2019年に公開された映画『天気の子』。
新海誠監督の『君の名は。』の次回作として大きな注目を集め、日本興行収入は142.3億円を記録した大ヒットアニメ映画。
正直言ってダメでしたね、自分は。全然合わないし、気持ち悪いと感じてしまいました。
本記事ではネタバレ全開で感想考察していきます。
基本情報
・作品名:天気の子
・公開年:2019年
・監督:新海誠
・脚本:新海誠
・音楽:RADWIMPS
・ジャンル:アニメーション/青春/ファンタジー
・上映時間:114分
・製作国:日本
・主なキャスト:醍醐虎汰朗、森七菜、小栗旬、本田翼、倍賞千恵子
あらすじ

家出をして東京へやって来た高校生・森嶋帆高。
異常気象によって雨が降り続く東京で、彼は「祈ることで晴れを呼べる少女」天野陽菜と出会う。生活に困窮していた二人は、“晴れ女サービス”を始めることで少しずつ居場所を得ていく。しかし陽菜には、天候を晴れにする代償として、自身が人柱のように消えてしまう運命が待っていた。
世界を元に戻すか、それとも陽菜を救うのか。帆高は究極の選択を迫られる。
毎度お馴染みのテーマ「距離」
新海誠監督は毎回「離れ離れになった男女の物語」を描いている。
『秒速5センチメートル』では「遠距離」になり初恋の相手をいつまでも引きずる男の話。
『言の葉の庭』では15歳と教師という「歳の差という意味での距離」。
前作『君の名は。』では隕石落下する前と落下した後の3年間という「時間の距離」。
そして今回はというと天の上との神話的?な距離。
本作は、異常気象が続く東京を舞台に、「晴れ女」という民間伝承的な存在を軸に物語が進行していく。
というか「陽奈が天に召されないと雨は続いてしまう」とか取って付けたような設定だし毎回そんなに無理やり「距離」を生み出さなくても。
男女が離れ離れにないと物語を進行させることができないワンパターンな監督とそろそろ揶揄されても不思議じゃない。
何で自分は合わなかったといと、今までは「相手を想って会いに行く」というのが誰にも迷惑がかからなかったんだけど今回は特に他人に迷惑かけまくりなんです。
それが特に酷くて「自分さえ良ければいい」という自分勝手な考えが気持ち悪かった。
ちょっとこの辺りを詳しく指摘していくとする。
自己中な主人公
何が嫌かってこの主人公、帆高の身勝手さだ。
何の理由で島から東京に家出してきたのかわからないが(その理由も特に明らかになっていない)、親は当然心配するだろうし捜索願だって出すだろう。
捜索願が出されるということは多くの大人が帆高の為に動くのであって自分の起こした行動が人に及ぼす影響を想像すらできないガキだということ。
それが後半にもよくあわられており、陽奈に会いたいからと言って警察に暴力はふるうわ、拳銃は向けるわ周りの大人(須賀と夏美)を巻き込むわで自分勝手にも程がある。
それを手助けしてしまう須賀と夏美もどうかと思う。
結局この帆高の為に二人だって警察に捕まってしまうわけだし。
この帆高というキャラはなんとなく『仁義なき戦い』の北大路欣也が主演した二作目を思い出す。
あの主役も惚れた女の為とか言いながら独りよがりな恋愛観で人とか殺したりする自分勝手な奴だった。周りはえらい迷惑だよ。
しかも最終的には「陽奈がいるならこの世界は異常気象のままでいい」とかぬかしやがる。
この台詞にはちょっと引いてしまった。
本当に自分の事しか考えてないんだな…こういうやつが殺人者になっても正当化するんだろうな。
近年、日本では洪水なんかで被害に遭われた方が大勢いる中で惚れた女と一緒にいたいから他人はどうなってもいいとかいう自己中すぎるガキを主人公にすることへどうしても違和感を感じてしまうのだ。
事情を知らない瀧の祖母なんかは「昔に戻っただけさ」とか言って自分を納得させてたけど家が沈んでるからね?
自分が生活していた場所が沈んでしまうってどんな気持ちなのかおそらくこの帆高にはわかるまい。
前作の『君の名は。』の時は「会いたい+街を救う」という大義名分があった。
本作はただ「会いたい」だけで、「他人はどうなろうと知ったこっちゃない」という面が観ているうちにどんどん気持ちが冷めてしまって全くもって自分の心には刺さらなかったというのが正直な感想だ。
前作を引きづりまくっている
全く違うアプローチも期待してはいたんだけど「案の定」というか、むしろ前作を引きずりまくっています。
監督は「勝ちパターン」みたいなのを発見したのかわからないがストーリー自体はやはり前作には及ばない。
前作の主役の瀧や三葉もちょこっと出てたんだけど監督のサービス精神からなのかわからないけど、この演出はあざとくていらん演出だなと思ってしまった。
こういうことされるとこの作品に自信ないの?と思ってしまう天邪鬼な私です。
エンディングの入り方も前作とほぼ同じ感じ。
しかもまたしてもRADだしどうしても冒険心がない監督さんなのかなと感じてしまう。
あえて昔の作品の天門に戻してもよかったのに。というか個人的に天門の作る音楽が好きなだけなんだけど。
特に気になったのが帆高の声優が瀧とそっくり。声というか「感情の昂ぶるシーンのトーン」が瀧と丸かぶりでこれはそのままコピーでは…
だったらもう神木隆之介でいいじゃんってレベル。
しかも見た目も似てるし…
前作の御神体どうのこうのの少し説教くさいシーンも新海誠作品には斬新だなと思ってたけどまさか今回も取ってつけたような感じでそういったシーンもあって…
こうなってくると前作の成功フォーマットを丸々と引き継いだだけの映画のような気がして仕方ない。
唯一褒められるのは街並みの描写。
これは相変わらず綺麗だ。
ここに関してだけはどんどんレベルが上がってる気がするし特に花火のシーンは新たな試みではないだろうか。
今回はやたら新宿のラブホテル街の描写も多くて個人的には馴染み深い風景が出てきたのにはちょっと嬉しかった。
ここら辺は地方の人が観るのとは違う印象だろうな。
未成年だけでラブホテルに泊まるシーンは嫌いじゃないけど子供と観に行ってる親からすると微妙かも。
この映画って観る人によって全く印象が変わると思ってて私はどうしても親目線で観てしまった。
だから一層この16歳の少年の自分勝手な行動に共感できなかったしなんなら警察のオッサンの身になって観てしまったくらいだ。
これが同年代だったりいまだに心がファンタジーに溢れてる人ならこの冒険活劇に胸踊るんだろう。
どちらがいいか悪いかではなくこれはこれである種のエンタメなのでね。
色々と言ったけどどうなるんだろう?と気にはなって最後まで観てしまったので凄くつまらないわけではないんだなと思う。






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