【映画】Dr.コトー診療所(2022)|最後は失明?たけひろがリアル。医師とは?実はめちゃ怖い話だった【ネタバレ考察】

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映画『Dr.コトー診療所』をイメージした画像 人間ドラマ

2022年に公開された映画『Dr.コトー診療所』。

本作はを観る人はもちろんドラマ版を見続けてきた人だとは思うけど、「ドラマ版の世界を壊した」という批判も多く出ている。

果たしてそうだろうか?

多分コトー先生が白血病に倒れるという設定や、武弘の件のことを言ってるのだと思うけどちょっとそれらについて自分なりの意見を述べていこうと思います。

自分は実はめちゃくちゃ怖い話だと思いました。

本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。

基本情報




作品名:Dr.コトー診療所
原作:山田貴敏
公開年:2022年
製作国:日本
上映時間:134分
監督:中江功
脚本:吉田紀子
出演:吉岡秀隆、柴咲コウ、時任三郎、富岡涼、高橋海人、生田絵梨花、蒼井優、神木隆之介、伊藤歩、堺雅人 ほか
ジャンル:ヒューマンドラマ、医療、ヒューマンドラマ

あらすじ




離島・志木那島でたった一人の医師として島民の命を守り続けてきた五島健助(コトー先生)。結婚した彩佳との間に新しい命を授かり、穏やかな日々を送っていた。

しかし、コトー先生自身が重い病を抱えていることが判明する。それでも島には代わりとなる医師がおらず、患者を前にすると自らの治療を後回しにして診療を続けてしまう。

一方、島の期待を背負って医師を目指していた武弘は挫折を経験し、故郷へ戻ってくる。そして大型台風による災害が島を襲い、多くの負傷者が発生。自らの命と向き合いながらも、コトー先生は最後まで島民を救うために医師としての使命を貫いていく。

当たり前ではない。




相変わらず沖縄志木那島の景色は美して、自分は実際に本作を映画館で観たわけじゃないけどコトーのBGMとこの美しい風景を大画面で観るのとテレビ画面で観るのとでは全然インパクトが違うんだろうな。

本作は特に景色の撮影に力が入ってるような印象を受けました。

自分なんかは長らく本作を観てきてそれなりに愛着も沸いてるのでコトー先生がチャリンコで走ってるだけなのにBGMで涙ぐみそうになる涙早漏状態ですよ。

そして本作ではついにコトー先生自身が病に倒れるという大きな展開が描かれている。

確かに大きな展開だけど自分には結構腑に落ちたというか。やっぱり島の住人をたった一人でみるって無理がありますよ。

長年の蓄積の疲労だってあるし、多分コトー先生は精密機械で毎年健康診断やってるように思えない。

そして長年の蓄積という意味においても今回のコトー先生の白髪が印象的だったけど、まさに「長年の蓄積」がこの白髪で表現されているような気がして結構ゾッとしたんですね。

みんな当たり前のようにコトー先生に甘えるけど、誰しもが疑問に思わずそれを当然のように思ってる。コトー先生も同じ。

だけどそんな中、新しく来た研修医が「島の人たちはコトー先生に甘えすぎていた」と厳しい言葉を投げかける。

まさに外から見た違和感であり、この指摘は正論なのだ。

しかしさらに根が深くて、離島という環境では医師が簡単に来てくれるわけではなく、島民にとってコトー先生だけが唯一の頼りだったのも事実だ。

そうは言っても「じゃあ君がやれるの?」と言われると難しいよね。指摘するのは簡単だけど、そんな簡単な問題ではないのです。

その理想と現実の板挟みを描いている点は、この映画の見どころの一つ。

そして、この映画は「医師とは何か」という問いも投げかけている。

コトー先生のように、自分が病気をしてまで島民を救い続ける姿は確かに美しいが、それは本当に正しいことなのだろうか?

島民にとっては理想の医師でも、家族から見れば夫であり父親でもあるのだ。自分の命を削ってまで働くことが本当の正義なのか?

その理想と現実、使命と家族の間で揺れ動くテーマこそ、この映画が最も描きたかったことなのではないかと感じた。

武弘のリアル




この映画でもう一人の主人公と言えるのが、原剛利の息子・武弘。

彼は島の期待を一身に背負い、医師になるため東京の大学へ進学したがさまざまな出来事をきっかけに医師への道を断念し、島へ帰ってくることになる。

この展開を見て感じたのは、武弘は本当に自分の意思で医師を目指していたのかということだ。もちろん最初は本人にもその気持ちはあったのだろう。

しかし、それ以上に父やコトー先生、そして島の人たちから「将来は医師になって島へ戻ってきてほしい」という期待を背負わされてきた部分も大きかったように思う。

だってさ、子供の頃の夢なんざコロコロ変わるでしょ?

自分なんて夢すらなかったよ。

「武弘はこうであるべきだ」と島中のみんなが抱いてる。むしろ視聴者側も。

だけどそれは勝手な希望やエゴだと思う。

想定外の挫折に直面した時、自分を見失ってしまってしまったのではないかな。自分自身の強い信念で選んだ道というより、「期待されているから進む道」になってしまっていたからこそ、その重圧に耐え切れなかったのではないか。

そうした葛藤、島の住人の理想と現実のギャップを武弘を通してリアルに描いていたと思います。

ラストは?




ラストについては、人によって解釈が分かれる作品だと思う。コトー先生は手術を終え、最後には自分の子どもを抱く姿が描かれるが、あれが現実だったのか、それとも島の人たちが思い描いた理想だったのかは明確には語られない。

ただ、自分はコトー先生は生き延びたと解釈している。

その理由は、ラストで描かれる島の人たちの空気感。

誰かを失った直後とは思えないほど、普段通りの日常が流れている。もちろん演出としてあえて淡々と描いた可能性もあるが、あの穏やかな温度感を見る限り、自分にはコトー先生が助かった未来として受け取る方が自然に感じられた。

しかし赤ん坊を抱きかかえるシーンでは焦点が合ってない描写があり、どうやら彼は失明しているのではないか?という解釈がある。

実際にラストシーンを確認したところ、赤ん坊の手をコトー先生がつかもうとするんだけど、手を探るような動きなんです。目が見えていればスッと掴めるはず。

完全なる完治は「ご都合主義」と言われてしまうし、死んでしまえば「残酷すぎる」と言われてしまうので、失明でとどめた感は否めない。

だけど「コトー先生の失明はまさに島の犠牲」であり、島に新たにドクターが来ない限りその犠牲はこれからも続いていく…

島の住人たちのこの笑顔は彼の犠牲があって成り立ってるという恐さよ。

という、とても軽やかに終われない重いものを感じてしまいました。

本作は単なるファンサービスでは終わらず、「へき地医療とは何か」という問題をしっかりと描いている。

医師が圧倒的に不足する離島では、一人の医師に頼らざるを得ない現実。しかしその医師も一人の人間であり、家族がいて、自分の人生もある。自らの命を削ってまで患者を救うことだけが、本当に正しい医師の姿なのか。この問いに対して映画は明確な答えを出さない。

ていうか答え出ないよね。

だからこそ本作は、感動作というだけではなく、現代の医療が抱える課題を静かに問いかけた映画だったと感じている。

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