【ドラマ】離婚しようよ(2023)|仲里依紗のブチ切れとクドカン節が光る秀逸な離婚コメディ【ネタバレ考察】

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ドラマ『離婚しようよ』をイメージした画像 ラブストーリー

2023年に配信されたNetflixオリジナルドラマ『離婚しようよ』。

宮藤官九郎と大石静という日本ドラマ界を代表する脚本家が共同で手掛けた話題作。

政治家と人気女優という特殊な立場の夫婦を通して、SNS時代の結婚観や夫婦関係、世間体、本音と建前をコミカルに描いている。

離婚をテーマにしながら重苦しさは少なく、宮藤官九郎らしい毒のあるセリフと軽快なテンポで最後まで楽しめる作品となっている。

本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。

基本情報




作品名:離婚しようよ
原題:Let’s Get Divorced
公開年:2023年
製作国:日本
話数:9話
監督:金子文紀、福田亮介、坂上卓哉
脚本:宮藤官九郎、大石静
出演:松坂桃李、仲里依紗、錦戸亮、板谷由夏、織田梨沙、神尾楓珠、少路勇介、古田新太、高岸宏行、尾美としのり、池田成志、山本耕史
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ、恋愛

あらすじ




ドラマ『離婚しようよ』をイメージした画像

愛媛選出の新人国会議員・東海林大志と、国民的人気女優・黒澤ゆいは結婚5年目の夫婦。しかし世間では理想の夫婦として見られている一方で、実際の関係は完全に冷え切っていた。

一刻も早く離婚したい二人だったが、政治家としての立場や芸能活動、スポンサー契約、家族や後援会など様々な事情が離婚を許さない。

そこで二人は周囲に秘密で“離婚計画”を進めることになるのだが、次第に互いの本音や結婚生活の現実と向き合うことになっていく。

離婚というゴールを目指す異色のラブコメ




離婚話といえば、2019年の映画『マリッジ・ストーリー』が印象的だけど、本作は「どうやって離婚するか」を夫婦が本気で目指していく異色のホームコメディとなっている。

あちらはだいぶ重い作品だったけど、こちらはクドカンの脚本らしく完全にコメディ寄りに振り切っている。

政治家と人気女優という特殊な立場の夫婦が主人公で、離婚したいのに周囲が離婚させてくれない。

政治的事情、スポンサー、SNSでのイメージ戦略、違約金問題など、現代らしい障害が次々と立ちはだかるのも興味深い。

普通の恋愛ドラマなら「どうやって結婚するか」がゴールになるが本作は「どうやって離婚するか」がゴールになっていてその発想自体が秀逸。

そして何より印象的だったのが仲里依紗。

もうキレキレです。

怒り、呆れ、悲しみ、強がり、諦めと感情の振れ幅が非常に大きく、それを見事に演じ切っている。正直、この作品を観ていると彼女の演技力に目を奪われる場面が何度もあった。

後の『不適切にもほどがある!』も本作あっての演技だろう。

物語を観ているとどうせ「結局この二人は元に戻るんでしょ?」と想像するもそんな単純な話じゃなかった。夫婦という関係の複雑さを描きながら、「結婚とは何か」「夫婦とは何か」という普遍的なテーマを描いた直球的な作品だったように思う。

テーマ自体は決して新しくないが、クドカンらしい笑いと皮肉で包み込んだことで、非常に見やすいエンターテインメント作品になっている。

全員が毒舌な人間ドラマ




本作には仲里依紗だけでなく、錦戸亮や古田新太といった宮藤官九郎作品ではおなじみの面々が出演している。

後の『不適切にもほどがある!』にも繋がっていく顔ぶれを見ると、ある種のクドカン組のような雰囲気もある。

錦戸亮のナルシストキャラも濃かった。

女性に対して甘い言葉は吐くけどよくよく話を聞いていると、どこか地に足がついておらず理想論ばかりを語っていて、肝心な部分では責任を取ろうとしない。

こういうやついるよなぁ。

お前結局何なんだよという笑

登場人物たちは皆どこか面倒くさくて、表向きは大人として振る舞っているのに、心の中ではかなり毒を吐いている。建前と本音がまったく違う。

誰もが本音を隠しながら生きていて、その本音が漏れ出した瞬間に笑いになる。

この辺りはクドカンらしい魅力だろう。

ただし全9話を通して観ると、中盤以降はやや間延びする部分も否めない。離婚というゴールへ向かう物語なのに、なかなか話が前へ進まないためややストレスを感じる部分もあった。

クドカン節全開の名セリフ




本作の魅力を語るうえで外せないのが、やはりクドカンらしいセリフの数々だろう。

とにかく名言というか、妙に本質を突いてくるセリフが多い。

「合体してなければ不倫じゃないなんておかしくないですか?私は不倫しましたよ。大丈夫、不倫です。エロいこともいっぱいしましたよ。合体以外のことは全部してます」

とか、

「女子アナの行く先って、脱ぐか政治家の二択ですよね。あなたはどっち?」

など、普通のドラマならなかなか出てこないような強烈な言葉が次々と飛び出してくる。

「不能だから人よりたくさん考えるんだ。愛とか幸せとか自由について」

といったセリフには、笑いの中にも妙な切実さがある。

クドカン作品の面白さは、みんなが心のどこかで思っていることを、そのままストレートに言葉にしてしまうところだ。

そして本作が面白いのは、恋愛ドラマの定番とは真逆の構造を取っている点だ。

だからこそ、結婚生活の現実や男女の価値観の違い、本音と建前、愛情が消えた後に残るものまで見えてくる。

「どうやって愛し合うか」ではなく、「なぜ愛せなくなったのか」を描いている作品だから面白い。

その意味ではホームコメディでありながら意外と夫婦関係の本質に迫っているドラマだったように思う。

個人的には、この作品で松坂桃李をかなり見直した。

クドカンらしい毒とユーモアがたっぷり詰まったなかなか面白い一本だったが、最後はやっぱり女側がさっさと相手見つけて幸せになってるお決まりのパターンなのね。

これが男が相手見つけて付き合ってるラストにすると批判が出るんだよね。なんでなんでしょうね?

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