2017年に公開された映画『サバイバルファミリー』。
本記事ではネタバレ全開で感想考察レビューしていきます。
基本情報
- 作品名:サバイバルファミリー
- 公開年:2017年
- 監督・脚本:矢口史靖
- 音楽:野村卓史
- ジャンル:サバイバル/コメディ/ヒューマンドラマ
- 上映時間:117分
- 製作国:日本
- 主なキャスト:
- 小日向文世
- 深津絵里
- 泉澤祐希
- 葵わかな
あらすじ

ある日突然、日本全国で電気が消える。
停電ではない。復旧の目処もない「完全な電気消滅」だ。
ガスも水道も止まり、自動車もスマホも使えない。
現代日本という前提が、音を立てて崩れていく。
東京に暮らす鈴木一家も例外ではない。
父・義之は冴えないサラリーマン。
母・光恵は家族をまとめるが、決して万能ではない。
子どもたちは文明が消えた世界に適応できず、戸惑う。
「西日本では電気が生きているらしい」
そんな噂を頼りに、一家は鹿児島を目指す。
飛行機も電車もない。
選んだ移動手段は、自転車だった。
小日向さんが光った(頭じゃなく)映画
名脇役役者である小日向さんが主役ってかなり珍しい作品。
要は「もしも世界中で突然電気か使えなくなったら」というもしもシリーズであり、一つの家族を軸にしたサバイバルコメディ。
どうせならコメディタッチにしないで大真面目にエグくやればいいのにと思ったが、ラストの小日向さんが助かるというご都合主義的な展開もコメディタッチなら仕方ないかとなんだか納得してしまった。
すぐに大声出してキレる小日向さん、天然の深津絵里、童貞臭満載の長男、文句ばっかの次女。
ここに大きな出来事が起きて家族のそれぞれの心情が変わってくるというお決まりのパターンなわけだけども、
もうしょっぱなからこの家族をみてるとなんだかイラついてくる。
森田芳光監督の『家族ゲーム』の家族を観ている感覚に似ている。
ある日目を覚ますと一切の電気が使えない状況に。街からはどんどん食料や水が消えていく。
「時間が経てばなんとかなるだろう」と楽観的でいたが、一週間経っても状況は変わらず。
ついに小日向さんは鹿児島の親の元へ一家でチャリンコで向かう決心をする。
おそらく街がそのような状態になれば暴動、暴力なんかが蔓延るんだろうけどこの映画ではその辺の描写はあまり描いていない。なるべく重くならずに、あくまで家族の心情にスポットを当てたいのだろう。
あと政府は何をしてるのか?完全に無政府状態なんだけどこれは一体…
鹿児島へ向かう道中で様々な出来事や出会いなんかがあって家族がだんだんと変わっていく。
ただのヒューマンに留まらず、サバイバルでどう生き抜くかの知恵やヒントなんかもふんだんに盛り込まれており多々関心するシーンも。
あざとい演出
本作、伏線回収はしっかりされているけど少しあざといし説教臭く感じてしまいました。
冒頭の深津絵里が魚を捌けないシーンなんかはラストには捌けるようになる布石だろうし、スマホや付けまつ毛、カツラの寄りのシーンもなんとなく「本来はそんなもの必要ないでしょ?」という監督のおつしけがましさがなんだか鼻についてしまった。
飲み水がなくて小日向さんが家族の前で得意げに川の水を飲むシーンも「ほら、こんなに綺麗じゃないか」って完全に後で腹を壊す布石じゃないか。案の定そのあと腹を壊すシーン。
言いたい事はわかるし子供なんかにはわかりやすいんだろうけど正直ダルいシーンの連続。
突っ込みどこが多い
小日向さんは川で行き止まりなのにわざわざ危険を冒してまで進もうとするのはなぜ?「決めたことを曲げたくない」という性格を表しているんだろうけど、無理があるし観ていてしんどい。
結果、自身が川に流される始末。
娘もせっかくあんだけ苦労して豚の燻製を作ったのにずいぶんあっさり犬にあげちゃうんだ。
と思ったらその後に腹をすかせた犬に深津絵里が襲われ坂から落ちて足が曲がってしまったり。もう何なんだよ。
蒸気機関車もなぜあんなにすぐに止まれる?
突っ込み映画かと思うくらい突っ込みどころが多い。
なんとか一家は鹿児島に到着し家族はそこで祖父たちと生活することに。
しかしその2年半後に突然電気が復旧する。
世界的に電気が使えなかったこの現象は太陽フレアの可能性があるが結局は「原因不明」とのこと。もうなんなんだよ。
けどあくまでこういう事態になったら…という体の映画なのでそこを突いても仕方ないか。
アメリカ映画の『ブラインドネス』だって、「なぜ世界中の人が突然目が見えなくなったのか」の説明とかなかったし。
まとめ
不満ばかり言ったが限られた予算の中で頑張ったと思うし実際に高速道路を使った撮影はお見事。セットやCGを一切使わないオールロケーション撮影だったそうで大変だっただろうな。
感心したのが冒頭の黒板を写メるシーン。今時の子たちって黒板は写メで撮るのが常識なのかな?ノートに書くってことはしないのか…カルチャーショック。
あとは途中家族全員でご飯を食べるシーンなんかはリアルで本当に美味しそうに思えたし小日向さんが風呂に入るシーンも気持ちいいのが伝わってきた。
かなり身体を張った撮影だっただろうし映画の意図は明確なのでわかりやすさはある。
さすがにライフライン全て使えないということはないだろうが考えるきっかけにはなると思うのでこの映画の価値はそこにあると思う。
家族で観るにはいいのかも。
評価・受賞歴
- 第1回 マカオ国際映画祭
コンペティション部門 正式出品
※興行的・批評的に「傑作」とは言い切れないが、公開後にじわじわ再評価されるタイプの一本。
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