【映画】仁義なき戦い 広島死闘篇(1973)|山中正治はなぜただのクソ野郎なのかわかりやすく解説します【ネタバレ考察】

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映画『仁義なき戦い 広島死闘篇』をイメージした画像 サスペンス

1973年に公開された映画『仁義なき戦い 広島死闘篇』。

本作は前作の1973年公開の『仁義なき戦い』シリーズ第2作目。

飯干晃一の実録小説を原案に、実在したヤクザ・山中正治と大友勝利をモデルとして制作された。

前作で中心人物だった広能昌三(菅原文太)は脇役となり、本作では山中正治(北大路欣也)の視点から物語が展開し、シリーズ特有の激しい抗争や裏切りだけでなく、一人の若きヤクザが破滅へ向かう姿を描いた人間ドラマとしての側面も色濃い。

本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。

基本情報




作品名:仁義なき戦い 広島死闘篇
原題:仁義なき戦い 広島死闘篇
公開年:1973年
製作国:日本
上映時間:100分
監督:深作欣二
脚本:笠原和夫
出演:北大路欣也、千葉真一、菅原文太、梶芽衣子、金子信雄、加藤武、名和宏、川谷拓三、成田三樹夫 ほか
ジャンル:実録、ヤクザ、犯罪、ドラマ

あらすじ




映画『仁義なき戦い 広島死闘篇』をイメージした画像

昭和25年、広島。若きヤクザ・山中正治は村岡組へ身を寄せ、抗争を繰り返しながら頭角を現していく。一方、野心家の大友勝利は独自の組織を築き、広島の勢力図を塗り替えようとしていた。義理と欲望、裏切りが交錯する中、山中は惚れた女性への想いから人生を大きく狂わせ、やがて組織に利用されながら破滅への道を歩んでいく。

主人公・山中正治に共感できなかった理由




本作はシリーズ第2作となるが、前作で中心だった広能昌三ではなく、山中正治が実質的な主人公として描かれている。物語の軸が変わったことで作品の印象も大きく変わっていた。

山中は若さゆえの勢いだけで突き進む人物で、何かを深く考えて行動するタイプではない。

いわゆる本能のまま動くタイプで決して頭はよくありません。

惚れた女のために刑務所を脱走する姿は情熱的にも見えるが、その一方で自分が犯した罪と向き合おうとする姿勢は1mmも感じられない。

コイツは人の命なんだと思ってんの?

結局は自らの感情や欲望を優先しているだけであり、人を殺めた責任よりも目の前の感情を選ぶ姿には全くもって共感できなかった。

もちろんヤクザ映画にそれ言っちゃあおしめぇよなんだけど、それでも人があまりにも簡単に殺され、暴力によって全てを解決しようとする世界には違和感を覚える。

もちろん本シリーズはヤクザのダサさを真っ向から描いてはいるが、当時この作品に憧れてヤクザという生き方に魅力を感じた若者も少なくなかったのではないかと思う。

これはあくまで映画なので反面教師として見ましょう。

大人たちの幼稚な争い




本作は実在した人物をモデルにしているが、描かれているのは結局のところ、面子や縄張り、欲望を巡る大人同士の幼稚な争いである。

山中正治は組に振り回され続け、最後は鉄砲玉として利用された末に命を落としてしまうが、その結末にも特に強い悲劇性は感じなかった。

惚れた女のために刑務所を脱走し、自ら追い詰められ、最後は警察に捕まって罪を償うこともせず、自ら命を絶つ。

その選択は最後まで自分本位であり、自業自得という印象が拭えなかった。

服役することさえ箔になる世界だからこそ一般社会の常識では測れないが、それを踏まえても山中を英雄視することはできない。

一方で、千葉真一円実大友勝利も高い人気を誇るキャラクターとして知られているが、自分にはそこまで魅力的にはうつらなかった。

金や権力、女性を求めるという非常にシンプルに普通の人間なんです

それを暴力で奪おうとしているだけに見え、粗暴で短絡的な人物という印象が強く、かっこよさよりも愚かさのほうが目立っていた。

前作とは違う面白さを持ったシリーズ第2作




前作ほど出番は多くないものの、やはり広能昌三が登場すると画面の空気は一変する。人情に厚く真っすぐな性格は相変わらずで、人を信じすぎるあまり今回も騙されてしまう。

ぶっちゃけ広能昌三もあまり頭がよさそうとは思えないんだけど、その不器用さも含めて魅力のある人物だった。

組織の頂点に立つにはもう少し計算高さが必要だよね?

それでも、射的場で野良犬を食べさせられる場面のようなユーモラスなシーンもあり、出番は少なくても圧倒的な存在感を放っていた。

作品全体としてはテンポが非常によく、組同士の騙し合いや駆け引きも最後まで楽しめたが、前作にあった「誰がいつ死ぬかわからない」という緊張感はやや弱め。

また、靖子を演じた梶芽衣子の美しさも印象的だった。今見てもとても綺麗で当時のスター女優として人気を集めた理由もよく分かる。

全体を通してはシリーズ第2作にして主人公を変え、前作とは異なる角度からヤクザ社会を描こうとした挑戦は十分に伝わってきた。作品としての完成度は高く、最後まで飽きずに楽しめたが、やっぱり山中正治という主人公だけは最後まで好きになることはできなかったのが個人的な感想でした。

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