【映画】犬鳴村(2020)|ひどい?実在した旧犬鳴トンネルはどこにある?最低レベルの脚本に唖然としたホラー映画【ネタバレ考察】

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映画『犬鳴村』をイメージした画像 ホラー

2020年に公開された映画『犬鳴村』。

本作は、『呪怨』シリーズで知られる清水崇監督が手掛けたホラー映画。福岡県の心霊スポットとして有名な旧犬鳴トンネルと、「日本には地図に載らない犬鳴村が存在する」という都市伝説を融合させたオリジナル作品となっている。

公開当時は国内で興行収入14億円を超えるヒットを記録し、「恐怖の村」シリーズの第1作として、その後の『樹海村』『牛首村』へと続くシリーズの原点となった。

いやぁ、にしてもひどかった。

“それ”がいる森』よりはマシだけど近年まれにみる酷さった。

本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。

基本情報




作品名:犬鳴村
原題:HOWLING VILLAGE
公開年:2020年
製作国:日本
上映時間:108分
監督:清水崇
脚本:保坂大輔、清水崇
出演:三吉彩花、坂東龍汰、古川毅、宮野陽名、大谷凜香、奥菜恵、須賀貴匡、田中健、寺田農、高嶋政伸、高島礼子
ジャンル:ホラー

あらすじ




映画『犬鳴村』をイメージした画像

臨床心理士・森田奏の周囲で、奇妙なわらべ歌を口ずさむ女性や不可解な失踪事件、変死体が相次いで発生する。被害者たちは心霊スポットとして知られる「旧犬鳴トンネル」と関わっており、やがて奏の弟もその呪いに巻き込まれてしまう。事件を追う中で、奏は自らの一族が封印された「犬鳴村」と深い因縁を持つことを知り、村に隠された悲劇と呪いの真相へと迫っていく。

実在した犬鳴谷村と「犬鳴村」都市伝説




映画の舞台となる「犬鳴村」は完全な創作ではなく、福岡県鞍手郡には1691年から1889年まで「犬鳴谷村」と呼ばれる集落が実在していた。

林業や製鉄で栄えた地域だったが、周辺自治体との合併を経て村名は消滅。その後、1986年に犬鳴ダムが建設され、一部地域は水没している。

この実在した集落と、付近に残る旧犬鳴トンネルの不気味なイメージが結びつき、「日本国憲法が通用しない村」「地図から消された村」といった都市伝説が生まれることになる。

ただしそうした話を裏付ける事実はなく、実在した犬鳴谷村と都市伝説上の犬鳴村は分けて考える必要がある。

現在、宮若市側の旧犬鳴トンネルへ続く道は、落石などの危険性や不法侵入防止のため柵で封鎖され、立ち入り禁止となっている。

実在の廃村、ダムに沈んだ地域、閉鎖された旧トンネルという複数の要素が重なったことで、犬鳴村は現実と怪談の境界が曖昧な心霊スポットとして語られるようになったのだ。

「驚く」と「怖い」はまったく別物




冒頭からまず画面が暗すぎる。

山奥の心霊スポットへ行っているんだから、そりゃ暗いのは分かる。でも映画として見せる以上、何が起きているのかくらいは分からせてほしい。見えないことによる恐怖を狙っているのかもしれないが、こちらとしては「怖い」より単純に暗くて見づらかった

そして突然何かを出して驚かせる演出がとにかく多い。

女の死体がいきなり車の上へ落ちてきたら誰だって驚くでしょう。でもそれは怖いとは違うんです。ただシンプルにびっくりしただけ。

でも、驚くことと怖いことはまったく別なんですよ。

怖さっていうのは、見終わったあとまで嫌な感覚が残ったりそういう精神へじわじわ入り込んでくるものだが、本作にはその怖さがほぼない。

むしろ笑わせにかかってるのではないかと思うくらいだ。

殺された3人の男たちが、奏の運転する車を全力で追い掛けてくる場面なんかもシュールそのもの。

終盤では、奏の曾祖母にあたる女性が「私の子どもを返して」と追い掛けてくる。犬のような動きや、身体を不自然にくねらせる演出も入っているんだけど、これも『呪怨』の伽椰子で散々見てきたような動き。

もはや清水崇監督がこれまで使ってきたJホラーのテクニックを、そのまま持ってきただけに過ぎない。

脚本、めちゃくちゃです




犬鳴村へ行った明菜は、暗闇の中で吠える犬に遭遇する。それ以来、奇妙な歌を口ずさみ不気味な絵を描き始め、最終的には高所から飛び降りて命を落とす。

しかも検死では、肺に水が入っていたことが判明する。飛び降りた人間の肺に、なぜ水が入っているのか?

その理由は犬鳴村がダムの底に沈められた村で死者の肺に水が入る怪異がつながっている。

しかしこれは犬に呪われたからなのか?村人に呪われたのか?村人はなぜ明菜を襲う必要があったのか?

最後までようわからんのです。あの三人の男性たちもね。だって全く関係ないじゃない。村人を迫害した電力会社の人たちとは。

さらに主人公・奏の霊感は祖母譲りで、その祖母は実は犬鳴村の生き残りだったという事実がわかる。

一方、父方の森田家は、ダム建設や電力会社と関わり、犬鳴村を迫害した側の一族だった。

つまり奏ら兄弟は犬鳴村で迫害された側と、迫害した側、その両方の血筋を受け継いでいるわけだ。

それなのに終盤に至っては「私の子供返して~」と叫ぶ女性は実質、彼らの祖母なのになぜ子孫を襲おうとするのかの説明がないんです。

結果的に犬のハーフなのかどうなのかの説明もないんだけど、エンディングロール手前で奏の歯が犬の歯みたいな形になってるので、じゃあ犬との子供なのか?という疑問が生じる。

しかし、「村人が犬と交わってる」という噂は電力会社が流したものだったはず。

こう考えていくと辻褄が全然合わない。もはや辻褄を合わせることを放棄したような脚本なのです。

ルールが曖昧で何が起きたのか分からない




さらに酷いのが終盤だ。

奏たちは、昔の犬鳴村へ移動し、奏の祖母にあたる赤ん坊を村から助け出すシーン。

帽子をかぶった男は奏の曾祖父で、その相手となる女性が曾祖母だったということになる。

ただこの場面がタイムスリップなのか、死者の世界なのか、過去の記憶を追体験しているのかが、まったくはっきりしない。

途中で死んだ男たちは、なぜ現代で車を追い掛けていたのか。誰が過去へ行き、誰が幽霊として残っているのか。そのルールが整理されていない。

曖昧さを残すこと自体は悪くない。

ホラー映画には、説明し過ぎない余白も必要だと思うが本作の場合は、余白というより単純に説明不足へ見えてしまった。

奏が過去で祖母を助けたとしても、それはもともと現在へ続いている歴史の一部だったはずだ。奏が祖母を助けたから、祖母が生き残り、その子孫である奏が生まれたという循環構造なのだろう。

ただ、それで何が解決したのかが分からない。

犬鳴村の呪いが解けたのかどうかも曖昧なままだで、結局、奏が自分の出生と血筋を知っただけの物語にしか見えない。

物語が前へ進んだというより、すでに起きた歴史をなぞっただけ。二時間何を見せられてたんだろう?

個人的には、全く面白くなかった。

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