【映画】とんび(2022)|ネタバレ感想|あざとい演出と結末を考察

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映画「とんび」父と息子が川沿いで語り合うシーンの水彩画風イラスト 人間ドラマ

2022年に公開された映画『とんび』。

重松清による日本の小説で、NHK、TBSでもテレビドラマ化された作品です、本作はこすりまくった映画化。

私はドラマ版は未視聴です。

本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。

基本情報




作品名:とんび
公開年:2022年
監督:瀬々敬久
脚本:港岳彦
音楽:未公表
ジャンル:ヒューマンドラマ
上映時間:139分
製作国:日本
主なキャスト:阿部寛、北村匠海、杏

あらすじ




映画「とんび」父と息子が川沿いで語り合うシーンの水彩画風イラスト

昭和37年、瀬戸内海沿いの町。運送業を営むヤスは、愛する妻とささやかな幸せを築いていた。しかし息子アキラが生まれて間もなく、妻は事故でこの世を去る。突然、父子二人きりの生活が始まった。

不器用で荒っぽいヤスは、周囲の支えを受けながら必死に息子を育てていく。貧しさや世間の目にさらされながらも、ただ「父であろう」とする日々。しかしアキラが成長するにつれ、母の死に対する疑問と心の距離が広がっていく。

ベタベタ




一言でいえばこの映画、ベタベタです。

家族お涙系でいえば『Always 三丁目の夕日』ほど砂糖をまぶした感じではないにせよ、ちょっとあざといなぁと思うシーンがたくさんあってこっぱずかしくなりました。

いわゆる昭和・平成のファミリーもので息子目線で親父を描いた作品です。

今更説明するのもアレだけど、タイトルの『とんび』は「トンビが鷹を産む」からきていて、ここではとんびが親父で、鷹は息子のこと。

息子は広島で親父と二人暮らしで、やがて早稲田に合格して東京でバリバリ働いてる。

アキラは片親だけど、母親がわりになってくれる人たちが周りにはいてメンタル的にも屈折することなく育つわけで、

なんか基本的にはずっといい子です。

登場人物全員、悪人の『アウトレイジ』の逆バージョンで、本作では登場人物全員、いい人。

息子が父を語る話といえば『北の国から』が思い浮かぶけど、純よりもよっぽど賢いし特にヤンキーになることもなく、同じ女性を孕ませてしまう展開だけど、ちゃんと結婚を視野に入れているところが黒板純との違い。

だから物語的には息子の印象ってそんなになくて、むしろ親父のキャラがすべてと言っていいだろう。

あざとい演出




確かにみんなとても優しくて暖かいんだけど、あざといシーン満載です。

和尚が雪の降る夜にわざわざ海までみんなを連れて出て、親父に抱かれてるアキラに「母親がいないから背中が寒いだろ。背中を温めてくれるのが母親で、俺たちがお前の母親の存在になる」みたいなくだりがあるんですけど、

わざわざここまでくる必要ねぇだろ。

言ってることはわかるけど、寝たばかりの子供を起こして言うべきことじゃないし、単なる和尚のエゴだろ。

起きた子供をまた寝かせるのって結構大変なんですけど。

この辺は原作を読んでないから何とも言えないけど、あざとくて説教臭いシーンでした。

まぁ、和尚だからね。

姉ちゃんの娘が母親に会いにくるシーンもあざとい。

おふくろの味ということで手料理をふるまってあげるシーンもあざとい。

まぁ、いいシーンなんですけどね。

本作も正直言って、いままでやってきた家族モノのどっかで観たことあるようなシーンをつなぎ合わせたようなテンプレ作品です。

それがダメというわけではないけど、目新しさみたいなものは一切ない。ある意味安心して観れるけど私はちょっと物足りなさを感じてしまいました。

親父がヤバい




酒の飲みすぎを注意した息子が謎に親父にブチ切れられるシーンは何なんでしょう。

「謝れ!」

このシーン、めちゃめちゃ理不尽なんです。

「俺なんか悪いことした?」って正論で詰められてもパワープレイに切れる親父。

不器用で理不尽な親父のキャラを描きたかったんだろうけど、不快感が残るシーンでした。

そして息子を殴った自分を責めて『ファイト・クラブ』ばりに自分を殴り始める親父もまぁまぁキテます。

わかるけど、男親ってこんな感じでしょ?感がいちいち鼻につく演出だ。

そして息子が東京に旅立つときに顔見せない親父も「またか」と思ってしまった。昭和のテレビドラマでさんざん観たようなシーンで臭くて臭くて。

「一人前になるまで備後に帰ってくんな」

ここでむきにならずに察せれるアキラはやっぱり賢いですな。

良かったシーン




最後は気づいたら親父は亡くなっていて、時代は令和になっている。

この時、アキラが写真を観るシーンがあって映画内で「描かれなかったその後」が描かれているのが良かったです。

写真のなかでちゃんと親父は老けていて、余生を家族たちと楽しんでいるのが写真から伝わってくる。

これは映像で説明するのではなくて、ちゃんと想像する余地を与えている。

ラストシーンでは、「長生きしてほしいから一緒に住もう」と親父を誘うアキラだがその誘いを親父は断る。

親父はちゃんと息子たちが帰れる場所を作っているわけだ。

「調子のいい時は忘れていい、何か辛いことがあったら思い出せ。

逃げれる場所があると思ったらちいとや踏ん張れるだろ。

家族は遠くで離れて暮らしていても何かで繋がれていると感じることだけで十分。これもいいセリフでしたね。

海ではしゃぐアキラ家族を観て、昔を思い出して涙ぐむ阿部寛の演技も良かった。

このシーンも臭いし、ベタ中のベタだけど、ベタで何が悪い?と言わんばかりのシーンで幕を閉じる。

誰が観れも嫌われないファミリーものですさんだ時に観ると浄化されるかも?

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