1996年に公開された映画『ザ・ロック』。
『ザ・ロック』は『アルマゲドン』『トランスフォーマー』などで知られるマイケル・ベイ監督の出世作の一つであり、90年代ハリウッドを代表するアクション映画として現在も高い人気を誇る作品。
ショーン・コネリー演じる謎多き元スパイと、ニコラス・ケイジ演じるオタク気質の科学者という異色コンビが魅力。派手な爆破やカーチェイスだけでなく、敵であるハメル准将にも正義があるという構図が作品に厚みを与えている。
公開当時は世界的なヒットを記録し、アルカトラズ島を舞台にした閉鎖空間サスペンスとしても高い評価を獲得。現在でも「マイケル・ベイ最高傑作」として名前が挙がることの多いアクション映画。
本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。
基本情報
・作品名:ザ・ロック
・原題:The Rock
・公開年:1996年
・監督:マイケル・ベイ
・脚本:デヴィッド・ウェイスバーグ、ダグラス・S・クック、マーク・ロスナー
・音楽:ニック・グレニー=スミス、ハンス・ジマー
・ジャンル:アクション/サスペンス/スリラー
・上映時間:135分
・製作国:アメリカ
・主なキャスト:ショーン・コネリー、ニコラス・ケイジ、エド・ハリス、マイケル・ビーン、ウィリアム・フォーサイス
あらすじ

脱獄不可能の刑務所があったアルカトラズ島に、神経性毒ガスを奪ったテロリスト軍団が観光客を人質にしてたてこもった。タイム・リミットは40時間。FBIは化学兵器のスペシャリスト(ニコラス・ケイジ)と、33年前アルカトラズ島を脱獄したという男(ショーン・コネリー)を「ザ・ロック」と呼ばれる鉄壁の要塞へと送り込む。
マイケルベイの映画はアトラクション
私が思うにマイケルベイの根本は、単に驚かせるのが好きな人なんだろうなと彼のどの作品を観てても思う。悪く言えば単純。
いや、褒めてます。
映画の構成上常に飽きさせない演出はさすがで、この『ザ・ロック』でもそれは存分に発揮されている。
冒頭のエド・ハリスが国を裏切りテロリストとして神経性毒ガスを手に入れるまでの掴みもテンポよく、その際に部下1名がこの神経性毒ガスの巻き添えになることでこの毒ガスの効果と恐怖を観客に見せしめる演出も上手い。
それからシーンはニコラスケイジにかわり、今度は別のテロリストから送られた毒ガスを解除するドキドキシーンを挟み、あれよあれといううちにエド・ハリスがアルカトラズ島への観光客を人質に取り政府へ1億ドルの要求を突きつける。
政府の話し合いの末、唯一の解決策として名前があがったのが33年前にこの島から脱獄を果たした元工作員のショーンコネリー。
さらにここからニコラスケイジとショーンコネリーとの激しめのカーチェイスが始まり、かと思えばショーンコネリーの娘とのほろっとさせるシーンがあり常に2転、3転、4転、5転とシーンが展開しまくる。
これぞまさにジェットコースタームービーと言った感じでベタな言い方をすると「まるでアトラクションに乗ってるようだ。」って感じか。
逆を言えば考えさせる隙を与えない作品であり、完全なエンタメとして振り切っている。
この作品をはじめて観た中学時代の私はこの怒涛の展開に物凄い衝撃を受け、いま改めて観返してもあの時と同じ熱いものを感じる。
唯一後悔してることは何故この作品を劇場で観なかったのか?ということだ。
悪人じゃない悪役
まずテロリストの主犯格であるエド・ハリスは完全なる悪人ではないということがこの映画の魅力の一つだろう。
彼はベトナム戦争時代の英雄ではあるが国の為に死んでいった部下達に対しての政府の対応に腹を立てついに謀反を起こすキャラクターである。
彼なりにこのテロには理由があるわけで、アルカトラズ島を占領する際、子供達を逃がそうとしたり、政府に要求した一億ドルは遺族に配ると宣言するシーンからも彼が完全なる悪人ではないことがわかる。
さらに「罪もない8万人の人を殺すと思ったか」といって発射されたミサイルの軌道を変えたり、若干の矛盾(言ってることとやってること違ぇじゃねぇか)を孕ませながらも物語が進むたびにいい人株が急上昇していく。
このエドハリスの役、ずるいよ。こんなんだったら俺がやりたいよ!という役者は多いだろう。
むしろ逆に多くの市民を守るため、あっさりと80名の人質を見殺しにしようとする政府の方が描き方に違和感があったりする。
単に政府=善、テロリスト=悪という簡単な構図ではなく、観ている者にちょっとした混乱と複雑さを感じさせ一層物語に深みを与える事に成功しているのではないしょうか。
化学オタクと元工作員のおじいちゃんコンビ
ブサイクか?男前か?
かなり人によって意見がわかれる俳優ニコラスケイジ。
『コン・エアー』でもハゲてるのにも関わずロン毛を振り乱して爆発のなか必死に走ってました。
これがトム・クルーズとかわかりやすいザ・イケメンが演じてたらまた映画の印象も変わっていただろう。
FBIの化学兵器のスペシャリストで実戦経験がないちょっと頼りない役。
だけどニコラスケイジとショーンコネリーとのコンビがかなりハマっており最後までそのコミカルな掛け合いは観る者を飽きさせない。
今更だけどショーンコネリーは初代ジェームズボンドを演じておりそのスピンオフ的な匂いを本作でも感じさせる辺りその遊び心におもわずニヤリとする。
彼らの掛け合いのおかげで全体的にシリアスになり過ぎずバランスよく仕上がっている。
と、結構賞賛めいたレビューとなってしまったがそこはマイケルベイ監督なのでもちろんプロットは穴だらけ。
実戦経験もないニコラスケイジが何であんなカーチェイスができるのか?とか
ショーンコネリーは30年も牢獄されといて何でいきなりあんなに動けるのか?とか
心臓に突き刺した後なぜすぐにニコラスケイジは動けるのか?とか
細かい事言い出したらきりがないんだけどそこはエンタメと思って目を綴ろう。
頭を空っぽにして観る映画としては最高の作品であることは間違いないので暇な方は是非。
ちなみにサウンドトラックも最高でハンス・ジマー節が炸裂しているのでそちらもチェックしみてはいかがでしょうか。
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