【映画】ニュー・シネマ・パラダイス(1988)|ラストで涙が止まらない理由を解説【ネタバレ考察】

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映画『ニュー・シネマ・パラダイス』をイメージした画像 ヨーロッパ・その他の映画

1988年に公開された映画『ニュー・シネマ・パラダイス』。

ジュゼッペ・トルナトーレ監督が手掛けたイタリア映画史を代表する名作

第二次世界大戦後のシチリア島を舞台に、映画への憧れ、師弟の絆、失われた青春、故郷への郷愁をテーマにした作品であり、単なる映画賛歌ではなく「人生そのもの」を描いた物語として高く評価されている。エンニオ・モリコーネによる美しい音楽も作品の魅力を支えており、世界中の映画ファンから愛され続けています。

本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。

基本情報




・作品名:ニュー・シネマ・パラダイス
・原題:Nuovo Cinema Paradiso
・公開年:1988年(日本公開1989年)
・監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
・脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ
・音楽:エンニオ・モリコーネ、アンドレア・モリコーネ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:155分(完全版)
・製作国:イタリア、フランス
・主なキャスト:フィリップ・ノワレ、ジャック・ペラン、サルヴァトーレ・カシオ

あらすじ




映画『ニュー・シネマ・パラダイス』をイメージした画像

ローマで成功した映画監督サルヴァトーレは、故郷シチリアから幼い頃の恩人アルフレードの訃報を受ける。

少年時代の彼は「トト」と呼ばれ、村で唯一の娯楽だった映画館「パラダイス座」に夢中だった。映写技師アルフレードとの交流を通じて映画の魅力に取り憑かれたトトは、やがて映写技師となり、映画監督への道を歩み始める。

友情、初恋、別れ、そして故郷との決別。アルフレードの言葉を胸に村を離れたトトは、数十年後に再び故郷へ戻り、自らの人生を振り返ることになる。




大学生の頃にこの映画に出会ってからもう何度観ただろうか。

まだ観てない人がいれば是非とも観て欲しい。

2時間バージョンと3時間バージョンがあるんだけどとにかく圧倒的に3時間バージョンをお勧めする。

というか3時間バージョンを観た後に2時間バージョンを観たがまるで物語の厚みが違う。

この映画の構成としてはトトの少年期、青年期、そして映画監督として成功をおさめた中年期の三部構成となっている。

簡単に話を追っていこう。

全ての伏線を完璧に回収




トトは映画が大好きで親に黙って映画館に入り浸るような少年。

次第に映画技師アルフレードと親しくなり実際に映画技師として働き始める。

そんな矢先、映画館が火事になりアルフレードは視力を失ってしまうという事件が起きたところで一部の少年期は終了。

青年期ではトトの恋愛がメインで描かれている。

一目惚れした彼女と悪戦苦闘の末なんとか付き合うことができた。

ところが彼女の親父が勝手に結婚相手を決めたり、引越したり、兵役なんかが重なりお互い離れ離れに。

最後に映画館で会う約束をしたが結局彼女は現れず…

失恋でヘコミまくるトトはアルフレードにこの街を出ていくことを勧められる。

というか半分強制。

今のお前は私よりも盲目だ。

もうお前とは口をきかない。

お前の噂が聞きたい。

帰ってくるな。

私達を忘れろ。

ノスタルジーに惑わされるな。

自分のすることを愛せ。

子供の時映写室を愛したように。

随分言うよな。

けど後にこの言葉には意味があることに気がつく。

そして中年期。

トトはローマに出て映画監督として成功をおさめ、アルフレードの訃報をきっかけに30年ぶりに街に戻ってくる。

そこで30年ぶりに彼女との再会を果たし、実はあの時彼女は映画館に来ていたがアルフレードが「来ていない」と嘘をついていたことがわかる。

トトがこの街にいては自分のように腐ってしまうのを危惧してアルフレードはあえてこの街を出ていかせたのだった。

この街で彼女と一緒になるよりも外に出てもっと広い世界を見てこいと(余計なお世話っちゃお世話だけど)。

結果、トトは映画監督で成功をおさめる。

アルフレードはまるで最初から知っていたかのように。

さらにトトへの愛を「アルフレードの形見のフィルム」を観て知ることになる。

このフィルムは昔アルフレードがトトにあげたキスシーンの寄せ集めで「あげるけど預かっておく」と言ったあのフィルム。

アルフレードはトトを突き放したがそれはトトを想っての行動で実はトトへの愛でいっぱいだったのだ…

ただのキスシーンの寄せ集めで他の人が観たら何が何だかわからないフィルムなんだけどトトとこの映画を観ている人だけがその想いとノスタルジーを理解できるというニクイ演出。

手紙とかベタものじゃないのがまた凄くいい。

もうこの流れは見事としか言えない。

点と点が合致しアルフレードの言葉や行動の意味が明かされる。

しかも全部が全部説明するのではなくて「きっとこうだったんだろう」と観ているものにちゃんと考える余白を残しているのも素晴らしい。

最初観た時「長いな」と思ったけどこの壮大なラストへの布石だったとは。

恐れ入りました。もう完璧です。

涙腺を刺激しまくる音楽




もう一つこの映画を語る上で欠かせないのが「音楽」である。

映画を観たことない人でも一度は聴いたことがあるのではないだろうか?

この映画のテーマ曲は基本同じ曲をパターンを変えて繰り返し流れてくるんだけどこのメロディが素晴らしい。

涙腺を刺激する旋律でクラシカルで哀愁漂うもの。

幼少期のシーンからずっと同じ曲が使われているのでメロディが一貫しており、ひたすらノスタルジックだ。

そしてこの映画のラストのアルフレードのフィルムを観るシーンで音楽は最高の盛り上がりをみせる。

これほど音楽と映像が見事にマッチした…いや、マッチしたどころじゃない。

音楽によって伝説の涙腺崩壊シーンへと昇華している。

アルフレードの突き放しからの実は「トトへの愛」という、「実はお前のこと想ってたんだよ」パターンってこの後もめちゃめちゃ使われるんだけど、わかりやすいのでいうと日本映画の『Always三丁目の夕日』がもろそれ。

あの映画のラストも淳之介を突き放したあと龍之介が抱きしめるシーンも「実はお前のこと想ってるよ」パターンだし音楽も効果的に使われてたな。

というかなんとなくこの映画を意識したようなメロディラインだし改めて観ると『Always三丁目の夕日』との類似点がいくつもあることに気づく。

日本版『ニュー・シネマ・パラダイス』を作りたかったのかもな。

なにより観終わった後でもこの音楽とこの映画の世界感にいつまでも浸っていられる。

本当に心地いい余韻。

そういう意味ではこの映画は麻薬のようである。

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