【映画】マリッジ・ストーリー(2019)|なぜ離婚裁判はここまで地獄なのか?離婚の疑似体験が辛すぎるNetflixの傑作【ネタバレ考察】

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「マリッジ・ストーリー」の家族3人がベッドに横たわる静かな時間を描いた水彩画風イラスト Netflixオリジナル

2019年に公開された映画『マリッジ・ストーリー』。

本作品は、ノア・バームバック監督自身の離婚経験も投影されたと言われる作品で、アダム・ドライヴァーとスカーレット・ヨハンソンが主演を務め、現代の離婚と家族を極めてリアルな温度感で描いた傑作。

これは結婚してる人が観るには共感しかなくて、まるで地獄のような作品でした。

本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。

基本情報




・作品名:マリッジ・ストーリー
・公開年:2019年
・監督:ノア・バームバック
・脚本:ノア・バームバック
・音楽:ランディ・ニューマン
・ジャンル:ヒューマンドラマ/恋愛
・上映時間:136分
・製作国:アメリカ・イギリス
・主なキャスト:アダム・ドライヴァー、スカーレット・ヨハンソン、ローラ・ダーン、レイ・リオッタ、アラン・アルダ

あらすじ




「マリッジ・ストーリー」の家族3人がベッドに横たわる静かな時間を描いた水彩画風イラスト

ニューヨークで劇団を率いる演出家チャーリーと、元女優で妻のニコール。
二人は息子ヘンリーを育てながら生活していたが、すでに夫婦関係は破綻寸前だった。

当初は穏便な離婚を望んでいたものの、ロサンゼルスでの生活を望むニコールが弁護士を立てたことで状況は一変。
親権、仕事、生活拠点、そして互いのプライドが衝突し、愛し合っていたはずの二人は少しずつ“敵”のようになっていく。

しかし本作が描くのは単純な離婚劇ではない。
「嫌いだから別れる」のではなく、「愛していたからこそ傷つけ合ってしまう」人間の不器用さである。

離婚裁判の疑似体験




幸い、自分は離婚を迫られているわけではないが本作は極めてリアリティにあふれた作品であり、強く胸に刺さる作品でした。

ブルー・バレンタイン』を観た時のような衝撃です。

暴力や裏切りよりも、「少しずつ積み重なった不満」と「すれ違い」が夫婦を壊していく過程が恐ろしいほど現実的なんです。

そして何より本作の見どころは、観ている者が実際に離婚するまでの流れを疑似体験できるということ。

これが正直言ってめちゃくちゃ辛い。

例えば、弁護士は依頼人の利益を最大化する職務があるため、夫婦双方の代理人になることは禁じられている。つまり、弁護士Aに離婚相談した場合、相手は弁護士Aの担当になることができない決まりがある。

だから色んな弁護士に会うことで「相手の弁護士の選択を縮める」という戦略もあることを本作で初めて知りました。さすが、監督の実体験。

そう、本作は離婚裁判とは戦争であるということを突き付けられるシーンの連続です。

弁護士を雇い、争う。

特に裁判のシーンでは双方の弁護士たちが自分たちに代わって相手をめった刺しにしているかのような印象を受けました。

もはや地獄でしょ、これ。

『ジュラシック・パーク』のローラ・ダーンの毒々しい感じも圧倒的な存在感でしたね。

彼女は本作でアカデミー助演女優賞を受賞しています。

リストの伏線回収




特に中盤のアダム・ドライヴァーとスカーレット・ヨハンソンの口論シーンは映画史に残る名場面ではないだろうか?

感情が爆発しながらお互いを人格攻撃をするシーンはめちゃくちゃ胸が痛みました。子供が聞いてたら100%トラウマになって人格に大きく影響を与えるようなシーンでしょう。

とは言え本作が優秀なのはただお互いを傷つけあうだけでない。

冒頭では離婚カウンセラーの前でお互いが思う長所をリストに書いて読み上げようとするシーンがある。結局、チャーリーもニコールもお互いそのリストを発表しあうことなくこの場を立ち去るわけだけど、最後の最後にしっかり伏線回収されてました。

息子のヘンリーが一生懸命、ニコールが書いた「チャーリーの美徳だと思うリスト」を読むんだけど、ここでいいのが、あまり大げさな映像になっていないということ。

それが一層涙ぐむチャーリーとそれを遠巻きに眺めるニコールの表情に集中できました。

多分、これが邦画ならもっとBGMなんかで泣かせよう泣かせようするんだろうな。

いつだって子供




夫婦喧嘩って表面的な不満の裏にプライドや、「わかってほしい」という承認欲求によって、お互いに自分の正当性を主張するあまり、相手を傷つける言葉で攻撃し合ってしまいます。

だけど、チャーリーとニコールの間にはたった一人の子供ヘンリーがいます。

どんな理由であれ、両親がお互い傷つけ合う姿なんて子供は見たくないんですよね。

途中でチャーリーとニコールも「子供のため」と言いながら自分たちのプライドで喧嘩している節が見受けられました。

子供にとって何が一番大事なことは何かと考える。これを改めて考えさせられる内容でした。

離婚とは何も悪くない子供が一番の犠牲を払うんだということ。

しかしニコールのキスや「指でして」は不貞行為にはならないのか?という疑問が生じたこと。

そしてローラ・ダーンが聖母マリアを持ち出して父親像への皮肉を言うシーンが少し気に食わなかった。

母親は完璧でなければ文句を言われる。一方、男は何やっても許される。

果たしてそうかな?今の時代そんなことないと思うけど、

こうやって堂々と男性を批判できる世の中というのは女性の立場が強くなったからなんだろうけど、逆はいいのか?男性差別が最近ちょっと気になりだしてる自分です。

作品自体もはアカデミー賞6部門ノミネートを果たし、Netflix映画を代表する一本となったのは間違いなく、最近観た作品のなかではかなり刺さる内容でした。

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