【映画】天使がくれた時間|ニコラス・ケイジが問いかける「もしも、あの時あの選択をしていたら」【考察・ネタバレ感想】

スポンサーリンク
スポンサーリンク
映画「天使がくれた時間」をイメージした、雪降る夜のカフェで向き合い語り合う男女のイラスト。温かなライトに照らされ、静かに人生を見つめ直す雰囲気が描かれている アメリカ映画

クリスマス映画というと、ラブコメやファミリー向けが主流だけれど、2000年公開の映画「天使がくれた時間」は、そのどれとも違う温度感を持った作品だ。

主人公ジャックの人生が「ひっくり返る一晩」を描きながら、観る側の胸に静かに問いかけてくる。

「もしもあの時、別の選択をしていたら──あなたの人生はどう変わっていたと思いますか?」

ニコラス・ケイジが主演した作品の中でも、本作は特に感情の演技に重きを置いた珍しい一本。

派手なアクションもなく、爆発もしない。それなのに気がつけば心をグッと掴まれている。

本稿ではネタバレ全開で感想を述べていきます。

基本情報

  • 作品名:天使がくれた時間(原題:The Family Man)
  • 公開:2000年(アメリカ)
  • 監督:ブレット・ラトナー
  • 脚本:デヴィッド・ダイアモンド、デヴィッド・ワイスマン
  • 音楽:ダニー・エルフマン
  • ジャンル:ファンタジー/ロマンス/ドラマ
  • 上映時間:125分
  • 製作国:アメリカ

◆ 主なキャスト

  • ニコラス・ケイジ:ジャック・キャンベル(主人公/独身のウォール街エリート)
  • ティア・レオーニ:ケイト(ジャックがかつて愛した女性)
  • ドン・チードル:キャッシュ(“天使”のような存在)
  • ジェレミー・ピヴェン:アニーの夫
    ほか

あらすじ

映画「天使がくれた時間」をイメージした、雪降る夜のカフェで向き合い語り合う男女のイラスト。温かなライトに照らされ、静かに人生を見つめ直す雰囲気が描かれている

ウォール街で成功を収め、金・地位・自由すべてを手にした独身男 ジャック(ニコラス・ケイジ)。

あるクリスマス・イブの夜、コンビニでキャッシュ(ドン・チードル)という不思議な男と出会ったことをきっかけに、彼の人生は一変する。

翌朝目覚めると——

自分は独身エリートではなく、かつて別れた恋人ケイトと結婚し、二児の父になっていた。

豪邸も高級車も消え、郊外の小さな家で家族と暮らす「もう一つの人生」が突然スタート。

最初こそ混乱するジャックだが、ケイトの愛、子どもたちの存在、仕事仲間との素朴な関係に触れるうち、

“本当の幸せとは何か” を深く見つめ直していく。

センスのないタイトルで損をしている映画

これ25年も前の映画なんだ。

昔から存在は知っていたけどなかなか手を出せずにいた理由は邦題のセンスのなさだ

「天使がくれた時間」っていかにも過ぎるではないか。

あらすじを読めば内容もわかってしまう様な映画なのでさらにこの邦題は観る者を遠ざけるのに一役買ってしまっている。

原題は「THE FAMILY MAN」。

うーん、多少なりともまだこちらの方が。いや、この原題もセンスねぇな。

さて、いま触れた様にこの映画、あらすじでほぼ内容がわかってしまう。

いわゆる「もしもシリーズ」である。

ある日目覚めると昔振った彼女と結婚しており子供までいるもう一人の自分になっている。

公開当時なら斬新だったかもしれないが、現代ではもう何度もこすられまくった手法である。

最初は裕福ではない暮らしに不満を募らせるが次第に妻や子供の存在の有難さを知るという超王道ストーリーである。

いま見ると若干古い「結婚観」

とは言えニコラスケイジの演技がなかなか良くて最後までダラダラと観れてしまう。

髪の毛振り乱してただ爆発しながら走ってるだけの「コン・エアー」とは大違いだ。本作ではちゃんと演技してます。

冒頭の全裸のハイテンションなんかも振り切ってます。「ガキの使いやあらへんで」のザ・ハイテンションベスト10に出てもらいたいくらいだ。

ていうか独身のニコラスケイジも凄い楽しそうじゃないか。仕事はめちゃ順調な上セフレもいるし。

「結婚」という選択肢を取らなかった者も結局はそれはそれで幸せなんでしょう。ないものねだりに思える。

「家族の大切さ」は勿論わかるんだけどこの映画、何か少し古い結婚観に縛られてるように思えてならない。

これが今の時代なら「独身でもいいじゃないか」みたいな逆の作品にもなっていたかもね。

頭のおかしい男

さて、気になる点と言えばキーマンとなる黒人。この黒人が別世界の案内人的な立ち位置なんだけど最後までコイツが何なのか明かされません。だから唯一モヤモヤが残るとしたらこの黒人です。

それに元の世界に戻ったニコラスケイジが元カノに会いに行くシーン。

女からしたら昔の男がわざわざ空港まで追っかけてきて存在しない子供の名前なんか言い出すあたりかなり気持ち悪いと思うんだけど。

絶対普通なら頭のイカれたやつだと思われるよね。

まぁあくまでこれは映画だから綺麗に終わろうとしたんだろうけど、例えば最後にはお互い別々の道を歩む「ラ・ラ・ランド」みたいなラストに惹かれてしまう私としては、どうしても余韻の物足りなさを感じてしまう。

独身時代に観ればありがちな結婚観に嫌気がさしていたであろうが、妻子持ちのいま観るとなんだかんだわかるよ。みたいな。

人って観る環境・状況によって映画の印象ってガラッとかわるんだなと改めて思いました。

とは言え、いろいろ言いましたがファミリーで安心して観れるクリスマス映画じゃないでしょうか。

受賞

  • サターン賞(アカデミー賞のジャンル部門)
     ・最優秀ファンタジー映画賞:ノミネート
     ・最優秀男優賞(ニコラス・ケイジ):ノミネート
     ・最優秀女優賞(ティア・レオーニ):ノミネート

※本作は受賞無し、すべてノミネート止まり。

家族で観て楽しめる映画3選

コメント

タイトルとURLをコピーしました