【映画】ちひろさん(2023)|気持ち悪いと言われる理由とは?孤独と優しさを描いた問題作【ネタバレ考察】

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ちひろさん(2023)の弁当屋シーンを水彩画タッチで描いた映画風イラスト Netflixオリジナル

2023年に公開された映画『ちひろさん』。

「ちひろさん」は安田弘之による漫画「ちひろさん」を原作にしたNetflixのオリジナル映画。原作は「Eleganceイブ」で連載され、累計100万部を突破した人気シリーズである。

監督は『愛がなんだ』『街の上で』などで知られる今泉力哉。会話の間や空気感を重視する作風で知られ、本作でも説明しすぎない演出が強く出ている。

本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。

基本情報




・作品名:ちひろさん
・公開年:2023年
・監督:今泉力哉
・脚本:澤井香織、今泉力哉
・音楽:岸田繁
・ジャンル:ヒューマンドラマ
・上映時間:132分
・製作国:日本
・主なキャスト:有村架純、豊嶋花、嶋田鉄太、リリー・フランキー

あらすじ




ちひろさん(2023)の弁当屋シーンを水彩画タッチで描いた映画風イラスト

元風俗嬢のちひろは、海辺の町にある「のこのこ弁当」で働いている。
飾らず、誰に対しても自然体で接する彼女は、どこか孤独を抱えた人々を少しずつ惹きつけていく。

家庭環境に苦しむ女子高生オカジ、居場所を失った少年、ホームレスの老人。
ちひろは彼らに無理に踏み込まず、ただ隣にいることで救いを与えていく。

しかし彼女自身もまた、過去や孤独を抱えた存在だった。
人との距離感、生と死、孤独との向き合い方を静かに描いたヒューマンドラマ。

空気感を楽しむ映画




主役の有村架純は、元風俗嬢という役柄で従来の癒し系ヒロイン。元風俗嬢だけど「ただ普通に生きている女性」として演じたことが本作の空気感につながっていると思いました。

とは言え、とにかく緩い。全体的に。

フワフワした彼女の空気感がそのまま映画の空気感と重なるのでこの雰囲気が苦手な人は苦手だろう。

自分は面白いとは思わなかったけど、ただダラダラと観れてしまいました。

ちひろさんは他者に優しく接する一方で、相手の懐に過剰に踏み込まず、執着することもない。

劇中でも「人の心を独り占めすることなんてできない」と悟っており、達観してるというか、どこか冷めた目でいる彼女は物語の最後まで変わらない印象だ。

「セックスに愛はあまり関係ない」

このセリフからも一般的な固定観念や考えに依存していないようだ。

ちひろさんは誰に対しても優しい。上部というか側の部分で。そしていまいち本心が見えないというか、あまり感情を出そうとしないので個人的には苦手なタイプではある。

物語のテーマ性は、ない?




結構珍しい映画だと思います。一般的には主人公に何かが起きて、心境の変化があって、行動が変わるというのがセオリーだけど、ちひろさんはずっと最後までちひろさん。

だから何が言いたかったんだろうか?と物語のテーマ性を考えてみてもこの映画から学ぶ教訓みたいなものって「孤独でもいいじゃん」、「他者と無理に関わらなくてもよくね」くらい。

だからちひろさんのふわふわとした空気感を楽しむ映画なのかなと思いました。

適度に距離を取るって疲れないもんね。だから観てる者も疲れない。だけどあまり響いてこないのも事実。

ちひろさんが公園でホームレスに手作りのお弁当を分け与えたことをきっかけにホームレスと交流が始まります。

ちひろさんは見た目や社会的地位を気にすることなく、自宅の風呂に入れてあげるなど自然体で接するわけだけど、これは無償の愛、つまりキリスト教のメタファー?

個人的にはそこまでするかな?というちょっと違和感が残るシーンでした。そして元風俗嬢が風呂に入れてあげるってシチュエーションは、なんかエロいぞ。

それは元風俗嬢という偏見がつきまとうであろう職業が彼女をそうさせるのか。

ホームレスが亡くなっても役所や警察に電話するのではなく、穴を掘って埋める衝撃行動もなんなんでしょうかね。

まぁ彼女にとっての「生きとし生けるものへの分け隔てない愛情」と「死に対する独自の死生観」を象徴しているんでしょう。

人によっては気持ち悪いと思うかもしれません。僕がそうでしたから。

結局なんだったんだ




母親の死を伝えられても「葬式に行かない」だの、色々ちひろさんって過去に色々あったのだと想像させられるシーンが度々あるんだけど、特に匂わすだけ匂わしておいて何があったのかは明かされません。

だからなんとなく、「なんかあったんだろう」くらいしか想像できない。

最後はみんなで談笑している時もそっとその場を離れて街を出ていってしまう。

一生この人は他人と距離を詰めないで生きていくのかな。

そして最後は牧場の仕事をしてる。

正直言って物語が前に進んでいないんです。

強いて言えばちひろさんの周りのキャラクターたちはちょっとだけ前に進んでたりするから、彼女の存在がそうさせてるのかな。

正直言って幸せになることを自ら拒否してるかのような行動を取るのが理解できない。もはやメンヘラ風女子。

ちひろさんの周りにいる人たちはちひろさんとな正反対に感情を表すし、自分の考えを述べるのでちひろさんの透明な人物像を深掘りされる。

だけど結局この人は掴みどころがなく。最後までこの感じなので、結局なんだったんだと考えさせられる。

他人に対して深く突っ込んで関係を深めようとしないので、観てる自分もあまりちひろんに興味が湧きません。

観客と主人公どっちにも距離を取る不思議な映画でした。

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