2014年に公開された映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』。
本作は、イギリスの数学者アラン・チューリングの生涯を題材にした実話ベースの伝記映画。
第二次世界大戦中、ドイツ軍が使用していた暗号機「エニグマ」の解読に挑んだチューリングとブレッチリー・パークの暗号解読チームの活動を中心に描いている。
脚本はアンドリュー・ホッジスによるチューリング伝『Alan Turing: The Enigma』を原作としており、グレアム・ムーアが映画向けに再構成。監督はノルウェー出身のモルテン・ティルドゥム。主演のベネディクト・カンバーバッチはチューリングの知性と孤独を繊細に演じ、高い評価を獲得。
公開後は世界的なヒットを記録し、第87回アカデミー賞では作品賞を含む8部門にノミネート。脚色賞を受賞しました。またゴールデングローブ賞や英国アカデミー賞でも高い評価を受けています。
本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。
基本情報
・作品名:イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
・公開年:2014年
・監督:モルテン・ティルドゥム
・脚本:グレアム・ムーア
・音楽:アレクサンドル・デスプラ
・ジャンル:伝記、歴史、戦争、ドラマ
・上映時間:114分
・製作国:アメリカ、イギリス
・主なキャスト:ベネディクト・カンバーバッチ、キーラ・ナイトレイ、マシュー・グッド、ロリー・キニア、チャールズ・ダンス
あらすじ

1951年、数学者アラン・チューリングは自宅への侵入事件をきっかけに警察の捜査を受ける。その過程で物語は第二次世界大戦下へと遡る。
1939年、ドイツ軍の暗号機「エニグマ」の解読を命じられたチューリングは、ブレッチリー・パークで暗号解析チームに加わる。しかし天才ゆえに周囲と衝突を繰り返し、孤立していく。
それでも彼は独自の発想で解読機を開発し、不可能とされたエニグマ解読へ挑戦する。やがて彼らは戦争の行方を左右する重大な決断を迫られることになる。
時代に殺された天才
「爆発のない戦争映画」ということで視聴。
結果、最近観た映画の中では一番まともだった。というかむしろ作品としては凄くいい映画だと思う。
アラン・チューリングは現在では「コンピューター科学の父」とも呼ばれる存在だ。彼が考案した理論や機械の概念は、後のコンピューター開発や人工知能研究に大きな影響を与えたと言われている。
しかし当時の社会では同性愛が犯罪とされており、戦争に貢献した英雄でありながら、戦後には自身の性的指向を理由に起訴されるという悲劇的な人生を歩んだ。
逮捕されたあと、ホルモン治療の後に自殺してしまう。
このホルモン治療してる時のアランは明らかに顔色悪いし手は震えてるし、この治療こそが彼を死に追いやった原因だと思わざるを得ない。
「化学的な去勢」という非人道的な行為の方が戦争よりもなんだかよっぽど後味が悪い。
今でこそ同性愛なんかを肯定する世の中になっていることを考えば、言わば彼は時代に殺された犠牲者と取るべきか。
国の為にあんなに頑張ったのに死んだあとに恩赦もらってもねぇ…。
本作は暗号解読という知的サスペンスでありながら、一人の天才が社会から理解されず孤独と闘う人間ドラマでもある。
生まれた時代がこの時代だったら・・・
しかしアランの人生は果たして幸せだったんだろうか?
学生の頃から「異質」が故にイジメにあい、戦後も差別されて死んでいった人物である。
唯一の親友(?)であるエニグマを奪われない為にホルモン治療するアランは「1人にしないでくれ」と涙を流す。
なんだかずっと孤独に見えて仕方がなかった。
「普通じゃない天才」と言えば『ビューティフル・マインド』を思い出す。
内容は違うけど主人公の毛色は似てる気がする。
主演のベネディクト・カンバーバッチ(すげぇ名前)もちょっとひ弱で神経質でいかにも普通じゃない感じの演技がやたらリアルだった。
世界最強の暗号であるエニグマを解けてもなお、死ぬ人がいたこと。
戦争に勝つ為に生かす人と死ぬ人を選別していたこと。
そして同性愛というだけで人権は無視され薬物投与されたことなど、「人はなぜ暴力をふるうのか?」というアランの問いからも戦争映画というよりかはむしろ人間の傲慢さ、残酷さが浮き彫りになるような内容。
いま考えると非人道的な行いの恐ろしさが際立ちます。
学校の教科書には書いていない事実に触れることができたという意味ではいい映画を観たと言えるけど、生まれたのがこの時代だったら…と考えるととても恐ろしい気持ちにもさせられた。
実話をベースにした映画3選






コメント