映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』考察|冤罪はこうして作られる。

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映画「でっちあげ」を象徴する疑念と対話の余白を描いた劇画タッチイラスト サスペンス

果たしてこれを観て教師になりたい人はいるのだろうか?

三池崇史監督と綾野剛主演で話題になった映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』。

歪められた真実によって殺人者とされてしまった教師の話でなんと実話。

本記事ではネタバレ感想を述べていきます。

基本情報

作品名:でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男

公開:2025年(日本)

監督:三池崇史

脚本:森ハヤシ

原作:福田ますみ

ジャンル:社会派ドラマ/サスペンス

上映時間:129分

製作国:日本

◆ 主なキャスト

綾野剛:数下誠一

柴咲コウ:氷室律子

亀梨和也:鳴海三千彦

木村文乃

光石研

北村一輝

小林薫

小澤征悦

高嶋政宏 ほか




あらすじ

2003年、小学校教師の数下誠一は、ある日突然「児童への体罰」を理由に生徒の母親から告発される。

その内容は次第に誇張され、週刊誌記者による実名報道をきっかけに「殺人教師」というセンセーショナルなレッテルが貼られていく。

学校側は事態の沈静化を優先し、数下を守るどころか切り捨てる判断を下す。

世論は一気に敵意を向け、真偽が曖昧なまま数下は社会的に追い詰められていく。




いい意味でも悪い意味でも三池崇史作品

三池崇史監督作品ということで綾野剛とは『クローズZERO』以来のコンビ。

三池崇史監督作品って勝手な偏見かもしれないけど、しっかり作り込まずにノリと勢いで作って数を量産するイメージ。

勢いさえあれば結構辻褄が合ってなくてもいいっていう監督さんなのかなって過去の作品を観てて思ってまして、本作もまさにそれ。

いきなりオチから話しますが、柴咲コウはなぜ綾野剛をはめたのかの説明が皆無です。これって本当に彼女は虐待されたと信じてたということでしょうか?

では子供は?真実を知っているはずの子供の心理描写が一切描かれていません。

だから非常にモヤモヤする。

知ってて母親に嘘ついたなら一番の根源はこの子供な気がします。それならそうともっと深掘りしてもよかったのでは?




真実とは?

柴咲コウの証言のパートは綾野剛の酷い虐待教師っぷり。子供を持つ親が観たら確実に胸糞悪い映像がひたすら流れてきます。ちょっと自分も綾野剛に殺意が湧きました。

そしてついに訴えられ証言台に立つ綾野剛が衝撃の一言を放つ。

「ここに書かれてることに真実は一つもありません」

そこでタイトルを思い返す。

そうか、でっちあげか。ということでここからカラクリが明らかになるわけです。

本作は人の視点によって事実が異なって見えるというまぁまぁ使い古された手法をとっています。

ていうか教師の体罰のこのパターンって是枝監督の『怪物』じゃん。まんまんじゃん。

古くは黒澤明監督の『羅生門』でしょうか。

本作はどうやら実話みたいでして、なによりもその事実が一番怖い。

ちゃんと現場を見てないで決めつけ思い込む。この辺りの怖さは『それでも僕はやってない』という冤罪の話にも通ずるのかな。

人は憶測でものを話したりします。全然事実と違うのにあたかもそれが真実の如く。噂話だって勝手に雪だるま式に大きくなっていったり。

あ、僕も勝手に電通とか言われたりしたなぁ。笑

だから根拠がない人の噂話は話半分でいつも、聞くようにしてます。




噂話は話半分で聞くべし

柴咲コウの訴えは周りの人間を巻き込み500人以上の署名が集まるまでに。

もし自分が署名を求められたら?自分の娘や息子の同級生の親からこんなことがあって署名してほしいと言われたらどうするだろう。

人伝えに聞いた話でサインしてもいいのだろうか。もしかしたら事実無根の冤罪だったら?

だけどもしそれが事実だった場合ははやりやりきれない。

本作の難しいのは憶測で判断せざるを得ない状況、そしてその判断が人の人生を狂わせてしまう恐怖が作品の芯だと感じました。

そうなると綾野剛もやってもないことを絶対に謝っちゃいけなかったね。一度でも認めてしまえばそのあと不利になってしまうので一貫して否認することは大事ですね。




教師ってリスクしかない

先ほど語ったように子供の戦略なのかは不明確のままだが、では先生はどうすればよかったんでしょうね。こうなったら学校に監視カメラ設置するほかないだろ。

もはや教師が教師らしく働くことができない時代ですな。

モンスターペアレンツガチャに当たった教師の物語だけど、もはやこんなの見たら学校の先生になりたい人なんているのかな?リスクしかない職業じゃないですか。

結果的に綾野剛は無罪が認められたわけだけど、10年後に「体罰はなかった」と認められただけ。それは謝罪ではなく、ただの「訂正」。

なんだろうなぁ、この10年で綾野剛が失ったものを考えるとやりきれないですね。きっと周りの人とかも離れていっただろうし。

校長先生しかり、記者の亀梨しかり、己の保身や手柄のせいで一人の人間の人生をこんな風にしてしまうことの恐怖が実によく描かれていました。

本作を観てせめて自分だけは変な人の噂に加担しないようにしようと思った次第であります。




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