【映画】トイ・ストーリー2(1999年)|怖いほど大人向け?ウッディの成長と「捨てられる恐怖」の意味を考察【考察】

スポンサーリンク
スポンサーリンク
“Toy Story 2 風オリジナル水彩画イラスト|面長の少年と赤い帽子の少女と馬の人形がレコードの上を走る16:9構図” アドベンチャー

1999年に公開された映画『トイ・ストーリー2』。

本作、当初はディズニーの慣習に従い、ビデオソフト用の短編・中編作品として制作が始まったが、あまりの出来映えの良さから劇場公開作品に昇格した映画。

本記事ではネタバレ全開で感想考察レビューしていきます。

基本情報




作品名:トイ・ストーリー2

原題:Toy Story 2

公開年:1999年(日本公開2000年3月11日)

監督:ジョン・ラセター

脚本:アンドリュー・スタントン/リタ・シャオ/ダグ・チャンバリン/クリス・ウェッブ

音楽:ランディ・ニューマン

ジャンル:アニメーション/アドベンチャー/ファミリー

上映時間:92分

製作国:アメリカ合衆国

主なキャスト(声):

トム・ハンクス/ティム・アレン/ジョーン・キューザック

(日本語吹替)唐沢寿明/所ジョージ ほか

あらすじ




“Toy Story 2 風オリジナル水彩画イラスト|面長の少年と赤い帽子の少女と馬の人形がレコードの上を走る16:9構図”

アンディの一番のお気に入りであるカウボーイ人形ウッディ。

だがある日、腕の破損をきっかけにキャンプへ連れて行ってもらえず、自分の存在価値に揺らぎを感じる。

その後、ガレージセールをきっかけにウッディはおもちゃコレクターに盗まれてしまう。

彼は自分がかつて人気テレビ番組の主人公「ウッディ・ラウンドアップ」の貴重な存在であることを知る。さらにジェシーやブルズアイら仲間たちから「博物館で永遠に保存される未来」を提示される。

それは“壊れず、捨てられず、永遠に価値を保つ”道。

一方、バズ・ライトイヤーは仲間と共にウッディ救出へ向かう。

だがウッディは究極の選択を迫られる。

永遠に価値を保つ存在として生きるか。

それとも、いつか捨てられる運命でもアンディのそばにいるか。

ウッディが選んだ答えは、「おもちゃとは何か」というシリーズの核心を深く掘り下げるものだった。

ウッディの成長




正直に言うと前作のウッディは苦手だった。

なぜならバズを排除しようとするあの嫉妬心と焦りがリアルでヒーロー感が全くなかったからだ。バズのこと明らかに抹殺しようとしてたし、途中で情が芽生えたとは言え「お前最初何やらかしたんだよ」という、本作を観た10歳だった私はウッディがどうにも好きになれなかった。厳密に言えば今もそんなに好きじゃないが。

だが、逆に清廉潔白な主人公というのも面白味にかけるのでこれはこれで新しいディズニーの表現ではあるんだけどね。

だが『トイ・ストーリー2』のウッディは違う。

今回は自分が誘拐される側。そして仲間は命がけで助けに来る。

何よりも大きいのは、ウッディ自身が「仲間を守る側」に立っていること。

ジェシーを置いていかないし、ブルズアイを見捨てない。

てめぇのことしか考えてない嫉妬の塊だった男が、責任を背負う存在に変わっている。これが本作最大の進化だと思う。というか出発点にたっただけだが。

「いつか捨てられる」という残酷なテーマ




本作のテーマは前作よりも重め。

「おもちゃは、いつか捨てられる。」これを真正面から描いている。

おもちゃの世界にはゴールがない。むしろ商品を買われたところがゴールであとは飽きられる一方の存在である。

ジェシーの回想シーンはリアルで、ウッディに必要以上に強く当たるのも理解できる。

持ち主に愛され、やがて忘れられ、ベッドの下に押し込まれ、最後はガレージセール。あの絶望はおもちゃの立場に立たないと理解できないかも。というか本作の魅力はこのおもちゃ目線で話が展開していくことだろう。

ウッディも、アンディもいずれ大人になると気づいている。

そしていつか自分は必要なくなる未来がやってくる。その未来は決して遠い未来ではない。

だが博物館に行けば永遠に保存される。でもそれは遊ばれない永遠である。

ここの葛藤が子供向け映画ではない。これはどう考えても大人に刺さるテーマではないか。

いつしかディズニーも子供だけが喜ぶ童話・寓話から脱却し、子供と観る大人にも満足してもらえるものを作るようになった。これが成功の鍵だろう。

かと言ってキャラクターはキャッチーだから子供も大人も楽しめる幅広いレイヤーの獲得に成功してる。

それでもウッディは選ぶ。傷つく未来を。

そして続編の3でしっかり傷つくわけだが・・・。

あらゆる面でスケールアップ




しかし本作、前作以上に様々なディテールの細かさに驚かされる。

たとえばウッディの取れた腕のオペシーン。

エプロンいらんやろ。

道具の配置、縫製の質感、塗料のツヤ。

ウッディが商品として再生はピクサーの本気を見せつけられた場面だった。

そして忘れてはいけないのがスター・ウォーズのパロディの「I am your father」ネタ。

完全にやりたい放題。

本作は前作の弱点を克服し、テーマを深化させ、スケールを拡張し、技術を進化させた。これ、続編の理想形じゃね?

ウッディが苦手だった私でも、本作のウッディは好きになれた。

なぜなら彼はもう、嫉妬の男ではなく、選ぶ男だからだ。

意外と深い?いや、かなり深い。

これ、ただの子ども向けアニメじゃない。

評価・受賞歴




本作は公開当時から極めて高い評価を獲得。

・Rotten Tomatoes支持率100%(批評家評価)

・前作を超える完成度との声多数

・シリーズ随一のストーリーテリングとの評価

単なる続編ではなく、“アイデンティティ”と“存在価値”を描いた哲学的作品として語り継がれている。

特にジェシーの回想シーンで流れる「When She Loved Me」は、ピクサー史上屈指の名場面として名高い。

子ども向け作品の枠を超え、大人の心に深く刺さる構造こそが本作最大の強みだ。

受賞歴

・ゴールデングローブ賞(2000年)

 最優秀作品賞(ミュージカル・コメディ部門)受賞

・アニー賞(2000年)

 長編アニメーション賞

 監督賞

 音楽賞 ほか多数受賞

・グラミー賞(2001年)

 最優秀映画・テレビ映像楽曲賞(When She Loved Me)

胸に刺さるピクサー映画3選