2016年に公開された映画『湯を沸かすほどの熱い愛』。
色んな賞を受賞して評価されている本作を観ましたが、結果的に私なりに違和感が残る作品でした。
本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。
基本情報
・作品名:湯を沸かすほどの熱い愛
・公開年:2016年
・監督:中野量太
・脚本:中野量太
・音楽:渡邊崇
・ジャンル:ヒューマンドラマ
・上映時間:125分
・製作国:日本
・主なキャスト:宮沢りえ、杉咲花、オダギリジョー
あらすじ

銭湯を営んでいた母・双葉は、失踪した夫に代わって娘を育てていたが、余命宣告を受ける。残された時間で双葉が始めるのは、娘の自立、崩れた家族の再生、そして夫を連れ戻し銭湯を再び動かすこと。ロードムービー的な移動の中で、血縁を超えた家族のかたち、生きることと死をめぐる問いが浮かび上がる。
双葉の行動がヤバすぎる。
監督は『浅田家!』の中野量太。
宮沢りえとオダギリジョー主演。この二人は7年後に『月』でも共演することになる。
基本的な大枠は理解できるし、いい話ではあるんだけど、いかんせんキャラクターの行動に違和感を感じてしまいました。
特に宮沢りえ演じる主人公の双葉。
旦那は外に子供を作って出ていき、癌で余命宣告を受け、娘は学校でイジメにあう。
なかなかハードな状況だけど、重くならず気丈に振る舞う双葉。
すべては双葉が癌に侵されていて、すでに生きられる時間が短いということ。
その結果、彼女は今までに取らない過激な行動を取るようになる。
キャラクターの行動がやり過ぎ。
子供がイジメで学校に行きたくないと言った時、双葉のように無理やりにでも学校に行かせるのが正解なのかどうなのか。
もちろん「ここで逃げたら一生逃げ続けることになる」という彼女の思想は理解できるが、それでもただでさえ学校で傷ついてる心理状態で「立ち向かわないと!」と言って布団をはぎ取る行動はまるで昭和の精神論。
誰しもが安澄のように立ち向かえるとは限らない。これは結果オーライな事案であり、双葉の行動は正解なのかよくわからない。
制服を盗まれ、抗議するために授業中にジャージを脱いで肌着姿になる安澄の行動にも違和感がある。
さらに安澄の本当の生みの親である酒巻さんをいきなり殴る双葉の行動もどうなんでしょう。自己紹介してるわけじゃないし、酒巻さんからしたら接客してていきなり客からビンタされるって警察に通報案件ですよ。
そのあと、「自分は生みの親ではない」と安澄にカミングアウトをし、すぐに実の母親に挨拶しなさいと言って拒否して抵抗する安澄を無理矢理車から降ろすってもはや虐待では?
親の勝手な都合でふりまわされる安澄が可哀想すぎる。
子供の気持ちは一体どうなるんだ…
挙句の果てには母親からは面会を拒否され、母親の幸せそうな顔を見て腹が立った双葉は人形を窓に投げつけて窓を破るって、やっぱり双葉の行動はちょっと異常と言わざるを得ない。
ラストに唖然
とは言え、確実に双葉は近いうちに死んでしまうことがわかってるので安澄を本当の親に引き合わせたんだろう。まぁ、双葉なりの愛情だったのかも。
色々言ったけども後に残される者たちを心配しての行動だと言うことは理解できるし、間違ってるかどうようりも双葉の愛情はしっかりと観てる者にも伝わってきました。
そして双葉は亡くなった葬式のシーンだけども、まさかの銭湯で火葬ってどんだけぇ!?
その火で炊いた温泉に入る家族のシーンで映画は幕を下ろすわけだけど、これもやり過ぎだし違和感しか残らない。
異国の文化にはあるかもしれないが、ここは日本で法律的にもアウトでは?
いま思えば勝手に嫁と娘を残して昔の不倫相手の子供のところに行ってしまうオダギリジョー演じる一浩の行動も理解できないし、トータルやっぱり登場人物が苦手。
泣けるけどひっかかる映画。自分はそんな印象でした。
唯一よかったのが鮎子を演じる伊東蒼。この子は若いのにまさかの子役の演技で泣かされると思わなかったなぁ。
評価・受賞歴
非常に評価の高い作品で、「泣ける邦画」の代表格として語られやすい一本。一方で、後半の展開や象徴的なラストは「やりすぎ」と感じる声もあり、そこが「つまらない」という検索意図にもつながっている。ただ、この賛否こそ作品の強さでもある。
受賞面では、日本アカデミー賞で複数受賞、報知映画賞、ヨコハマ映画祭などでも高く評価。特に宮沢りえと杉咲花の演技評価は非常に強い。






