2011年に公開された映画『ラブ・アゲイン』。
グレン・フィカーラとジョン・レクアが監督、ダン・フォーゲルマンが脚本を担当したロマンティック・コメディ。
妻から離婚を切り出された中年男性の再出発を中心に、プレイボーイの青年、恋に悩む若い女性、初恋に突っ走る少年など、世代の異なる複数の恋愛を並行して描く。
ライアン・ゴズリング主演ということで何となく見始めた作品。
本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。
基本情報
作品名:ラブ・アゲイン
原題:Crazy, Stupid, Love.
公開年:2011年
製作国:アメリカ
上映時間:117分
監督:グレン・フィカーラ、ジョン・レクア
脚本:ダン・フォーゲルマン
原作:なし
出演:スティーヴ・カレル、ライアン・ゴズリング、ジュリアン・ムーア、エマ・ストーン、マリサ・トメイ、ケヴィン・ベーコン
ジャンル:ロマンティック・コメディ
あらすじ

長年連れ添った妻エミリーから突然、同僚デイビッドとの浮気を告白され、離婚を切り出されたキャル。家庭を失い、一人でバーへ通っては妻への未練をこぼしていた彼は、そこで女性から次々と注目を集めるジェイコブと出会う。
冴えないキャルを見かねたジェイコブは、服装から会話、女性への接し方まで徹底的に教え込む。キャルは次第に自信を取り戻し、女性との出会いを楽しむようになるが、それでもエミリーへの気持ちを捨てきれない。
ベタなラブコメなのに、豪華キャストのおかげで意外と飽きない
本作は、妻エミリーから突然離婚を切り出されたキャルが、バーで出会ったモテ男ジェイコブから女性の口説き方を教わり、冴えない中年男から少しずつ変わっていくラブコメディ。
正直、設定そのものには新鮮味はない。
妻に浮気され、離婚を切り出された冴えない夫。そして最後にはなんだかんだで夫婦の関係が修復されていくという、序盤からある程度着地点が想像できるタイプの映画でもある。
ただキャストはかなり豪華。
スティーヴ・カレル、ライアン・ゴズリング、ジュリアン・ムーア、エマ・ストーン、ケヴィン・ベーコン、マリサ・トメイと、知っている顔が次々と出てくる。
特にライアン・ゴズリングとエマ・ストーンは、後の『ラ・ラ・ランド』でも共演する二人だ。
エマ・ストーンって美人なんだから、ブスなんだかよくわからない個性的な顔面してますな。
ストーリー自体には既視感があっても、俳優陣のおかげで気軽に最後まで観られる。
そしてキャルを見ながら、意外にも自分自身について考えてしまった。
キャルには「GAPでいい」「これでいいや」という感覚が染みついている。
でも垢抜けている人とそうでない人の差って案外こういうところなのかもしれない。
年齢を重ねても魅力的な人は、「これでいいや」で終わらず、服装でも髪型でも体型でも、もっと良くするために何かしら努力している。
キャルという冴えない中年男を見ながら、「これでいいや」を積み重ねていると、自分もこうなるのかもしれないと思わされた。
ラブコメを観ていて、まさか自分の老い方について考えるとは思わなかった。
恋愛指南役が娘の彼氏になる
キャルはジェイコブから女性の口説き方を教わり、完全に師匠と弟子のような関係になるが、そのジェイコブが本気で好きになったハンナは、実はキャルとエミリーの娘だった。
この逆転の関係こそがこの映画の肝なんでしょう。(それ以外見所が見当たらない)
映画はそれまでハンナがキャルの娘であることを意図的に伏せているので、ちょっと卑怯にも感じるが、この種明かしによって人間関係が一気につながっていく。
さっきまでキャルに偉そうに恋愛を教えていた男が、今度は娘の彼氏としてキャルの前に立つ。
師匠だった男が、突然「娘と付き合っている男」になる。
さらにロビーはベビーシッターのジェシカが好きで、そのジェシカはキャルが好き。キャルはエミリーとやり直したい。そしてエミリーにはデイヴィッドとの浮気がある。
みんな自分が欲しい相手には振り向いてもらえない。
それぞれ別々に進んでいた恋愛が少しずつつながっていく、群像劇としての構成はよくできていたと思う。
ただしロビーのジェシカへのアプローチはさすがにしつこいし、一途というよりもはやストーカーに近い。
さらに卒業式では、本来ロビーがスピーチするはずなのに、途中から父親のキャルが出てきて自分の話を始める。
いや、息子の卒業式に何しゃしゃり出て来てんだよ。
息子がどんな内容を話そうとしていたとしても、そこは本人に最後まで話させればいい。映画としては感動的な場面として処理しているけれど、父親が息子の舞台を奪っているようにしか見えなかった。
全員なぜか丸く収まる。
最後はそれまでグチャグチャだった人間関係が、なぜかきれいにまとまっていく若干のご都合主義。
まぁ、雨降って地固まる、ということなのだろうか。
もっとも、この映画に一つ一つ現実的な整合性を求めても仕方がないのだろう。
いつも同じバーにジェイコブがいるのもそう。
この町にはバーが一軒しかないのか?
夜になると必ずジェイコブがいるけどお前は暇なのか?
そんなツッコミを入れながら、頭を空っぽにして観るくらいがちょうどいい。
ストーリーそのものには既視感があるし、結末にも大きな驚きはないが豪華な俳優陣にも助けられて、最後まで退屈せずには観られた。






