1994年に公開された映画『ナチュラル・ボーン・キラーズ』。
バーで女が音楽に合わせて踊る。
男が口説こうと寄ってくる。
いい感じに踊る2人。
次の瞬間、女は男をボコボコに殴る蹴る。
そして殺してしまう。
そこいた女の彼氏もその店にいる人を次々と殺していく。
そして1人だけ生かして2人は言う。
「ミッキーとマロリーがやったって言いな」
これがオープニング。
まったく、リバー・ストーンとタランティーノは頭がおかしい。
だけど映画としてはこれほど目が離せないオープニングはそうそうない。
基本情報
作品名:ナチュラル・ボーン・キラーズ
公開年:1994年
監督:オリバー・ストーン
脚本:デヴィッド・ヴェロズ/リチャード・ルトウスキー/オリバー・ストーン
原案:クエンティン・タランティーノ
音楽:ブレント・ルイス
ジャンル:クライム/バイオレンス/風刺
上映時間:118分(DC版122分)
製作国:アメリカ
主なキャスト:ウディ・ハレルソン/ジュリエット・ルイス/ロバート・ダウニー・Jr/トミー・リー・ジョーンズ
あらすじ

ミッキーとマロリーは、愛し合いながら各地で殺人を繰り返す若いカップル。
無差別な犯行はやがてマスメディアに取り上げられ、二人は犯罪者でありながら“スター”のように消費されていく。
逮捕後も状況は変わらない。
TV局は視聴率欲しさに刑務所内でインタビューを敢行。
その生放送が暴動の引き金となり、二人は再び逃走を開始する。
各国で上映禁止のヤバすぎる映画
この映画はもう何十年も前のものなんだけど今観てもめちゃめちゃ面白い。
日本で言えば『バトルロワイヤル』とか『悪の経典』とか近しいのかもしれない。
ようは無差別に殺しまくる殺戮映画。
「面白い」って言っていいのかどうか表現に困るが。
もうこの映画の持つパワーが凄すぎて実際にアメリカでミッキーとマロリーを模倣してカップルが殺人を犯したりしたらしいから驚きだ。
コロンバイン高校銃乱射事件との関連も議論され、
「映画は暴力を助長するのか」という永遠のテーマを再燃させることに。
ただし実際の裁判では、映画が直接犯罪を引き起こした明確な根拠はないと判断されている。
いずれにしても本作が世界に与えた影響は計り知れない。影響力がありすぎて各国で上映禁止になったヤバすぎる映画。
この映画は大きく前半と後半に分けられる。
親から虐待されてきた2人の男女が出逢い恋に落ちて親を含め52人を無差別に殺していき警察に捕まるまでが前半。
その刑務所での暴動が後半。
前半はどちらかと言うとロードムービー的な感じで後半はもはやカオスだ。
ちなみに脚本はクエンティン・タランティーノ。しかしオリバー・ストーンはタランティーノの意図とは異なる大幅なストーリーの変更をしたことでタランティーノは強い不満を示し、激怒したと言われている。
とにかく編集が凄い
この映画の特徴は何と言っても目まぐるしいくらいのテンポの編集。
とにかく見せ方が斬新で殺戮もまるで漫画みたいな描き方。
2人の馴れ初めをアメリカのバラエティショウ風でみせたり、画面が突然白黒になったり、いきなりアニメが挿入されたり、とにかくやりたい放題。
日本映画の『渇き。』なんて目じゃないくらいのカット数。
音楽も70曲以上も使ってて特に暴動のタイミングのレイジアゲインストザマシーンがかかった時は鳥肌がたった。
全編まるでミュージックビデオの様で全く飽きることなく2時間が過ぎる。
この編集は正直神がかっている。
役者が全員超ハイテンション
編集だけでなく俳優陣のキャラクターや演技も最高。
主役の2人も凄いんだけど、他にも視聴率しか考えない自分勝手なキャスターなんて生中継でミッキーに殺人のことで説教してたくせに、最終的には暴動で拳銃ぶっ放しながら人殺しに加勢して
「はじめて生きてる感覚を知った」とか本音が出るとことか最高のブラックジョークでしょ。
ミッキーとマロリーを追いかける刑事も娼婦を殺しちゃうし、ブちぎれまくる刑務所長のトミーリージョーンズなんかも暴動を生中継されたと知った時のリアクションはもはやコント。
みんな演技が上手いとかそういうことじゃなくてもう物凄いテンションで役者が役に乗り移っているような感覚だ。
オープニングからしてB級感漂うけど本当にアドレナリンが出るくらいの傑作だと思う。
命の重みだとかこの映画に説教を求めるのはナンセンス。
パワーがありすぎるが故に映画に影響されてしまう若者がいるのもわかるので分別ある大人しか観てはなりません。
当然R指定はするべきかな。
私はこの映画にテーマ性なんて求めない。
ひたすら感覚的に観ていくだけ。
好き嫌いはハッキリ分かれるだろうな。
でもこのレビューで気になる方は一回観てみてほしい。
評価・受賞歴
・ヴェネツィア国際映画祭 審査員特別賞受賞
・Rotten Tomatoes 支持率48%
・Metacritic 74/100
批評家評価は賛否両論。
だが、その“割れ方”こそが本作の本質とも言える。
映画としての完成度以上に、社会への衝撃度が議論の中心だった。





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