【映画】アイズ・オン・ユー(2023)|130人以上を殺した実話「デートゲーム・キラー」とは?連続殺人鬼ロドニー・アルカラ事件【ネタバレ考察】

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映画「アイズ・オン・ユー(Woman of the Hour)」のゲームショー出演シーンを描いた水彩画風イラスト。司会者風の男性とシェリル役の女性がスタジオで緊張感のある表情を見せる。 Netflixオリジナル

2023年に公開された映画『アイズ・オン・ユー』。

『ピッチ・パーフェクト』シリーズで知られる女優のアナ・ケンドリックが初監督を務めた実話ベースのサスペンス作品。

本作の題材となったロドニー・アルカラは、アメリカ犯罪史でも特に有名な連続殺人犯のひとりで、「デートゲーム・キラー」と呼ばれた実在人物である。

彼が有名になった理由は、その残虐な犯罪だけではない。1978年、人気テレビ番組『The Dating Game』に出演し、実際に女性出演者からデート相手として選ばれていたからだ。

つまり本作は、「テレビの生放送で殺人鬼が人気者として扱われていた」という信じ難い実話をベースにしているのが興味深い。

本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。

基本情報




・作品名:アイズ・オン・ユー
・原題:Woman of the Hour
・公開年:2023年
・監督:アナ・ケンドリック
・脚本:イアン・マクドナルド
・音楽:ダニエル・ロペス
・ジャンル:クライム/サスペンス/実話
・上映時間:95分
・製作国:アメリカ
・主なキャスト:アナ・ケンドリック、ダニエル・ゾヴァット、ニコレット・ロビンソン

あらすじ




映画「アイズ・オン・ユー(Woman of the Hour)」のゲームショー出演シーンを描いた水彩画風イラスト。司会者風の男性とシェリル役の女性がスタジオで緊張感のある表情を見せる。

1978年のロサンゼルス。

女優を目指すシェリルは、なかなか成功を掴めずにいた。そんな彼女のもとに、人気テレビ番組「デート・ゲーム」への出演依頼が舞い込む。

番組では3人の男性から質問への回答を聞き、その中からデート相手を選ぶという内容だった。しかし出演者のひとりであるロドニーは、実は複数の女性を殺害していた連続殺人犯だった。

テレビのスタジオでは魅力的で知的な男性に見えるロドニー。しかしその裏では、恐ろしい犯罪を繰り返していた。

シェリルは知らぬまま殺人鬼と向き合うことになる。

130人以上殺したとされる伝説の殺人鬼




しかしアナ・ケンドリックも初監督でなんでこんな題材を選んだんだろ・・・

女優志望の女がバチェラーに出演して選んだ相手が殺人鬼だったという実話ベースの話。

本作品では時代的にも女性蔑視をテーマに組み込んでおり、そちらも同じくらい力を入れて表現しているよう思える。

しかし、「男なんてちょろい」などのセリフなどNetflixにありがちな「男性蔑視」が伺え、男性からすると正直気分はよくない。この作品に関わらず今の時代ってなんでわざわざ男性を挑発するようなセリフを組み込むのか理解に苦しむんだよね。

別に女性の権利を主張するのはいいんだけど、男をこけ下すような表現がNetflix作品にはいくつもあって、これはいいんだろうか?とよく思ってしまう。

まぁ、話をもとに戻すとこの殺人鬼は絶妙に見た目もキモいんだけどしっかりとコミュ力があってちゃんと女性をデートに誘える人間なんです。

なのにわざわざレイプして殺すことをしなくてもいいと思うんだけど。

本作では殺人者の気持ちに寄り添ったり、フォーカスしたりはほぼしてない。

警察に事情聴取されて焦ったり、レイプした女性の隣でなぜか泣いてたりちょいちょい殺人者のなかでも葛藤や感情の揺らめきみたいなものは見え隠れするも、殺人の動機などは明らかになっていないし、しようともしていない。

何百人も殺す人の心理なんて理解できないのでこの演出はこれで良かったと思います。

1970年代の女性差別が生んだ悲劇




随所随所に結構ドキドキされられるんだけど物語としては大きな展開って意外とないんです。

確かに女優志望のシェリルの司会進行で進められる番組にロドリーが出演して、その帰りに誘われるシーンとか緊張感があるんだけど、普通に逃げ切れてシェリルのエピソードはそれでおしまい。

それと同時並行で何人かの被害者女性が殺されるエピソードが挟まれるんだけど、淡々と殺されていくシーンが続くだけ。

そしてそこから浮かび上がるロドリーという殺人者の恐ろしさは伝わるもののやや単調さは否めない。

なぜ彼は番組に出演できたのか、なぜ誰も見抜けなかったのか。

1970年代の女性差別や芸能界の構造も重要なテーマとなっていて、女性の違和感や不安が軽視される社会の空気が、結果的にロドニーのような人物を見逃してしまったのだ。

Netflixのオリジナルドラマ『ダーマー』でも似たような描写がある。

警察が危険信号を見落とした背景には、いくつもの偏見が折り重なるバイアスの重層化がある。

本作でも番組に出演していたロドリーを観て危険を知らせた女性の声が届かないという描写がある。

つまり世間がもっと女性たちの意見を真剣に聞いていれば被害者の数を抑えられたかもしれないのだ。

まさにこの事件って女性差別から生まれた悲劇なのではないだろうか。

アナ・ケンドリックの手腕




本作ではロドリーの恐ろしさを描くというよりも、女性たちの声が無視され続けた社会と、その結果として見過ごされた危険の方を注力して描いているように感じる。

人気テレビ番組に出演するシェリル、ロドニーを危険人物だと警察へ通報した若い女性、友人をロドニーに殺害された女性。

物語の中心にいるのはロドリーではなくあくまで女性たち。

被害を訴えても真剣に扱われない時代。

危険を感じても周囲の男性たちに否定される時代。

ロドニーという怪物そのものよりも、その怪物を放置してしまった社会の方が恐ろしく映る。

130人以上の被害者がいたとも言われるロドニー事件。

また、本作が高く評価された理由のひとつにアナ・ケンドリック自身の行動もある。

彼女は本作で得た報酬をDV被害者支援団体へ寄付したことで話題になった。

映画のメッセージを作品外でも実践したわけだ。

本作は女性たちの視点から描かれる実話サスペンスとして見るなら非常に完成度が高く、初監督作品とは思えないアナ・ケンドリックの手腕と、実話ならではの重みが印象に残る一本だった。

しかしさ、『グッド・ナース』しかりアメリカってシリアルキラー多すぎ!

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