【映画】フィリピンパブ嬢の社会学(2023)|外国人女性労働者の現実を描いた変わった社会派恋愛映画【ネタバレ考察】

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フィリピンパブ嬢の社会学(2023)の街歩きシーンを水彩画タッチで描いた映画風イラスト ラブストーリー

2023年に公開された映画『フィリピンパブ嬢の社会学』。

本作は、ライター・中島弘象による実体験ベースの新書「フィリピンパブ嬢の社会学」を原作に映画化した作品である。

本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。

基本情報




・作品名:フィリピンパブ嬢の社会学
・公開年:2023年(日本公開2024年2月17日)
・監督:白羽弥仁
・脚本:大河内聡
・原作:中島弘象「フィリピンパブ嬢の社会学」
・音楽:―
・ジャンル:恋愛/社会派ドラマ
・上映時間:114分
・製作国:日本
・主なキャスト:前田航基、一宮レイゼル、近藤芳正、勝野洋、田中美里

あらすじ




フィリピンパブ嬢の社会学(2023)の街歩きシーンを水彩画タッチで描いた映画風イラスト

フィリピンパブを研究対象にしている大学院生・中島翔太は、店で働くフィリピン人女性ミカと出会う。
当初は「研究対象」として接していた翔太だったが、次第に彼女の人柄や、日本で過酷な労働環境に置かれている現実を知っていく。

ミカは低賃金で働きながら、フィリピンに残した家族を支え、日本社会の中で必死に生きていた。
そんな彼女に惹かれていく翔太だったが、偽装結婚問題や在留資格、外国人労働者を取り巻く厳しい現実に巻き込まれていく。

外国人女性労働者のリアル




タイトルだけ見ると色物っぽく聞こえるが、中身はかなり真面目で、日本における外国人女性労働者の現実を真正面から描いている。

特に印象的なのは、論文を書くための研究者という立場だった主人公・翔太が、実際に当事者と関わることで、単なる研究では割り切れない感情に飲み込まれていく点。

これはライター中島弘象氏の実体験なので、彼の奥さんもミカさんという方らしいです。

ということで、フィリピンパブという場所も、本作では単なる歓楽街として描かれない。

そこには、日本で働かなければ家族を養えない外国人女性たちの事情や、日本人男性との力関係、在留資格問題など、生々しい現実が存在している。

とは言えそんな堅苦しい映画ではなく、基本的には緩い映画でお色気シーンもないので家族と観ても気まずさはないだろう。

主演に芸人のまえだまえだの前田氏の醸し出す緩キャラがこの映画自体を現していると言えよう。

だってベッドシーンも全然いやらしくないんだもん。

なんとなく「いい人感」がこの主役に抜擢された理由なのかな。

ツッコミどころ




とは言え、翔太の良心の描き方はちょっと古いというかステレオタイプな感じでしたね。特に母親の外国人蔑視のような演出は今時いかがなものか。

まぁ、こういう問題はまだまだあるんでしょうけど、あからさまだなぁ。

だけどそのあと翔太の両親と関係が深まるシーンも特になく、エンディングのシーンで翔太の母親がミカに着物の着付けをしてあげる映像が流れるんだけど、なんで?

まぁ、和解したんだろうけどその辺は雑です。

それにミカの仕事仲間が妊娠して、相手の男が逃げてしまった話も、一方的に男が悪いみたいな描き方はどうかな。

まぁ、遊ばれるだけ遊ばれて日本人男性に妊娠させらるケースもあるんだろうけど、それはヤラなきゃいいわけじゃん。もっと言えば避妊しないお前にも責任あるだろ。

会長との話の途中で李がなぜかいきなりシャドーボクシングをはじめたり、色々と笑わせに来てるのかな?ってくらい緩いんです。全体的に。

そもそもミカが翔太に惚れる理由が「信頼できそう」というふわっとした理由なのもちょっとご都合主義な展開。

働かざるを得ない社会構造




ミカを演じた一宮レイゼルは本作が女優デビューらしいです。

可愛らしくてわかりやすい美人さん。日本語が完璧ではないからこそ逆にリアリティがあり、異国で働く女性が自然と滲み出てました。

実際彼女の母親はフィリピンパブで働いていたそうで、役の参考にされたみたい。

実際にいくら働いても労働搾取で自由に使えるお金がほぼ残らない件だったり、サラッと日本の社会構造の残酷さを提示していましたね。

フィリピンパブの経営の裏側にヤクザの存在があって、それに巻き込まれていく話ではあるんだけど、翔太がめちゃめちゃ危険にさらされるかと言われると別にそうでもなくて。

この映画の雰囲気なので最後まで特に大どんでん返しなんかもなく安定して観ることができます。展開を求めてる人にとってはそれが多少退屈な作品ではあるけど。

最後は一応ハッピーエンドで終わるんだけど、これからのミカのビザ問題がどうなるかは答えを明かしていません。これが個人的には全部めでたしじゃなくてよかったかな。

しかし、恋愛映画としても社会派映画としても、かなり珍しい視点を持った一本なのは間違いない。

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