【映画】ゾン100〜(2023)|実写はひどい?ブラック企業への風刺が光る異色のゾンビ映画の評価【ネタバレ考察】

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映画『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』。をイメージした画像 Netflixオリジナル

2023年に公開された映画『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』。

本作は、麻生羽呂・高田康太郎による人気漫画を実写化したNetflixオリジナル映画。ゾンビパニックを描きながら、本質的なテーマはブラック企業や社畜文化への風刺にあるという変わった作品。

本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。

基本情報




作品名:ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜
原題:Zom 100: Bucket List of the Dead
公開年:2023年
製作国:日本
上映時間:129分
監督:石田雄介
脚本:三嶋龍朗
出演:赤楚衛二、白石麻衣、栁俊太郎、北村一輝
ジャンル:ホラー、コメディ、青春、アクション

あらすじ




映画『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』。をイメージした画像

ブラック企業で心身ともに疲弊していた天道輝は、ある朝目覚めると街中がゾンビであふれていることに気付く。しかし彼は絶望するどころか、「もう会社へ行かなくていい」と歓喜する。死と隣り合わせの世界で、「ゾンビになるまでにしたい100のこと」を書き出したアキラは、自分の本当にやりたかった人生を取り戻すため仲間たちと旅に出る。

ブラック企業で働く人間こそ「ゾンビ」だった




真っ正面から描くゾンビ作品はとっくの昔に限界に来ている。

でもゾンビ作品ってなぜか次から次へと作られていくのはなぜだろう?そしてなんだかんだ観てしまう自分もいる。お隣の国も大好きだよね。

この作品の主人公はブラック企業でメンタルも体もボロボロになっているサラリーマン。ゾンビが街中にあふれた瞬間、「会社に行かなくていい!」と喜ぶところから物語が始まる。

これがもう、この映画のすべて。

普通の映画ならゾンビは恐怖の対象だが、この主人公にとって一番怖かったのはゾンビじゃなくて会社だった。

確かに自分もむかしサラリーマンをしていた時代は、会社にいけなくなるくらい何か事件が起きればいいのにというなんとも後ろ向きな感情だったのを思い出した。

それなら会社やめればいいのに、やめるきっかけすらなく、ただ生きてるんだか死んでるんだかわからない状態で会社に通う感情は理解できなくもない。

そして生きてるか死んでるかわからない状態はまさにゾンビそのものと言えるんじゃないか。

ここでいうゾンビは怪物のことじゃなく、会社というシステムの中で、自分の意思もなく働き続ける人間そのものを指している。

本作はゾンビを使って、現代の働き方を風刺した青春映画というなんともユニークな発想がなんとも新しいと感じた。

でも脚本はちょっと詰めが甘い




マンガの実写化だけど、本作はあまり評判がよくないですね。まぁ、実写化で成功する方が稀なので大目に観たんだけどそれでも気になる点がいくつか。

例えばゾンビだらけの新宿歌舞伎町のドン・キホーテから主人公たちが脱出するシーン。

シャッターを開けて外へ出るんだけど、そのまま開けっぱなしで行っちゃうんだよね。

いや、閉めろよ。

ゾンビが出てくるって分かってるのに閉めない。案の定そのあとドン・キホーテから出てくるゾンビに襲われるんだけど、こういう緊張感を作るための都合のいい展開が結構多い。

あと温泉のシーンだけど、なんでみんな水着なの?

温泉でしょ?

そこは裸でいいじゃんって思った。リアリティより川口春奈の事務所NGくらった?別に川口春奈の裸なんて興味ないけど日本映画らしいいらん遠慮するなよと思ってしまった。

そして主人公のお人よしさ。

ブラック企業であれだけ苦しめられた元上司まで助けようとするのは納得いかん。

うざい上司がゾンビに食われるカタルシスまで主人公のお人好しが奪ってしまっている。

北村一輝も嫌なやつの描き方なんだからスカッとさせてくれ。

本当に描きたかったのは「自由」




本作品はゾンビ映画として見るとちょっと違うと感じるだろう。そこが観た人が違和感を持った理由だろう。

人類がどうなるかなんて正直どうでもよくて主人公がどう生きるかだけを描いている。

だからゾンビはあくまで物語を動かすためのアイコンである。

ブラック企業で自分を押し殺して生きてきた青年が、自分の人生を取り戻していく姿なのだ。

だからベースにあるのは青春映画で、自分のやりたいことを100個書き出して、一つずつ叶えていく。

ゾンビ映画なのに、こんなに前向きな作品は珍しいのではないだろうか。

「ゾンビ=会社」「ゾンビ=自分の意思を失った人間」というブラックユーモアは非常によくできていたし、斬新な作品でした。

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