2007年公開の『P.S. アイラヴユー』。
数年ぶりに鑑賞したが、いま観て改めて思ったことをネタバレ全開で感想考察レビューしていきます。
基本情報
- 作品名:P.S. アイラヴユー
- 原題:P.S. I Love You
- 公開年:2007年(日本公開:2008年)
- 監督:リチャード・ラグラヴェネーズ
- 原作:セシリア・アハーン
- ジャンル:ロマンス/ドラマ
- 上映時間:126分
- 製作国:アメリカ
- 主なキャスト:ヒラリー・スワンク、ジェラルド・バトラー
あらすじ

ニューヨークで暮らすホリーは、最愛の夫ジェリーを病で失い、深い喪失感の中にいた。そんな彼女の30歳の誕生日、亡き夫からの手紙が届く。
それを皮切りに、ジェリーが生前に用意していた複数の手紙が、節目ごとにホリーの元へ届けられる。それぞれの手紙には短いメッセージと、小さな「宿題」が添えられていた。
悲しみから無理に立ち直るのではなく、時間をかけて感情と向き合っていくホリー。やがて彼女は、手紙に導かれるようにジェリーの故郷・アイルランドへ向かい、自身の人生をもう一度見つめ直していく。
ヒラリー・スワンクはミスキャスト
この映画、大学生以来かな。『プラダを着た悪魔』製作スタッフが作った映画です。
なかなかいい映画なのに周りでこの映画を好きという人が全然いない。むしろ聞いたことがない。あまり存在感がない映画のようです。
主演は『ミリオンダラー・ベイビー』のヒラリー・スワンク。
シンプルに言ってラブストーリー顔ではない。なんと言うか顔面が戦闘モードという感じで控えめに言って美人とはいいがたい。
『奇跡を紡ぐ夜』で久々に見たけどやっぱり印象が変わらず、このキュンとするラブストーリーではミスキャストな気がする。
って十年以上経っても印象が変わらないのってすげぇな。
まぁ、『ミリオンダラー・ベイビー』のイメージを払拭しかったのかもしれませんね。
これがアン・ハサウェイとかだったら全然ガラッと変わっていたのに。
ちなみにヒラリー・スワンクが悪いのではない。彼女を起用したスタッフのセンスがどうかということだ。原作者はどう思ったのだろうか?
喪失感から立ち直るための旦那からの教材
のっけから主演女優をディスるところから始まって申し訳ないが、本作は脳腫瘍で亡くなった旦那が残された妻のホリーを立ち直らせるように手紙を仕組んでいたというのが本筋。
だから旦那は死んでもずっとホリーのそばにいるかのような感覚があって、忘れさせたいのかどうなのかようわからんし、死んだ後もダラダラと付き合わせるなよとは思うけど、悪い話じゃない。
しかし親友と穴兄弟になるくだりはちょっとね・・・。文化の違いなのかな?
そもそもこの歌うたいの親友が全然冴えない野暮ったいオッサンなのに謎にホリーたちがキュンキュンしてる。これも文化の違いか。
その手紙は順序が決められており、彼女が立ち直るまでサポートする教材みたいなニュアンス。
遺書なんだけど、彼女を立ち直らせる目的もある。自分は死ぬことを知っていて、そのうえ残された妻を幸せにしたいという想い。よくぞここまで計算して手紙を書いて用意したな。とご都合主義的な目線で観ると覚めるが、騙されたらいいんじゃかな。いいじゃん、ご都合主義で。
自分は死ぬけど生きてる相方には幸せでいてほしいし、自分以外の人と結ばれて幸せになってほしい。
自分が死ぬって時になかなかそんな余裕のある感情にはなれるものではありません。
映画スコアが秀逸
映画的にはツッコミどころはあれど、シンプルに楽しめました。ホリーの親友が結婚するのに全然喜べないシーンなんかもリアルに描かれてました。
ホリーの心のリハビリも終わり、最後には迫れてた男友達とキスをするんだけどお互い全然気持ちが入らない。
「まるで妹とキスしてるようだ」
「友達でいよう」
お互いないものを求めていただけなのかも。安易に二人がくっつくラストじゃなくてちょっと安堵しました。だって簡単に次の恋にいったらなんだかそれはそれでチープだしね。
さて、本作で注目したいのが『ハンコック』や『ボーン・アルティメイタム』などの映画音楽で知られるジョン・パウエルのスコアサントラだ。
北野武監督の『菊次郎の夏』みたいに同じ曲をちょっとづつアレンジして繰り替えしてるんだけど、ジョン・パウエルの楽曲も素晴らしい。
映像を彷彿とさせう哀愁漂いまくるギターの音色やストリングスがこの映画の余韻を作っています。
残された者は深い悲しみと喪失感に包まれるが、生きてる以上、前に進まないといけない。その喪失感は一生消えることはないけど、その喪失感こそが「その人が生きていた」という何よりも証拠である。
評価・受賞歴
本作は大きな映画賞レースでの受賞作ではないものの、公開当時から現在まで安定した支持を集めてきた作品である。
とくに「喪失からの再生」をロマンチックな仕掛けで描いた点は、多くの観客に受け入れられた。一方で、感情表現や物語展開の分かりやすさから、好みが分かれる作品でもある。
それでも年月を経た現在では、派手さよりも「人生の一区切りを描いた物語」として再評価される傾向があり、ラブストーリーの定番作として定着している。







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