2000年に公開された映画『キャスト・アウェイ』。
監督は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フォレスト・ガンプ』のロバート・ゼメキス。主演はトム・ハンクス。
中盤から大半をほぼ一人芝居で成立させており、派手な説明や過剰な音楽ではなく、波の音、風、沈黙、火を起こす苦闘だけで観客を引っ張っていく。
現代版ロビンソン・クルーソーとも言える設定を通して、人間が文明から切り離された時に何を支えに生きるのかを描いた作品である。
本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。
基本情報
作品名:キャスト・アウェイ
原題:Cast Away
公開年:2000年
製作国:アメリカ
上映時間:143分
監督:ロバート・ゼメキス
脚本:ウィリアム・ブロイルズ・ジュニア
出演:トム・ハンクス、ヘレン・ハント、ニック・サーシー
ジャンル:サバイバル、ドラマ
あらすじ

フェデックスのシステムエンジニアとして世界中を飛び回るチャック・ノーランド。恋人ケリーとの将来を考えながらも、仕事に追われる日々を送っていた。ある日、搭乗した貨物機が太平洋上で墜落し、チャックは無人島へ流れ着く。食料も水も住居もない極限状態の中、彼は漂着した荷物を使いながら生き延びようとする。やがてバレーボールに顔を描き「ウィルソン」と名付け、孤独と正気を保つための相棒にしていく。
虫歯は神経いってるから抜いたくらいじゃおさまらないと思う
めちゃくちゃ今更の映画です。
この映画、確か公開当時に新宿の劇場へ観に行ったのを覚えてる。
2000年。さて、誰と観に行ったっけな…
監督はロバート・ゼメキスでトム・ハンクスとは『フォレスト・ガンプ』以来。もはや鉄板コンビです。
内容もいまさらで特に説明するまでもないんだけどいわゆる漂流物語です。
実話?という検索ワードも出てるけど実話ではありません。
脚本を担当したウィリアム・ブロイルズ・Jrは、映画のリアリティを高めるために、実際にメキシコの無人島で数日間生活を送ったようです。
自らヤシの実を割ったり、火をおこしたり、魚を捕まえたりした経験が、主人公チャックのサバイバル描写に大きく活かされたんだとか。
時間に追われてばっかの主人公のトム・ハンクスが乗った飛行機が墜落して無人島へ不時着。
そこでの4年間のサバイバルが話の主なんだけど、劇中ではほぼトム・ハンクスの一人芝居。
特に印象的なのが虫歯になり激痛に耐えられなくなったトム・ハンクスが自分で抜歯するシーン。
痛々しすぎて目を逸らしてしまいそうなほど恐ろしいシーンです…
だけどあそこまで痛がってるのならかなり深くまで神経やられてるわけで歯を折ったくらいじゃおさまらないと思うんだけど。
きっとあれからさらに虫歯とのバトルがあったのかな…虫歯とのバトルはもっと観たかったな。
バレーボールのウィルソンの存在
特に象徴的なのが、バレーボールの「ウィルソン」。ただの道具ではなく、チャックが孤独の中で人間性を失わないために作り出した存在だ。
話し相手がいないからといってバレーボールに話しかけてたのはなんかわかる気がしないでもない。
やっぱり人間、「孤独」ってのが一番こたえるよね。
島を脱出する時にあのバレーボールがイカダから流れていっちゃうんだけどトム・ハンクスが泣き叫ぶシーンは思わずウルっときてしまったよ。
多分2000年当時の私は泣いてないと思う。
歳とったのかな。
ウィルソンを失う場面があれほど辛いのは、あれがボールではなく、トム・ハンクスの精神をつなぎ止めていた最後の他者だったからだ。
ちなみにのバレーボールが映画の公開後に3500万円で落札されたんだとか。バカなの?
気になった点としては四年後のシーンで大してトム・ハンクスは大して痩せ細っていないということ。結構ダイエット頑張ったようだけど申し訳ないが期待外れだった。
あの島でまともな栄養なんて取れないはずでもっとガリガリになってないとおかしくないかな?
衛生状態だって良くないし怪我したって消毒もできやしない。
傷口からバイ菌入って壊死したりしてアウトの可能性大。
長いこといれば何かしらの病気にもなりかねないし五体満足でよくいれたな。
見たところ歯だってちゃんと綺麗に生え揃ったままだし。
ってすんません、元も子もない意見でした。
ラストの十字路の意味
島から脱出してからも話は少し続くんだけど劇場で鑑賞した当時は「長いな」という印象だった。
「サバイバルモノなら脱出してパッと終わってくれよ」なんて単純だった私は思ったものだけどあれから数十年経って流石に成長したのかわからないが、どちらかと言うとその後の人生をもっと観たくなった。
なんなら前編後編に分けて後編をガッツリその後の人生を描いてほしいくらい。
なんでかっていうと、
あんな体験した後にすぐに社会に馴染めるのか?とか、
婚約までした彼女が別の男のものになってたりとか、話を掘り下げようと思えばいくらでも掘り下げられそうだから。
むしろそっちメインで観たいくらい。
おそらく一生食っていけるだけの莫大な慰謝料をもらっただろうから働かなくてもいいんだろうけど果たしてトム・ハンクスはこの後の人生幸せなんだろうか?
彼女を二度と失った彼は今後何を糧に生きていくのか?
考えれば考えるほど深いです。
帰還したチャックは英雄のように扱われるが、彼が戻った世界にはもう自分の居場所がない。
無人島から脱出したのに、社会に戻ってもまた別の孤独が待っている。失ったものがデカすぎでしょ・・・
最後の十字の道のシーンはちょっと説教臭いというかあざといかな。
あの十字路は、チャックが過去を取り戻す物語ではなく、「何も持たない状態からもう一度人生を選ぶ」というのを象徴しているけどなくてもいいかな。まぁ、最後にメタファー持ってこないと着地が見えなかったのでしょうか。
生き延びたから終わりではない。失ったものを抱えたまま、それでも次の道を選ぶしかない。
本作は、サバイバル映画でありながら、人生の再出発を描いた作品でもある。
数十年の時を経て鑑賞したらこんなにも感じるものが違うのかと思ったら色んな作品をまた観直してみようかなと思った次第であります。





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