【映画】青天の霹靂(2014)|劇団ひとり監督が描く「泣ける親ガチャ物語」とラストについてネタバレ考察

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「青天の霹靂」の草原に立つ晴夫を描いた水彩画風イラスト コメディ

2014年に公開された映画『青天の霹靂』。

芸人・劇団ひとりによる同名小説を原作に、自身が監督を務めて映画化した作品。

原作は劇団ひとりが荒木町のマジックバーで「ペーパーローズ」というマジックを見て着想を得たことがきっかけで執筆された。主演には大泉洋、ヒロインには柴咲コウを起用。

昭和の浅草を舞台にしたノスタルジックな空気感と、「親子関係」「後悔」「人生のやり直し」を描く物語で話題となった。

本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。

基本情報




・作品名:青天の霹靂
・公開年:2014年
・監督:劇団ひとり
・脚本:橋部敦子、劇団ひとり
・音楽:佐藤直紀
・ジャンル:ヒューマンドラマ/ファンタジー
・上映時間:96分
・製作国:日本
・主なキャスト:大泉洋、柴咲コウ、劇団ひとり

あらすじ




「青天の霹靂」の草原に立つ晴夫を描いた水彩画風イラスト

35歳の売れないマジシャン・轟晴夫は、父の訃報を受けた直後、雷に打たれて昭和48年の浅草へタイムスリップしてしまう。

そこで彼は、若き日の父・正太郎と、自分を捨てたはずの母・悦子に出会う。浅草の雷門ホールでマジックショーを手伝いながら、晴夫は次第に「なぜ母は自分を置いて消えたのか」という真実に近づいていく。

過去を知ることで、晴夫はずっと憎んでいた両親の人生や苦しみを理解し始める。

ベタベタ




エンディングロールでミスチルが流れた瞬間、「うわぁ、やっぱミーハーだな」という印象を受けテンションが一気に下がってしまった。

ミスチルって2000年代初頭くらいから出す曲(特にタイアップ曲)は全部同じような曲に聴こえるのはなんでだろう。ファンの皆様、すみません。

まぁ、それは置いといてこれがインストのBGMならもっと自分のなかで評価はガラッと変わってたんだろうけど、やっぱり内容もエンディングも全部ベタベタでした。

ヒロインには柴咲コウでしょ?ベタベタだねぇ。

本作は基本的に「かなり大味」というかベタベタですけど、日本人ベタベタなものが大好きなんで、みんなに受け入れるんだろうな。

うがった見方しましたけど実際、演者たちの演技は良かったし、劇団ひとりはこれが監督デビューとは思えないくらいの完成度かと思いました。脚本の橋部敦子さんの力も大きいとは思いますが。

少なくとも同じ芸人の品川浩の『漫才ギャング』なんかよりよっぽどよくできてました。

両親の本当の想い




本作は簡単に言えばタイムスリップというまたベタベタな手法で両親の自分に対する本当の想いに気づくという話。

自分を捨てていった母親、ほかに女を作った父親。

いわゆる「親ガチャ」で外れを引いたとずっと思ってきた晴夫は、人生がうまくいかないのはどこか自分の境遇のせいだと人のせいにしていたんだと思う。

だって残酷な現実に向き合った時にそう思っていた方が楽だからだ。

うまくいかないのは自分のせいじゃなくて、こんな惨めな人生を送ってるせいだと。

だから親のことをずっとどこか憎んでいたのに、それは事実とは全く異なっていたのだ。むしろ母親は晴夫が生むために亡くなってしまい、それを隠すために親父はほかで女を作った体にしていたことがタイムスリップで判明する。

「つじつまが合わないんだよ」

晴夫のなかですべてがひっくり返った瞬間だった。

彼は愛されていたのだ。

自分の人生がうまくいかないのは自分のせいだったのかもしれない。

この展開も「憎んでからの実は~パターン」でだいぶ王道なものだけど、演者たちの演技の熱量で感動させられました。

そして現実世界で晴夫は全く売れないマジシャンだったけど、タイムスリップ中はどんどん売れていく。

しまいには自分が生まれる誕生日に一人でマジシャンとして舞台に立ち大成功をおさめます。

でもこれ本当に事実だったのかな?

あくまで晴夫の理想(こうであって欲しいという願望)だったのでは?

と思ったら、そのままホームレスの親父が出てきて晴夫をおびき寄せるために警察を騙したということが明らかになります。

なーんだ。じゃあ夢オチじゃなかったのね。

またうがった見方をしても何も出てこなそうなのでこのままファンタジーにあやかりましょう。

マジック練習したんだろうな




本作で大泉洋はマジックよく練習したんだろうなというのが凄くよく伝わってきました。

売れないマジシャン役でなんなら後輩の方がテレビに出るくらい。この辺の売れない芸人の哀愁は劇団ひとりだから描けるんだろうな。

だって「どんな芸やってるんですか?やってみてください」って、これ芸人が一番言われたくないやつでしょ。半分レイプですよ。

スーパーのお惣菜が半額になったのをみはらかって、買いに行く晴夫。

その時、スーパーの店員にも「まぁ、半額でもどっちでもいいんだけどなぁ」みたいなセリフを言うくらい彼は自尊心がやたらと高くて、だからこそ現実とのギャップにつぶされそうになる。

冒頭のトランプマジックのシーンや色々あきらめたような表情の大泉洋が実に素晴らしい。彼の顔の表情は哀愁そのものだ。

しかしあのスプーン折るのはどうやったんだろう?個人的にマジックが好きになれないのはわからない、解決しないから。

特にあまり苦労もなく舞台で大ウケなのは芸人あるあるなんでしょうかね。『漫才ギャング』の時もそうでしたね。

あの中国人キャラも劇団ひとりのネタそのままだけど、邪魔だなぁ。

とは言え、あまり敵を作らない王道な作りの映画でヒットするのも理解できました。

大泉洋主演作