2022年に公開された映画『耳をすませば』。
こちらは1995年に公開されたジブリ映画の実写化。嫌な匂いしかしないが、怖いものみたさで鑑賞。
正直、ここまで酷い映画だとは思わなかった。
本記事でもネタバレ全開で感想考察レビューしていきます。
基本情報
作品名:耳をすませば
公開年:2022年
監督:平川雄一朗
脚本:平川雄一朗
原作:柊あおい
音楽:高見優
ジャンル:ロマンス/ドラマ
上映時間:114分
製作国:日本
主なキャスト:清野菜名、松坂桃李、山田裕貴、内田理央 ほか
あらすじ

読書好きの中学生・月島雫は、図書カードに何度も同じ名前が記されていることに気づく。その名は天沢聖司。やがて出会った彼はチェロ奏者を目指すという大きな夢を抱いていた。雫はそんな聖司に刺激を受け、自らも物語を書き始める。
本作はその中学時代の出来事に加え、原作にはなかった「10年後」を描く。大人になった雫は出版社で働きながら夢を追い続け、聖司はイタリアで修業中。離れ離れになった二人は、それぞれの現実と理想の狭間でもがきながら再会を誓う。
謎の改悪
1989年に少女まんが雑誌『りぼん』で連載された『耳をすませば』。
1995年にはジブリでアニメ映画化され大ヒット。まぁ、みんな知ってる名作の10年後を描いた作品。
そもそも論だけど、わざわざなんで10年後を描いたのか?
結果的に言えば「10年後」を描く必然性が全く見出せなかった。
実写の10年後の月島雫は10年前の悩む女子中学生と大して変わっておらずシンプルにアニメの延長線上のキャラクターとして描かれている。
この10年で彼女自身が成長したり変わった姿が0なのである。もちろん「実写化」なので変わってしまうと無理が生じるので変えられないのは理解できるが、どうにもキャラクターがあの当時のまんまで野暮ったく感じしてしまう。
そして誠司は夢を叶えてイタリアでCDまで出し、見事夢を叶えている。
しかし最大の疑問が、
アニメではバイオリン職人だったのに、この実写ではなぜかチェロ奏者に設定変更されている。
WHY?
バイオリン職人じゃなかったの?
そしてなぜ「カントリーロード」じゃないのか?
なぜ「翼をください」なのか?
私のように「カントリーロード」を聴きたいがために観てる人もいるだろう。
原作では雫の作った「カントリーロード」の替え歌を誠司に「コンクリートロードはやめた方がいい」と雫をからかうくだりが、「本のオチを言う」シーンに思いっきり改変されとる…
二人が出会う重要なシーンなのになぜ変えた?
設定がちゃんと1988年にするくらいなのにここはなぜ変えた?
なぜ?なぜ?なぜ?
もはやこれは「実写」とうたってはいけないでしょう。なんでこんなことになったのか、終始疑問符が頭を駆け回っていた。
チープな遠距離恋愛物語
彼らの関係性は10年前からたいして変わっておらず、また遠距離恋愛におけるすれ違い(イタリアの彼女もどきの存在)は、既視感満載で新しい要素は皆無である。
雫の葛藤は、シンプルに小説が書けずに仕事はミスばかり。夢がかなえられずモヤモヤするという超絶ありきたりな悩みである。
これをあえて映画にする意味がわからない。ただ単にジブリの名作を絡めれば話題作りになるとしか思えない浅はかさだ。
そもそも現実なんて遠距離で10年お互いが思い続けるのがリアルじゃない。
実際はお互い彼氏彼女ができて、結婚してふと昔の出来事思い出したりして。それでもお互い前に進んでくのが現実世界じゃないかな。って『秒速5センチメートル』みたいなこと言ったけど、あの映画こそ距離がある恋愛映画のリアルな気がする。
観ていられない痛々しいシーンのつなぎ合わせ
誠司がイタリアの街中でチェロを演奏して、徐々に他の楽器が加わるシーンがある。原作のシーンの再現だろうが、いかんせん、イタリア人が拍手してるんだけど乗りずらそうだ。
「カントリーロード」は世界中が知ってる名曲である。だが、「翼をください」は日本の曲であり、世界の人は知らないであろう曲だ。無理があるんじゃないか?
そして雫が「翼をください」を歌うシーンなんて観てられなかった…
あれは自信なさげの歌い出しから徐々に乗ってきて楽器がどんどん加わる高揚感が必要なシーンなのにただのカラオケシーンと化してる。
「カントリーロード」を聴かせてくれない『耳をすませば』は『耳をすませば』じゃない。
正直褒めるところが一つも思い浮かばない作品も珍しく、松本まりかがかわいかったことぐらい。
彼らが10年後に何か成長している姿が観れるかと思ったが、あの中学生の頃の延長戦を観させられてるだけで胸に突き刺さる要素は0だった。
あの甘酸っぱい淡い想い出はやっぱりあのままで良かったんだな。
評価・受賞歴
原作およびアニメ版の人気が圧倒的であるがゆえに、評価は賛否が分かれる傾向。
特に「10年後オリジナル展開」については挑戦として評価する声と、原作の余韻を壊したとする意見が交錯している。
大きな映画賞受賞はないが、往年の名作を現代的に再解釈した実写化作品として話題を集めた。






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