【映画】ラストレター(2020)|気持ち悪いと言われる理由と違和感の正体を徹底考察【考察】

スポンサーリンク
スポンサーリンク
「ラストレター」公園で会話する男女の水彩画風ビジュアル ラブストーリー

岩井俊二監督は僕の青春のバイブルであり、僕は間違いなく岩井俊二から多大な影響を受けた人間であります。彼の作品はすべて観てるけど、一番好きなのが『Love Letter』。

本作はその『Love Letter』の姉妹店的な位置付けの作品なんだと思う。

中山美穂と豊川悦司もさりげなく出演したりして、老けましたなぁ・・・。

そして主演は松たか子。桜の季節になると何故か見返したくなるこれも岩井俊二監督の『四月物語』以来でしょうか。

しかしだ、本作、どうにも感動できなかった。

今回はその理由を紐解いていくとする。

本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。

基本情報




作品名:ラストレター

公開年:2020年

監督:岩井俊二

脚本:岩井俊二

音楽:小林武史

ジャンル:ロマンス/ドラマ

上映時間:120分

製作国:日本

主なキャスト:松たか子、広瀬すず、庵野秀明

あらすじ




「ラストレター」公園で会話する男女の水彩画風ビジュアル

宮城県のある町で、亡くなった姉・未咲の葬儀に参列した裕里は、姉宛に届いていた同窓会の案内状を受け取る。欠席の連絡をするため会場へ向かったはずが、周囲の流れに押され、裕里は姉「未咲」として振る舞うことになる。

そこで再会したのが、姉の同級生であり、かつて想いを寄せていた男性・鏡史郎だった。彼は裕里を未咲本人だと信じ、その後も手紙を通じて交流を続けていく。

一方で、裕里の娘・鮎美や、姉の娘・颯香といった次世代の存在も絡みながら、過去と現在が交錯していく。手紙という古い手段を通じて、伝えられなかった想いや、すれ違い続けた感情が少しずつ浮かび上がる。

純愛か、狂気か




まず持ってこの令和の時代に「文通」というのがどうにも違和感でしかない。

のっけからこれ言ったら話の根底を否定にかかってるようなものだけど、

手紙ってわざわざ切手を買って貼って送ってもすぐに既読になるわけじゃない。相手に届いて、相手もまた切手を買って貼って返信してってまぁまぁカロリーいる作業。

確かに直筆の手紙って心がこもってるというか、魂が宿ってるような感覚を受けるのは理解できます。僕ももらった事あるので。

仮に初恋だった人や過去に文通をしていた仲で「手紙のやり取りは特別なもの」というバイアスがかかってるにせよ、彼らはスマホで連絡先を交換してるわけだ。

だったらLINEでしょ。

文通をする理由付けを作ったとしてもやっぱりLINE使うよね。そしてそれでも文通を続ける乙坂の執着心が今度は怖くもある。

彼は同窓会で会った裕里の正体に気づいていながら連絡先を交換して彼女と文通をする。姉の未咲の体で。もうここが気持ち悪いもん。

「今でも想ってます」ってメッセージ送りつける。もしそうだとしてもそんなこと会ってから言えよ。もうマジで気持ち悪い。

設定では未咲は44歳。同級生だから乙坂も44歳。

ぶっちゃけ44歳にもなって学生時代の初彼のことをずっと想い続けているってちょっとなんというか、、、

本当は純愛の美しい話にしたかったのでしょう。

だけど、乙坂にはある種狂気的な節があって、犯罪をおかさないサイコパス的な印象を持たざるを得ない。

気持ち悪いキャラクターたち




そして自らを姉の未咲と偽って手紙を乙坂に書き続ける裕里も裕里・・・

いくら乙坂が初恋の相手だからと言って、乙坂は姉貴のことが好きなこと知ってるくせに手紙のやりを続けるって思考回路が意味わからん。

裕理の旦那(庵野監督)も旦那で、裕理の浮気を疑い、スマホを破壊するわ、犬飼ってきたり相当イカれている。

裕理の子供と未咲の子供が勝手に乙坂の手紙を盗み見して返信までしてやりとりするのも理解に苦しむ。

つまり本作、手紙のやり取りをやりたいがためにキャラクターの行動が全員不自然に気持ち悪くなってしまった作品と言えよう。

乙坂を温水洋一が演じていたら?




乙坂は挙句の果てに、裕里に言わず未咲の家にあがりこんで線香まであげることになる。これも違和感です。

仮に44歳のおっさんが若い小娘2人だけの家に入るって・・・

LINE交換してるなら裕里に一報すべきでしょ。いま令和でしょ。

さらに帰り際に裕里と未咲の娘たちの写真を撮ってアルバムにして裕里に渡すのも怖いっす。

勝手に自分の娘と未咲の娘に会ってたなんてホラーでしょ。

もはや乙坂の行動は「純愛」なのか「ストーカー」なのか非常に曖昧である。

前に『秒速5センチメートル』の記事でも書いたけど、過去の人を想ってても相手はとっくに忘れてたり、現実社会はもっと残酷です。

未咲も乙坂の手紙を大事に読んでたとか、「こうあって欲しい」っていう願望的でなんだかファンタジーみたい。

秒速5センチメートル』の遠野くらいの年齢ならギリな気がするが、四十代中盤でこんな執着があるって、美しいどころかキモイおっさんですやん。乙坂を福山じゃくて温水洋一が演じてたらどうでしょう。

岩井俊二監督、やっぱり無理がありますよ・・・本作を通して感覚がアップデートできてない感じがしてしまいました。すみません。

やっぱり岩井俊二監督の昔の作品観よう。

ラブストーリー3選