2024年に公開された映画『傲慢と善良』。
監督は『サヨナラまでの30分』などで知られる萩原健太郎。
マッチングアプリ時代の婚活をテーマにした作品です。
本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。
基本情報
・作品名:傲慢と善良
・公開年:2024年
・監督:萩原健太郎
・脚本:清水友佳子
・音楽:加藤久貴
・ジャンル:恋愛、ミステリー
・上映時間:119分
・製作国:日本
・主なキャスト:藤ヶ谷太輔、奈緒、倉悠貴
あらすじ

仕事も恋愛も順調だった西澤架は、マッチングアプリで出会った坂庭真実と交際を始める。控えめで穏やかな真実との関係は順調に見えたが、結婚を前に彼女は突然姿を消してしまう。
架は真実を探す中で、彼女の過去や家族環境、そして彼女自身が抱えていた強い劣等感と孤独を知っていく。一方で、自分自身も「選ぶ側」だと思い込んでいた傲慢さに気付かされることになる。
2人が好きになれない。
シンプルに言うと結婚を約束した女が突然行方をくらませてしまう話。
「ストーカーに狙われている」と嘘をついてどうやら彼女は自らの意思で姿を消したそうだ。
なぜ?
という『ゴーン・ガール』みたいなミステリー要素を含んだラブストーリー。
気になって最後まで観てしまった時点で駄作ではないんだろうけど、テーマが非常に浅い。
本作はまさに男女の結婚観の違いと互いを表面しかみてこなかった浅はかさが映画のキーワードとなっている。
だから登場人物みんな浅いし、うわっつらを気にするような人たちばかり。
雰囲気イケメンである藤ヶ谷太輔が演じるこの西澤という男はずっとモテてきた人生で、婚期を逃し、婚活アプリで婚活を行うも、相手をどこか「選んであげる」という上から目線なスタンス。
婚活自体を企業の面接みたいなとらえ方していて、それが特に悪気なさそうだから一層質が悪い。
一方、奈緒演じる真実もなんだかあざとくてハッキリしなくて好きになれない。
正直言って、プロポーズしてほしいからと言って「ストーリーに狙われてる」とか嘘つく時点でだいぶ痛々しい。かまってちゃんの典型。
自分は劣等感の塊で、リア充に対してはっきりと「嫌い」という感情を持つって卑屈そのものです。
なんで自分で自分の人生を謳歌してるのに勝手に嫌われなくちゃならないのか不明です。こっちだって一生懸命自分の人生をよくしようと努力してるんです。
「ブスって性格悪い」ってよく言うけど、性格ブスですよこの女はまさに。
だから二人に全く感情移入できない。
真実の母親も失踪してるなら探偵雇うなりするはずなのに世間体を気にして拒否する人間なのもイライラポイント。もしも娘が殺されてたら?性格ブスの母親も性格ブスだな。
そしてさらに言えば監督よ。
「人を外形やうわべしかみない」というテーマにロレックスの時計を持ってくるのも嫌だ。
「ロレックスしてる人をなんだかうわべだけ」みたいな監督の偏見が垣間見える気がしてあまりいい気はしなかった。それこそ監督もキャラクターと同じでうわべだけじゃね?と思わざるを得ない。
まだ27歳、もう27歳
私的に唯一共感できたのが西澤の結婚観。
「共感できた」というか理解できたという方が正しいか。
男って相手女性が27歳なら、「まだ27歳」と考えるんですよ。でも女は「もう27歳」と考える。
これって出産という大きなイベントが待ってる女性の考え方ですよね。でも男はやっぱり気づかないんですよね。これにはちょっと自分にも経験があります。
西澤のことフォローするわけじゃないけど、元カノのことはめっちゃ好きだったんだと思うんですよ。
そして「結婚だっていつかは」と思っていたはず。でも「いまじゃない」と思ってしまった。この男女間の考えの差で二人は破局してしまったわけだ。
この時に西澤は「なぜ彼女は自分のもとを去ってしまったのか」ということを深く考えてこなかったんじゃないかな。この出来事を全く学習していないことになります。これが真実との関係悪化の原因の一つではないでしょうか。
男女間の考え方の違いを理解することは難しいかもしれないけど、過去の経験から学んでいなかった西澤はやっぱり未熟としか思えない。
さらに気になる点
70点という点数はおいといて、
「相手を値踏みしてしまう」という心理は理解できるし多くの人が共感できるのではないでしょうか。
実際問題男女の歴史ってその歴史じゃないかな。
だって女性だって、明らかに相手の収入が低かったり、顔が全くタイプじゃなかったりする人と最初から恋愛感情になれますか?
自分はなれないし、相手を値踏みすることは悪いことだとは思いません。恋愛って値踏みから始まるもんじゃない?実際は。だって我々には感情があるんだもん。
「この人とキスできない」と思ったらそうなんですよ。それが答え。
それが「うわっつらしか見てない」ととか言っても恋愛なんて最初はうわっつらから始まるんですよ。
本作は「それが傲慢だ」という描き方してることがなんだか「浅い」と感じてしまいました。
傲慢で何が悪い?
しかし胸糞わるいのが西澤の女友達2人だ。
なんならこいつらこそ決定的なきっかけ作った悪女たちではないか。
だって西澤も真実のこと「70点」とは一言も言ってないのだ。「結婚願望は70%」と言っただけで勝手な解釈でこいつらは「真実は70点」と決めつけただけに過ぎないのに。
ちょっとツボだったのが真実からのInstagramのメッセージで「from.真実 全部お話しします」って「真実をお話します」ってかけてるのかと。
そして映画的なこと言えば、去っていった西澤を真実が車で追うんだけど、待ってほしかったらInstagramのメッセージ「ちょっと駅で待ってて」と送れや。
日本映画にありがちな走るシーンとかもうウンザリ。走らないとダメかね?日本映画は何かルールでもあるの?
それに最後お互いに結ばれるご都合主義的な展開もなんかつまんないなぁ。
半年もあればとっくにどっちか彼氏、彼女いてもおかしくないでしょ。
自分的には「大事なことを学ばせてもらった人」として結ばれない方がリアルで余韻に浸れるのに。
やっぱりこうなるかという展開で、やっぱりこうなりましたわ。





