【映画】ディスタービア(2007)|のぞき野郎が事件を解決して恋愛も成就するご都合主義物語の評価は?【ネタバレ考察】

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映画『ディスタービア』をイメージした画像 アメリカ映画

2007年に公開された映画『ディスタービア』。

本作はアルフレッド・ヒッチコック監督の『裏窓』を現代風にアレンジした青春サスペンス。住宅街という身近な舞台を活かし、「本当に隣人は殺人犯なのか、それとも思い込みなのか」という緊張感を終始維持しながら物語が展開する。

タイトルの「Disturbia」は、英語のdisturb(不安にさせる)、suburbia(郊外の住宅街)を合わせた独自の合成語である

主演はシャイア・ラブーフ。青春映画らしい恋愛や友情の要素を盛り込みつつ、本格的なスリラーとしても完成度が高く、公開当時は全米興行収入ランキングで3週連続1位を獲得したヒット作となった。

本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。

基本情報




作品名:ディスタービア
原題:Disturbia
公開年:2007年
製作国:アメリカ
上映時間:104分
監督:D・J・カルーソー
脚本:クリストファー・B・ランドン、カール・エルスワース
出演:シャイア・ラブーフ、サラ・ローマー、アーロン・ヨー、デヴィッド・モース、キャリー=アン・モス
ジャンル:サスペンス、スリラー

あらすじ




映画『ディスタービア』をイメージした画像

交通事故で父親を亡くした高校生ケイルは、精神的ショックから教師に暴力を振るい、3か月の自宅軟禁処分を受ける。GPSアンクレットを装着され外出できなくなった彼は、暇つぶしに近所の住民を双眼鏡で観察するようになる。

やがて隣人ターナーの行動に違和感を抱いたケイルは、連続失踪事件の犯人ではないかと疑い始める。親友ロニーや隣家の少女アシュリーと協力しながら調査を進めるが、その好奇心は次第に命懸けの追跡劇へと発展していく。

のぞき見野郎




本作で驚いたのは、主人公ケイルが教師を一発殴っただけで法廷に立たされること。足首にはGPSアンクレットを装着され、自宅から一定距離以上離れればすぐに当局へ通知される。

この厳しい処分は日本の感覚とはかなり違い、アメリカの司法制度や少年犯罪への考え方の違いを強く感じさせる。

そしてこのGPSアンクレットが最後の最後で伏線回収になる役目を果たすことになる。

その自宅軟禁中、暇を持て余したケイルはたまたま双眼鏡で近所を覗き始める。

そこへ都合よく隣には美少女アシュリーが引っ越してきて、青春映画らしい恋愛要素が加わる一方、向かいに住むターナーには連続殺人犯ではないかという疑惑が浮上する。

青春映画とサスペンスを組み合わせた導入としては分かりやすく、テンポよく物語へ引き込まれた。

ただこの時点から「覗き見」という行為そのものには違和感が残る。日本では軽犯罪法違反にあたり犯罪行為である。

事件の発端とはいえ、主人公が他人の生活を監視し続ける姿は決して気持ちのいいものではない。

恋愛描写にも違和感




主人公ケイルは全然好きになれなかった。

そもそも自宅謹慎中にもかかわらず暇だからと言ってまるで休日を楽しむようにテレビやゲームに没頭するケイル。

こいつ、全く反省なんてしてねぇ。

アシュリーが自宅でパーティーを開き、他の男性と楽しそうにしている姿を見ただけで大音量の音楽を流して邪魔をするという幼稚な行動にはかなりの器の小ささを感じた。

さらに終始アシュリーを覗き見していた人物が、最終的には彼女とキスをして結ばれる展開にも説得力を感じなかった。

普通に考えれば、自分の日常を双眼鏡で監視していた相手に恋愛感情を抱くとは考えにくく、青春映画としては都合が良すぎるのではないか。

この映画は主人公の覗き見によって事件が解決へ向かう構成になっているが、もしターナーが無実だったなら、ケイルがやっていることは単なる覗き魔やストーカーと変わらない。

「覗きは犯罪ではないのか」という倫理的な疑問が最後まで拭えず、主人公を素直に応援できなかった。

ご都合主義




そもそも冒頭での父親の死があまり物語に役立っていない気がする。

父親が死んだから非行に走るようになったのか?片親だから反抗的に?あれは単なる交通事故?父親がいなかったからあっさりとケイルの母親は危険にあった?

どれもこれもあの冒頭の父親の死が物語に大きく影響しているとは思えない。

ターナーが実は本当に犯人だったという展開は分かりやすい反面、大きなどんでん返しはなかった。

ターナーは犯人なのか、犯人じゃないのかという焦らしが足りないように思える。

そして最も気になったのは、ターナーの犯行動機が最後までほとんど語られないことだ。

主人公との対決で死亡してしまうため、「なぜ殺人を繰り返していたのか」が曖昧なまま終わる。超都合のいい「サイコパスだから」で片付けられてしまった。

終盤も、高校生なのになぜか隣人の家の設計図を簡単に入手できることや、携帯電話や警察への通報が都合よく機能しないことなどツッコミどころしかない。

それでも序盤に登場したGPSアンクレットの設定をラストで回収する構成は分かりやすく、エンタメとしてはよかった。

結局ケイルは自宅軟禁中に自分自身を見つめ直すわけではなく、たまたま覗き見を始め、たまたま覗いていた相手が本当に殺人犯で、たまたま事件を解決し、たまたま恋愛も成就するような話でした。

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