2010年公開の『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』。
スピンオフを除く劇場版としては3作目に当たる本作。
本記事ではネタバレ全開で感想考察レビューしていきます。
基本情報
- 作品名:踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!
- 公開年:2010年
- 監督:本広克行
- 脚本:君塚良一
- 音楽:菅野祐悟/松本晃彦
- ジャンル:刑事/サスペンス
- 上映時間:141分
- 製作国:日本
- 主演:織田裕二、深津絵里、ユースケ・サンタマリア
あらすじ

新湾岸署の開署を目前に控えたある日、管内で不可解な事件が連続して発生する。
バスジャック、銀行強盗、そして警察内部の武器盗難——いずれの事件も「何も奪われていない」という奇妙な共通点を持っていた。
現場に駆けつける青島俊作とすみれ。
捜査が進むにつれ、事件は単なる犯罪ではなく、警察組織そのものを揺るがす“試金石”であることが浮かび上がる。
だが今回は、かつてのような痛快な現場主導の捜査ではなく、会議・調整・管理という「組織の論理」が前面に押し出されていく。
ノリが古い
前作の『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』から7年後の続編で3作目となる本作。
やっぱりこの作品がヒットしたのって、「警察って何やってるのか」を庶民にわかりやすく見せたのが成功の鍵だったように思う。
警察と言ってもたくさんの書類仕事に終われ、社内ルールを遵守し、上司からやんやん言われ、部下の指導もしないといけない。
テレビドラマにあるような派手さはなく、むしろサラリーマン的ですらある。それが親近感を覚える内容だったので踊るシリーズってここまで愛されてきたんだろう。
さて、本作の舞台は移転して新たな湾岸署での話。
メンバーも結構一新され、次のフェーズに入った踊るシリーズといったところか。
けどこの回でだいぶ新メンバーが加わり、古参にはちょいと違和感がある。
その理由は「笑いのノリが昔のまま」だからだ。
久々に昔つるんでた地元の友達と再会して飲んだ時のギャップのような。昔のノリを今もそのまま引きずってるがゆえに、「あれ?なんか笑えない」とか経験ありません?それに似てるかな。
決定的なのは7年前から観てる人も製作者側も歳をとってるんだもん。
もうあの頃と同じテンションで観ることができないのは自分だけではなさそうだ。だけど本作では過去のコメディ要素のテンションを思い切り引きずっている。そのギャップが痛くもある。
新キャラがしんどい
今回新たに登場してきた和久さん甥っ子の存在は正直あざとい。いるかな?彼は単に和久さんの伝言係でしか役割を果たしていないように思える。もっと描き方があったのでは?
メンバーが一新されたことで昔の踊るとは別物と考えた方がよさそうです。和久さんがいない踊るは踊るじゃねぇ。
中国からきたワンさん。最後に犯人たちを中国拳法か何かで倒すんだけど、既視感満載の片言や言い間違えなどステレオタイプすぎてしんどい。
そしてスリーアミーゴーズも壮大にすべっている。戒名のシーンも痛々しくて直視できないレベル。
本作で青島は係長になって昔みたいにただ走り回るだけじゃなく、部下への指導という立場になったのは唯一の見どころではないだろうか。
だけどね病気のくだりはいらない。結果的に青島は健康だったが、あれが物語に何か影響を及ぼしたかと言えば特に何もなかったように思える。
ツッコミどころ
劇場版の一作目で衝撃的な登場をした日向真奈美が本作で再登場。うーん、また使い回しか。
しかもこの日向真奈美はこの後に作られる『室井慎次 敗れざる者/生き続ける者』にも出てきて、この踊る映画シリーズはほぼ半分以上が日向真奈美が首謀というのがやっぱり納得いかないし、どんだけこするんだよ。
犯人連中は日向真奈美の信者だが、そもそもなんで偽名で働けるの?そのシステム自体がおかしい。、
犯人らによって閉じ込められた湾岸署だけど、最新システムの建物に青島が必死に外側から叩くシーンもサブイ。マジであくとでも思ってるのか?泣けないよ?
上層部もそもそも所轄をなぜそんなに目障りにするのか理解できないし、対応が過剰過ぎて全く現実味なし。
物語自体に高揚感もないし感情移入もできない。
最後はまた青島がいいとこ奪おうとしてるし、無難に終わってしまった感じだ。なんなんだろう?
全然面白くなかった。
このあとさらに四作目の『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』に続くわけだけど、これがまた穴だらけでひどい脚本です。
やっぱり二作目で終わっておけばよかったのにと思わざるを得ない作品でした。
評価・受賞歴
本作はシリーズの中でも評価が大きく割れた作品として知られている。
- 興行収入は73.1億円と高水準
- しかし観客動員・口コミ評価は前2作を大きく下回った
- シリーズ最大のスクリーン数を確保しながら、失速が早かった点も象徴的
受賞面で大きな評価はなく、
「社会派テーマを掲げながらも、ドラマとしてのカタルシスが不足していた」
「踊るシリーズ特有の会話劇とユーモアが機能していない」
といった批評が目立つ。
結果として本作は、踊る大捜査線が映画シリーズとして転調した分岐点として語られることが多い。








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