「悪いことだとわかっていても、なぜか観る手が止まらない映画」というジャンルがある。
2019年公開の映画「ハスラーズ」もまさにクライムもの。
犯罪、友情、金、女たちの執念…まるでウォール街版「オーシャンズ8」を泥臭くしたような世界観で、観終わったあとに妙な罪悪感が残る。
本稿ではネタバレ全開で感想を述べていきます。
基本情報
- 作品名: ハスラーズ(原題:Hustlers)
- 公開: 2019年(米:9月13日、日本:2020年2月7日)
- 監督・脚本: ローリーン・スカファリア
- ジャンル: クライムドラマ/実話ベース
- 上映時間: 110分
- 製作国: アメリカ
- 原作(記事): Jessica Pressler「The Hustlers at Scores」(NEW YORK Magazine, 2015)
※実在するストリッパー達が“ウォール街の男たちから金を巻き上げた事件”のルポが元
■ 主なキャスト
- コンスタンス・ウー … デスティニー(主人公)
- ジェニファー・ロペス … ラモーナ(カリスマストリッパー)
- ジュリア・スタイルズ … ジャーナリスト(取材者)
- キキ・パーマー … メルセデス
- リリ・ラインハート … アナベル
- カーディ・B(ラッパー)
- リゾ(ミュージシャン)
あらすじ

2007年、NYのストリップクラブで働くデスティニー(コンスタンス・ウー)は、母に捨てられ祖母に育てられた過去をもち、生活費のために働いていた。
そこへ現れたのが、絶対的カリスマを持つストリッパー ラモーナ(ジェニファー・ロペス)。
ラモーナはダンスの技術から金の作り方まですべてを教え、デスティニーは一気に売れっ子となる。しかし、リーマンショック(2008年)が発生。
クラブに通っていたウォール街の男たちは姿を消し、収入は激減。生活が苦しくなったラモーナは、ある計画を持ちかける・・・
男にとってはストレスがかかる映画
観ていて終始イライラ。
引っかかる男もバカなんだけど、男をただの金づるとしか思ってない主人公たちのはしゃぎっぷりにイラついて仕方がなかった。
それでも評判いいので最後まで観たんだけど…そんなにか?と言うのが正直なところ。
金融危機によって生活が困窮したストリッパーのコンスタンス・ウーはジェニファー・ロペスと組んで客にMDSAを飲ませ意識朦朧とさせてクレジットを盗み金を引き出すというかなりの荒技をやって荒稼ぎ。
大胆すぎだろ!と思ったら実話の様です。
ほんとバカだ。
だいたいこの類の話は最後に主人公たちは捕まるんだけど見せ方に新しいものは特に感じなかった。
「ウルフ・オブ・ウォール・ストリート」など社会派映画を撮らせたら右に出る者がいないマーティン・スコセッシならこれをどう撮るかな?
本作はまさにウルフオブの劣化版。同じ実話だし。
全く共感できない登場人物たち
そもそもこの映画、ストリッパー映画ではない。
実話を基にした歪んだ女同士の友情物語のエッセンスが大きく、単に裸が観たかった人は肩透かしを食らうだろう。
はい、私もその一人です。
脱ぎが甘ぇじゃねぇか!と心の中で思った次第であります。
主人公のコンスタンス・ウーは個人的には全然綺麗とは思えないし特に魅力があるようにも思えない。
映画ではジェニファー・ロペスが主犯格みたいに描かれていたけど実話の方ではコンスタンス・ウーの方が先陣切ってやってた様だ。
女同士ではしゃぎあってるシーンは男の私が共感できるわけもなくただただ興ざめ。
そもそもいくらウォール街の男たちに不公平感じたとしても犯罪はいかんでしょ。
こいつらに騙されて住宅ローンも払えなくなった男が哀れで哀れではやく捕まって欲しかった。
そもそも世の中なんて不公平、理不尽の塊なんだよ。
どうしようもない境遇に陥った事がない私だけどそれでも人を陥れて生きていく事に慣れたら人は終わりだと思ってる。
仕方がない状況でもやっぱり犯罪は犯罪で誰かが不幸になる時点でそこに同情の余地はない。
だから彼女たちには共感も何もなくただ不快という感情しか湧かなかった。
見どころがほぼない映画
この映画の見所は最初のジェニファー・ロペスのポールダンスシーンくらい。
調べたら50歳ですか。
確かに凄く頑張ってたし演者の中で一番セクシーだったけど随所随所でやっぱり50歳がちらほら出てたような…
あとはストリッパーならではのシーンはなくただダラダラと男から金を引き出すキャバクラの延長みたいなシーンのみ。
仲たがいがあったりゴタゴタがあったり起きること全てが想定内。
まぁ別に意外性を求めるような映画じゃないんだろうけど、「他に何かあるのかな」と思いきや本当に特に何もなかった。
現役ストリッパーとか夜の仕事してる女の人が観るとまた違う感想になるのかな。
受賞・ノミネートまとめ
ジェニファー・ロペスの助演が世界的に高く評価され、ロサンゼルス映画批評家協会賞/ニューヨーク映画批評家協会賞の助演女優賞を受賞。
さらに ゴールデングローブ賞・全米映画俳優組合賞(SAG)・放送映画批評家協会賞(Critics’ Choice)など主要アワードで助演女優賞にノミネートされ、2019年の賞レースを席巻した。
作品としても Time誌「年間映画トップ10」やナショナル・ボード・オブ・レビュー TOP10 に選出され批評家から高評価を受けている。







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