【映画】キャプテン・フィリップス(2013)|「悪」では片付けられない海賊たちを描く実話ドラマ【ネタバレ考察】

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映画「キャプテン・フィリップス」の双眼鏡を構える船長を描いた水彩画風イラスト アメリカ映画


2013年に公開された映画『キャプテン・フィリップス』。

本作は2009年に実際に起きたマースク・アラバマ号乗っ取り事件を基に制作された実話映画である。監督は「ボーン・アルティメイタム」などで知られるポール・グリーングラス。

心臓に悪い人はあまり観ないことを勧めます。それくらいリアリティに溢れる作品でした。

本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。

基本情報




・作品名:キャプテン・フィリップス
・公開年:2013年
・監督:ポール・グリーングラス
・脚本:ビリー・レイ
・音楽:ヘンリー・ジャックマン
・ジャンル:サスペンス/ドラマ/実話映画
・上映時間:134分
・製作国:アメリカ
・主なキャスト:トム・ハンクス、バーカッド・アブディ、ファイサル・アメッド、キャサリン・キーナー

あらすじ




映画「キャプテン・フィリップス」の双眼鏡を構える船長を描いた水彩画風イラスト

「仕事がない⇨犯罪」というわかりやすい動機




襲ってくる海賊はソマリア人。

この映画ではフィリップス側の視点だけではなく海賊たちの視点でも描かれていて彼らが襲ってくる動機もちゃんと描かれている。

例えば、

「大きな船が魚を持って行ったから俺らは取る魚がなくなった。」

というセリフから皮肉にもアメリカが海賊の仕事を奪ってしまっていたことがわかる。

完全に彼らは「悪」というわけではなく、彼らは「生きるために海賊行為をせざるを得ない」という現実は観ていて複雑だった。

そりゃ誰だって生活に満足してたらわざわざリスキーなことなんてしたくないよな。

「正義だとか悪だとかの価値観」って周りの環境で変わってくるもので、悪事に手を染めざるを得ない海賊たちにとって生きるためにやっていることにすぎない。だから彼らに「これは悪いことだよ」と一生懸命説いても特に意味はなかったりするわけだ。

「すしざんまい」の社長がソマリアの海賊を更生させたって話もあるけどもうちょいはやく社長来てればね。

仕事がないなら仕事を与えてやって生活できるように道筋を作ってあげる。

テーマははやり貧富がきっかけの犯罪という超王道路線だ。

極限状態の中、なぜか海賊を刺激しまくるフィリップス




フィリップスの船はのっ取られ、数人の武器を持つ海賊VS武器を持たない乗組員たちの戦いに終始するのかなと思いきや、

そこからフィリップス1人が乗組員の身代わりとなって人質にされるという展開となる。

小さい船の中で海賊達は常に内輪揉めの緊張状態。

そこに人質のフィリップスがやたらとベラベラと説教をはじめたり彼らを刺激しまくるのはもはや空気読めなさすぎじゃねぇか?

仮にも銃を持ったピリピリしてる海賊だぞ?

挙げ句の果てには海に飛び込んだり、家族にあてた手紙を書いたりいらんことすんな。

じっとしてれば海軍助けてくれるのに。

で、その度に見つかってフィリップスはボコられる始末。

だから言わんこっちゃない。

ソマリア人も肌が黒く、目が真っ白で怒った顔が怖いのなんの。

あんまりフィリップス刺激すんなよ、観てるこっちが心臓に悪いから。

船の中で揉めまくる海賊たちだけど時にはフィリップスに水をやったり、「金を手にしたらアメリカにいくんだ」だとか夢物語語ったりちょいちょい人間らしさが垣間見える。

むしろ私には段取りよく対処しているアメリカ(海軍)の方がなんだか怖く見えてしまった。

無機質というか機能的というか…

ここでは人間的に生きている海賊とのコントラスト的な描かれ方してましたね。

「救った」というより「救われた」フィリップス




最終的に海軍は海賊たちを拳銃で撃ってフィリップスを救出。

確か公開当時の映画のキャッチフレーズだと「フィリップスが乗組員を救った感動の実話」みたいな感じで「感動ヒストリー?」と思わせる演出だけどなんか違和感がある。

嘘やん。むしろ救われたやん。

救出されてからのフィリップスの演技は今までの極限状態からの解放と共に放心状態から泣き出してしまう。

この様が非常にリアルで「トムハンクスって演技うまいなぁ」と改めて感心した。

この映画を映画館で観てたらさらにドキドキして楽しめたんだろうな。

注意したいのが吹き替えで観るとリアルさがグッと落ちるので、できれば字幕でご鑑賞を勧めます。やっぱり海賊が馴染みのある日本語話してたらちょい興ざめじゃね?

また海賊リーダー・ムセ役のバーカッド・アブディは、本作が映画初出演ながらアカデミー助演男優賞にノミネート。単純な悪役としてではなく、「貧困と暴力の連鎖」に取り込まれた若者として海賊を描いた点も、本作の大きな特徴だった。

撮影では実際の貨物船や救命ボートを再現し、ネイビーシールズ経験者の協力も導入しており、ドキュメンタリーのような臨場感を持つ映像によって、海上での閉塞感と恐怖をリアルに映し出している。

実話なので「面白い」という表現はいかがなものかなとは思ったが、その表現で言えば映画としては「めちゃくちゃ面白かった。」

最後のエンドロールにいくテロップで「フィリップス船長は再び船の仕事に戻った」って書いてあったのを観て「すげぇな」と素直に思ってしまった。

あんだけの体験したらもう一生船にのりたくねぇと思ってしまうけど。

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