2021年に公開された『ファザーフッド』。
一人で子供を育て上げる父親を描く映画だけど、ちょいと思うことが・・・
本記事ではネタバレ全開で感想考察レビューをお届けします。
基本情報
- 作品名:ファザーフッド
- 原題:Fatherhood
- 公開年:2021年
- 監督:ポール・ワイツ
- 脚本:ダナ・スティーブンス
- 原作:マット・ロジェリン
『Two Kisses for Maddy: A Memoir of Loss and Love』 - 音楽:ルパート・グレッグソン=ウィリアムズ
- 上映時間:109分
- 製作国:アメリカ合衆国
- 配信:Netflix
- 主なキャスト:
ケヴィン・ハート/アルフレ・ウッダード/リル・レル・ハウリー
あらすじ

出産直後、最愛の妻を突然失ったマシュー・ロジェリン。悲しみに沈む間もなく、彼の腕には生まれたばかりの娘が残された。周囲は善意から手を差し伸べるが、彼は「一人で育てる」という決断を下す。
仕事、育児、社会的偏見、そして自分自身の未熟さ。次々と押し寄せる現実に打ちのめされながらも、マシューは父としての役割を学び続ける。これは“立派な父親”になる物語ではない。“不完全なまま父であり続ける”ことを描いた、等身大の人生譚だ。
既視感だらけの子育て映画
妻が出産と共に亡くなり、夫が子育てをする話で実話を基に描かれています。
「子育て映画」の王道中の王道の展開で話的にも特に目新しいものはないといった感じ。
うん、びっくりするほどない。
主人公も割と口数の多いノリのいいタイプでこのキャラも既視感満載。
子育てがネガティブなものではなくて、子育てを通じてマット自身が成長する話でもある点においても既視感満載。
私にも子供が二人いるのでわかるけど、仕事をしながらたった一人で育て上げるのは並大抵のことじゃない。
うちは妻の存在があったから育てられてると思っている。
だから、わりと子供があっさり大きくなってしまってマットの苦悩や、子育ての大変さがいまいち弱いと感じました。もっと時間割いて深掘りしてもよかったかも。終始ポップな感じなので安心してみれるといえばみれるが、その分あまり深くは刺さらない。
なぜこれを映画化したのか?
女性だけの子育ての会に男性のマットが参加しようとするシーンはもっと膨らませられたはず。
社会では男性一人で子供(赤ちゃんから)を育てるケースってあまり多くはないので、その辺りをもっと男性視点で描いたらよかったな。もっと男性も子育てをできる環境があるといいのに。みたいなテーマ性なのかと思いきや、特にそのような描写もなかったように思えます。
結構友人たちも協力的だったり、ばりばり仕事したり、お互いの両親2人とも健在だったり、彼女できたりとだいぶマットは恵まれています。
主人公が過去にもっと悪いやつだったとかギャップがあると物語として深みがでるんだけど、シンプルに普通のいい人。普通のいい人が普通にいい子に育てる話。
子供が自閉症とか、障害とか何もないのでこれってわりと珍しくない話。少し離れてるにせよ、親だって頼ることもできる。
なんだろう、実話なので改変できないと思うが、改変できないがゆえに話が非常に凡庸であります。なんでこの話を実話にしようと思ったのか?テーマはありきたりだし謎です。
ちなみにマットの友人役はリル・レル・ハウリーという役者で『ゲット・アウト』でも主人公の友人役をやってます。
一人の男として、父親としての葛藤は描かれていた。
親友がマットをクラブに連れていくが、マットは以前と違い楽しめない。片親なら尚そうだろう。
子供のことがちらついてそれどころではなくなるからだ。
子供が学校で怪我した時もすぐに駆け付けられない自分にもどかしさを感じる。だって、彼女と寝てたから。
だけど、マットも一人の人間であり、男としての青春を送ってもバチは当たらない。
その辺の、「自分は果たして幸せになっていいのだろうか?」という葛藤はリアルに描かれていたように思えます。
最後はマットが昇進するんだけど。マットが仕事ができる描写ってあった?
「君にはその価値がある。」
え?その答えは?
結果的にマットは仕事よりも娘を選ぶ。
わかるけど、仕事ほったらかして大丈夫?
悪い作品ではありません。触接的な性の描写はないので家族でも観れる映画だと思います。
ただし、ずいぶんと優等生な作品で、なおかつ色んな作品の焼き回しと言った感じで新しい要素は皆無に等しい。
絶対泣くだろうなと思ってみたら、肩透かしを食らった感じでした。
評価・受賞歴
本作は派手な賞レースとは距離を取りつつも、実話ベースの誠実な描写が評価された作品。
- Rotten Tomatoes:支持率 約67%
- Metacritic:スコア 53/100
特筆すべきは、コメディ俳優として知られるケヴィン・ハートの評価の変化だ。過剰な演出を排し、感情を抑え込んだ演技は「これまでで最も静かな代表作」と評されることが多い。
また、コロナ禍により劇場公開からNetflix配信へ切り替えられた点も、この作品の立ち位置を象徴している。大きな喝采よりも、観た人の生活に静かに染み込むタイプの映画として、長く再評価され続けている一本だ。







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