2016年に公開された実写化の『ジャンル・ブック』。
子供に付き合わされて観ることになったが、色々と思うことがあったので、
本記事ではネタバレ全開で感想考察レビューしていきます。
基本情報
- 作品名:ジャングル・ブック
- 原題:The Jungle Book
- 公開年:2016年
- 監督:ジョン・ファヴロー
- 脚本:ジャスティン・マークス
- 原作:ラドヤード・キップリング「ジャングル・ブック」
- 上映時間:約106分
- 製作国:アメリカ
- ジャンル:アドベンチャー/ファンタジー
あらすじ

インドのジャングルで、狼に育てられた人間の少年モーグリ。
彼は動物たちと共存しながら成長してきたが、人間を憎む虎シア・カーンの脅威により、ジャングルを離れる決断を迫られる。
旅の途中で出会うのは、厳格な黒豹バギーラ、自由奔放な熊バルー、そしてジャングルの掟を司る様々な動物たち。
モーグリは「人間であること」と「自然の一部であること」の狭間で揺れながら、自分がどこに属すべき存在なのかを見つめ直していく。
原作のアニメ映画が公開されたのは1967年。
それから49年後、2016年に公開された実写版『ジャングル・ブック』は、最新のVFX技術を全面に押し出したリメイク作品として登場した。
物語の骨格は変わらない。
人間の子供モーグリは、虎シア・カーンの脅威によって群れに居場所を失い、人間の世界へ戻ることを迫られる。ジャングルで育った存在でありながら、人間であるというだけで異物として扱われる。その葛藤こそが本作の軸。のはず。
原作は未視聴なのですが、まぁディズニーということでご都合主義も多めに見ましょう(キリがないから)。
しかし狼に育てられた設定なのに妙に子供はひょろひょろ。
飯何食べてるのかな?
火を使えないから肉とかも生肉だよね?あ、また突っ込んでしまった。
まぁファンタジーなのでツッコミ出したらキリがないか。
本作で声優を担当しているビル・マーレーとスカーレット・ヨハンソンが『ロスト・イン・トランスレーション』以来の共演なのも嬉しい。
実写化なのか、CG化なのか
内容的にも子供が理解しやすいもので、適度にハラハラもあり、子供向けの映画としてはそんなに悪くはない。
悪くはないけど、格別良くもないのが正直な印象。
『リロ&スティッチ』でも思ったことだけど、実写と言いながらほぼCGやないか。
リアルな毛並み、重厚な質感、自然な動き。技術的には確かにすごい。
しかしそれを実写と呼んでしまっていいのか、という疑問がずっと頭から離れない。演じている子供だけが実写で、周囲の世界はほぼデジタル。
これは実写映画というより、「超高精細なフルCG作品」に実写の人間を合成したものに近い。だからなんだかすごく気持ち悪いんです。
この違和感は、物語の説得力にも影響している。
狼に育てられた設定のモーグリは、どうにも動きが鈍い。
走り方、木の登り方、身のこなし。どれもジャングルで生きてきた存在には見えない。
現実的に考えれば当然なのだが、それならなおさら、実写である必要はあったのかと思ってしまう。
虎は果たして悪か?
虎だけが謎に悪者になってましたが、彼は彼で「人間は脅威」という真理を理解してましたね。
そうです、人間は動物の中で最も脅威なのです。
自分たちの都合で自然も奪うし、食糧は乱獲するし、都合よく生態系を変えてしまう存在。
さらに傷までつけられたら(モーグリの親父)人間を憎むのも理解できるし、もともと動物の世界って弱肉強食だからモーグリを襲うのも「本能」ということで理解できす。
まぁ、ファンタジーにツッコミいれるの野暮だけど、虎だけが悪者にされるのはちょっとどうなんだろう?
挙げ句の果てに虎一匹に対して大勢で挑まれてだいぶ可哀想。結果的に逆に一匹の虎が集団で排除される構図は、どこか物悲しさすら残す。
まぁ子供向けなので勧善懲悪に振り切ったのですね。
モーグリは人間として生きるか動物として生きるか
結果的に人間のやり方(道具)で虎を火の海の中にぶち落とすモーグリだが、彼は人間なのか、動物なのか非常に中途半端な描かれ方です。モーグリ自身の立ち位置も中途半端だ。
彼は人間なのか、動物なのか。
物語はその問いを投げかけるが、深く掘り下げ切らないまま終わってしまう。
だからモーグリがジャングル側でいたいのか、人間側になるのか葛藤のシーンとかあるともっと話に深みが増していたと思う。
ラストは自分の故郷、「自分の居場所はジャングル」ということでジャングルに残るわけだけど、どうやらアニメ版では女の子に恋をしてさっさと人間の村に行くらしい。
どっちがいいのかね。
まぁどっちでもいいか。
実写とCGの境界が曖昧なまま、テーマも中途半端。
技術的には一流だが、思想や物語は安全圏に収まってしまった。『ジャングル・ブック(2016)』は、悪くはないが、強く心に残る作品でもない。そんな評価に落ち着いてしまう一本だった。
評価・受賞歴
- アカデミー賞 視覚効果賞 受賞
- 英国アカデミー賞(BAFTA)視覚効果賞 受賞
- 世界興行収入:約9億6,600万ドル
- 実写×フルCG背景という手法が高く評価され、「ディズニー実写化の成功例」として語り継がれる一本
批評面では、
「物語の普遍性」「圧倒的な映像完成度」「少年の成長譚としての誠実さ」が評価され、
単なるリメイクに留まらない“技術と物語の融合”作品として高い支持を得た。








コメント