【映画】四月物語(1998)|あらすじ・ロケ地・桜の映像美と新生活の緊張。武蔵野を舞台にした淡いラブストーリー【ネタバレ考察】

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(四月物語)赤い傘の女性ポートレート|雨に濡れた髪と静かな眼差し(16:9・水彩画風) ラブストーリー

1998年に公開された映画『四月物語』。

岩井俊二の『スワロウテイル』の次の作品で、ホワイトな作品。約1時間の短い淡いラブストーリーでストーリーらしきものは限りなくないに等しいが、不思議な魅力のある作品で春になると観たくなる映画だ。

本記事ではネタバレ全開で感想考察レビューしていきます。

基本情報




  • 作品名:四月物語
  • 公開年:1998年
  • 監督:岩井俊二
  • 脚本:岩井俊二
  • 音楽:CLASSIC
  • ジャンル:青春/恋愛/ドラマ
  • 上映時間:67分
  • 製作国:日本
  • 主なキャスト:松たか子、田辺誠一

あらすじ




(四月物語)赤い傘の女性ポートレート|雨に濡れた髪と静かな眼差し(16:9・水彩画風)

四月、桜の季節。北海道から上京した卯月は、東京・武蔵野でひとり暮らしを始め、大学へ通いながら新しい人間関係に少しずつ触れていく。おとなしい彼女は、どこか不器用なまま日常に馴染もうとするが、ある「言いにくい理由」を胸の奥に抱えていた。新生活の緊張と高揚が交差する中、卯月は自分の気持ちを言葉にできるのか――春の光と静けさの中で、淡い想いが輪郭を持ちはじめる。

新生活の緊張と高揚。

まだ初々しい松たか子演じる卯月の新生活と共に、「始まりそうなラブストーリー」を描く約1時間ほどのコンパクトな映画。




旭川から上京、引越し、入学式、自己紹介。

Love Letter』でも素晴らしい楽曲を提供してくれたCLASSICによるBGMがなんともキラキラしていて、さらにカメラマンの篠田昇氏による映像美がひたすら美しい。

こんな美しい春の映像ならきっとビルばかりあると思ってる地方の人は驚くかな。特にこの映画の舞台となっている武蔵野地域は都心から少しばかり離れていて、とても住みやすい街です。

ロケ地の国立大学通りは本当に桜が綺麗です。(だってこの辺の会社に昔勤めてたので)

東京ってビルばかりじゃなくて、実は高尾山のような山があったり、海だってあるんですよ。

しかしいま観ても映像の色彩が柔らかくて、実に美しい。

新生活を始めるワクワク感みたいなものが凄くよく表現されています。この映画ってもはやこの「春の空気感」をかみしめる映画なのかも。

中盤から印象が変わる卯月

北海道・旭川から出てきた卯月は若干コミュ障気味な引っ込み思案な女性。

入学早々の女友達からの誘い断りをいきなり断るところから距離感つめるの早い人は苦手なタイプっぽい。




とは言え、隣の住人に対して「晩御飯一緒にどうですか?」と大胆な誘いをしたり、憧れだった先輩を追いかけて上京したりと、最初の印象とまるで違った一面を見せる。

旭川で憧れていた先輩が働いてる本屋を特定して訪問する卯月。

なかなかの執着というか、先輩からしたらちょっとこわいんだけど、それがなんだか透明感ある仕上がりになっているのはさすが。

ちなみに主人公・卯月が通う大学の名称は「武蔵野大学」であるが、公開当時「武蔵野大学」は存在しておらず架空の大学であったそうだ。映画のあとから武蔵野大学ができたみたいで、それもなんだか感慨深いです。

始まりの予感

高校時代に憧れていた密かな淡い恋のおかげで勝ち取った大学受験合格。

本人は「恋の勝利」と呼んでるが、物語はその先輩に真っ赤な壊れた傘を借りたところで幕を閉じる。




そのあと卯月は傘を返しに来たんだろうな。それで先輩は卯月を食事に誘うとか、そういった展開を期待せずにはいられないラストでした。

なんでもかんでもわかりやすく説明っぽい作品が多い中で、こうして余白を与えてくれるラストはいつまでも余韻に浸れます。

作品は9割が監督が作って、あとの1割は観客が想像して補完する。これがいい作品だと勝手に思ってる私からすると好きなエンディングでした。

東京の人は冷たいという偏見あるだろうけど、そうでもないでしょ?

卯月が映画館で観ていた『生きていた信長』は謎の長尺だったけど江口洋介など豪華俳優陣が出ていたり、冒頭の旭川のシーンでは松たか子のファミリーが出ていたり驚き要素もある。

二時間無理に尺を伸ばすよりも1時間でスパッと終わる本作は潔くて、東京の春を描いた秀作だと思います。

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