2017年に公開された映画『こどもつかい』。
『呪怨』シリーズで知られる清水崇が、子どもの失踪と大人の不審死を結び付けた都市伝説を軸に、児童虐待、親子関係、憎しみの連鎖を描いている。
本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。
基本情報
作品名:こどもつかい
原題:こどもつかい
公開年:2017年
製作国:日本
上映時間:111分
監督:清水崇
脚本:清水崇、ブラジリィー・アン・山田
出演:滝沢秀明、有岡大貴、門脇麦、尾上寛之、河井青葉、田辺桃子、玄理、山中崇
ジャンル:ホラー
あらすじ

東京郊外で、子どもが突然姿を消し、数日後に何事もなかったように戻ってくるという不可解な事件が相次いでいた。そして、その子どもと関わった大人たちは、戻ってきた三日後に次々と謎の死を遂げていく。
新聞記者の江崎駿也は、連続不審死の取材を進める中で、「トミーの呪い」と呼ばれる都市伝説の存在を知る。一方、恋人で保育士の原田尚美は、母親から虐待を受けている可能性がある少年・蓮を自宅へ連れ帰り、一晩だけ母親代わりになろうとする。しかし蓮が姿を消し、再び戻ってきたことで、尚美も呪いの対象となってしまう。
駿也は、子どもたちが歌う不気味な歌や過去の新聞記事を手掛かりに、三重県で起きたサーカス団全焼事件へたどり着く。そこには腹話術師トミー、虐待された子どもたち、黒いマントの男、そして「こどもつかい」と呼ばれる謎の存在にまつわる忌まわしい過去が隠されていた。
既視感しかない量産型ホラー
『呪怨』を撮った清水崇監督ですが、本当にホラー映画を連発している。
ぶっちゃけて言うと、『呪怨』が当たっただけでそれ以外の作品は全部焼き増しという印象です。
本作もその印象をまったく覆してくれないどころか、清水監督のワーストなんじゃないだろうか。
まず設定からして既視感しかない。
子どもが突然姿を消え、戻ってきた三日後に親が死ぬという「三日ルール」。限られた時間の中で呪いの謎を解き明かそうとする展開も、散々見てきたパターンだ。
トミーというキャラクターも結局何がしたいのかよく分からない。
サーカス団で悲しい過去があったことは分かる。でもその怒りは誰に向いているのか?
自分を苦しめた人間へ復讐したいのか、虐待する親を憎んでいるのか、それとも無差別なのか。
子どもや関係ない大人まで次々に呪いの対象になっていくので、行動原理がまったく整理されていない。
もう呪いというより無差別殺人。
終盤になって虐待の連鎖というテーマが語られいるが、浅い。浅すぎる。
児童虐待を背景に使いながらも、ホラーの定番展開に終始したことでそのテーマの掘り下げが不足しすぎている印象だ。
滝沢秀明が主演ではホラーにならない
そして、この映画最大の問題が滝沢秀明。
滝沢秀明が主演という時点で全然怖くない。
元アイドルというイメージが強すぎるのか、画面に出てきた瞬間にホラーの緊張感が消えてしまう。
しかも演じる「こどもつかい」も、どこかジョニー・デップ版『チャーリーとチョコレート工場』のウィリー・ウォンカを思わせるようなキャラクターで、オリジナリティをまったく感じない。
奇抜な格好をして、不気味そうな動きをしているだけ。
怖いではなく、ただのコスプレを見せられているような感覚。
主人公を「おばさん」と呼ぶシーンもありますが、「いや、お前も十分おじさんだろ」としか思えない。
昔の教育テレビを見ているような雰囲気で、映像も演出も学芸会レベル。
突然大きな音で驚かせるだけの演出も古臭く怖がらせようという気迫も感じない。
なんでしょう、滝沢秀明が強すぎるんです。
これはキムタクも同じことで(元)ジャニーズって役者として損ですよね。ジャニーズがホラーって無理があるんです。
『“それ”がいる森』っていうクソ映画にも相場が主演してましたけど、怖さが出ない。
母親テーマも薄く、2時間がひたすら苦痛
この映画はホラーだけでなく、母親と子どもの関係も描こうとしている。
尚美先生が蓮くんの母親代わりになろうとしたり、自身も虐待を受けていた過去が描かれたりする。
蓮くんの本当の母親は亡くなっていて、他人が簡単に母親になれないなんて当たり前の話だ。
この映画は延々と深刻そうに描いているだけ。
「母親とは何か」「親子とは何か」と、ごちゃごちゃ話を広げていくんだけど、正直どうでもいい。
ホラーとしても怖くないしヒューマンドラマとしても浅い。
教育テレビのような映像を約2時間見せられ、その間ずっとストーリーも盛り上がらない。
ただの拷問。
終盤では虐待の連鎖や、トミー自身も虐待の被害者だったことが明かされるが、そのテーマを伝えるための脚本も演出もあまりにも稚拙で、最後まで映画として面白いと思える瞬間すらない。
今年どころか、ここ10年でもワースト級の映画
この映画っていったい誰が得するんだう?
誰に向けて作った作品なのか本当に分からない。
滝沢秀明のファンすらも苦笑いなんじゃないだろうか。
正直見た人全員に時間を返してほしい。
何をごちゃごちゃ2時間もやっているんだ。
ストーリーは既視感だらけホラーとしても全く怖くないし、ヒューマンドラマとしても浅い。
テーマだけは重そうに見せているが、それを映画として成立させるだけの脚本力も演出力もない。
今年見た映画の中でワースト。いや、今年どころじゃない。
同じホラー映画で『“それ”がいる森』っていうクソ映画があったが、それに匹敵する、いや、むしろアレよりつまらない映画かもしれない。
『呪怨』という傑作を生み出した清水崇監督の名前だから観たんだけど、自分の貴重な時間を使ってまで見る価値はまったく感じられない作品だった。








