【映画】スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼(2020年)|Wi-Fiに繋いだだけの刑事ドラマだった件【考察】

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「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼をイメージした水彩画風イラスト|ガラス越しに向き合う二人の男」 サスペンス

2020年公開の映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』。

いやぁ、前作の『スマホを落としただけなのに』も酷かったけど、本作の酷さったら呆れてものも言えないのでブログ記事に書くことにしました。

本当に中田監督よ、どうしちまったんだ・・・

本記事ではネタバレ全開で感想考察レビューしていきます。

基本情報




作品名:スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼

公開年:2020年

監督:中田秀夫

脚本:大石哲也

原作:志駕晃

音楽:兼松衆/堤博明/大間々昂

ジャンル:サイバーサスペンス/ミステリー

上映時間:118分

製作国:日本

主なキャスト:千葉雄大/成田凌/白石麻衣/鈴木拡樹

あらすじ




「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼をイメージした水彩画風イラスト|ガラス越しに向き合う二人の男」


長い黒髪の女性を狙った連続殺人事件の犯人・浦野は逮捕されたはずだった。しかし山中で白骨遺体が発見され、事件は終わっていないことが明らかになる。警視庁サイバー犯罪対策課の刑事・加賀谷は、収監中の浦野から「真犯人は別にいる」と告げられる。

浮上するのは、正体不明のブラックハッカー「M」。仮想通貨強奪事件やネットワーク犯罪の裏に潜む存在だ。警察は異例の判断で浦野を捜査に協力させる“超法規的措置”を決断する。

一方、加賀谷の恋人・美乃里は、何気なく接続したフリーWi-Fiをきっかけに危険に巻き込まれていく。SNS、暗号資産、個人情報流出……現代社会の盲点が次々と露呈する中、加賀谷は愛する人を守れるのか。そして浦野の真意とは何なのか。

スマホは確かに落としているが、物語の根底ではない。




前作の『スマホを落としただけなのに』は一般人がスマホを落としたことで殺人事件にまで巻き込まれてしまう、もしかしたら、ありえるかも・・・と思わせた設定がうけた。

まぁ、殺人者に狙われるだけならまだしも謎の北川景子のなりすまし案件は完全に邪魔な展開だったが、まだ観れた。

だが、本作は「スマホを落とした」設定がまるで物語の核やきっかけになっていない。

これはもはや壮大なタイトル詐欺である。だって、今回もスマホを落としたことで広がる展開を期待するじゃないですか。

本作では白石麻衣がWi-Fiを繋いだことで事件に巻き込まれる話。

だからタイトルは「Wi-Fiに繋いだだけなのに」なのだ、本来は。

千葉雄大は確かにラストでスマホを落としている。白石麻衣がそれを拾い、二人の関係が発展する。タイトルは無理やり回収される。

だが本作の物語の核はスマホではなく、最初から刑事ドラマの構図で動いている。サイバー犯罪対策室、ダークウェブ、ホワイトハッカー、そしてMという存在。スマホは中心ではない。

つまり、本作は「落としただけなのに」ではなく、「巻き込まれる構造の中に最初からいる」話だ。だから恐怖の質が変わる。

別にこんな展開誰も望んじゃいなかっただろう。

既視感の連鎖




本作最大の既視感は、浦野との共闘構造だ。サイコパス的殺人犯と協力して事件を追う。このパターン、どうしても『羊たちの沈黙』じゃん。

まぁ、日本で言えば『踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間! 』だ。踊る大捜査線もパロディという名のパクりの連続だけど。

異常な知性を持つ犯罪者が、別の犯人を追うための鍵になるという構図は今更感がぬぐえない。

そして浦野は事件解決のために超法規的措置としてなぜかネット使用が認められる。彼を見張る監視役はなぜか、アルコアンドピースの平子さん一名だけ。

WHY?????????

案の定、浦野は留置場から逃走する始末。

怪しいフラグ立ちまくっていた顔に傷の男が実は刑事だったという「怪しそうなやつがいいやつだった」お決まりのパターン。

そしてMの正体もITガーディアン社の社長・笹岡だったわけでこれも「近しいやつが犯人だった」パターン。

これって今までの色んな作品の寄せ集めであり、かなり雑な脚本である。ワクワクポイントがないし、物語に特に山場が全くない。

白石麻衣の警護もなぜか一人だけ。

警察は人手が足りてないのか?

唯一良かった点




スマホは落としていない。それでも情報は抜かれ、生活は監視される。物理的な落下よりも、デジタル社会の構造的な脆弱さを描こうとしている点においてはもっとやり方があったのではないか。前作もそうだけど、シンプルに設定を活かせてないだけ。

Wi-Fi繋いだら事件に巻き込まれたっていう話でどんどん展開していったら興味がもてたのに。

前作の強みは、スマホを落とす。誰かに拾われる。中身を覗かれる。人生が壊れる。

そのシンプルさがよかった。本作はその直感的恐怖が薄れてしまったのは最大の失敗だろう。

それに浦野の髪の毛は白くなってたけど、これは白髪設定?まさか染めてはないよね?白髪だったらもっと汚い白髪にしてほしかった。こういう一個一個が冷めるポイントなんだよ。

というか本当に中田監督はどうしてしまったのでしょうか。ことごとくつまらない作品ばかりで、このあとも連発することになる。

本作が公開された2年後にも『“それ”がいる森』という、観た者誰しもその年のワースト作品になるであろう映画を撮ることになる。

彼はもうお金に困ってないのか、逆に困ってるから何でも映画にしてしまうのか、僕は中田監督の情熱が映画から感じられなくなってしまったことが悲しい。

本作、唯一褒めるところは、

白石麻衣が、左まゆだけピクッと上げるの凄い技術だ。と思った程度。

評価・受賞歴




興行収入は約11.9億円。前作(約19.6億円)と比較すると数字は落ちたものの、コロナ禍直前という状況を考慮すれば健闘といえる。

本作の評価は大きく二分される。

✔ 前作よりスリラー要素が増し、サイバー犯罪描写がリアルになった

✔ 成田凌演じる浦野の異様な存在感が際立つ

✔ 刑事と殺人鬼の禁断の協力関係という構図が面白い

一方で、

✔ 前作ほどの“身近な恐怖”のインパクトは薄い

✔ スケールが広がった分、緊張感が拡散した

という声もある。

だが個人的には、本作は「スマホ=恐怖」という一次的テーマから、「データ社会における支配と共犯」へと深化させた点を評価したい。恐怖の質が変わったのだ。

受賞歴

大規模な映画賞受賞はないが、シリーズとしての話題性と興行実績により、国内サスペンス作品として一定の評価を確立。原作シリーズは「このミステリーがすごい!」大賞関連作として注目を浴びた。

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