。そしてチープなCGでクオリティも低い。

1作目や2作目にあったじっとりとした不気味さとは方向性がまったく違う。学校も新しい校舎になり、全体的な質感そのものが変わってしまっている。

終盤ではタイチという少年の心の闇が怪異を生み出していたことが明かされ、友情によって問題を解決していく展開になる。しかし個人的には少し説教臭く感じてしまった部分もあった。

もちろん子供たちの演技は良い。

会話の自然さは相変わらずだし、前作にも出演していた前田亜季や過去作の出演者たちも登場している。だから作品として決して出来が悪いわけではない。

ただ、自分の中では『学校の怪談』というシリーズに対するイメージが1作目と2作目で完成されていたからこそ、監督交代によって大きく方向転換した本作には最後まで違和感が残ってしまったのである。

それでも評価できる挑戦の跡




とはいえ、ネガティブな話ばかりしていても仕方ないので本作なりに評価できる部分を。

まず伝わってくるのは、「前作までと同じことはやらない」という強い意志だ。

シリーズの人気怪異だったテケテケを再登場させながらも、シャカシャカをはじめとする新しい怪異を投入し、世界観そのものを大きく広げようとしている。

学校という閉鎖空間だけでなく、鏡の世界や街全体へとスケールアップした発想も含めて、スタッフが新しい方向性を模索していたことはよく分かる。

ただ、その挑戦が必ずしも成功しているかと言われると難しい。

特に気になったのがCG表現だ。

1作目や2作目にも特殊効果は使われていたが、あの頃は着ぐるみやミニチュア、実写特撮のようなアナログ感が残っていた。それが独特の不気味さや質感を生み出していたと思う。

前述したように本作では、CGがやたらとチープだ。

恐竜の骨が暴れるシーンや地面が裂ける描写など、明らかにCG主体の映像が増えている。当時としては頑張っていたのだろうが、今見るとどうしてもチープさが目立つ。むしろ前作までのアナログな表現の方が味があったようにも感じてしまう。

また、西田尚美の続投も印象的だった。

前作とはまったく別の役柄ではあるものの、今回は教師として登場し、野村宏伸演じる先生とのやり取りにはコミカルな面白さがあった。

結局のところ、本作は良くも悪くも転換期の作品だったのだと思う。

学校の怪談シリーズが持っていた「旧校舎」「子供たちの冒険」「どこか懐かしい夏の空気」といった魅力から離れ、よりストレートなホラーやファンタジーへ舵を切った。その結果、怖さの質そのものは確かに変わった。

まぁ、ヒットしたからこそ4作目へ繋がっていく重要な一本ではあるが、シリーズの中では最も好みが分かれる作品ではないでしょうか。

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