『スタンド・バイ・ミー』や『恋人たちの予感』など、ロブ・ライナー監督の映画はどれも人を信じる物語だ。
『最高の人生のはじめ方』も例外ではなく、「人間は誰かとの出会いでいくらでも変われる」という希望を優しく描いている。
さてそんな本作をネタバレ全開で考察していきます。
基本情報
- 作品名:最高の人生のはじめ方(原題:The Magic of Belle Isle)
- 公開年:2012年(アメリカ)
- 監督:ロブ・ライナー(『スタンド・バイ・ミー』『恋人たちの予感』『ミザリー』など)
- 脚本:ガイ・トーマス、ロブ・ライナー
- 製作国:アメリカ
- ジャンル:ヒューマンドラマ/ロマンス
- 上映時間:109分
- 出演:
- モーガン・フリーマン(モンテ・ワイルドホーン役)
- ヴァージニア・マドセン(シャーロット・オニール役)
- マデリン・キャロル(ウィロウ・オニール役)
- エマ・フールマン(フィン・オニール役)
- ニコ・グウィアド(フロリー・オニール役)
あらすじ

主人公のモンテ・ワイルドホーン(モーガン・フリーマン)は、かつて人気を誇った西部劇作家。
しかし妻を亡くして以来、創作意欲を完全に失い、アルコールに溺れる毎日を送っていた。
そんなある夏、彼は友人に誘われ、静かな湖畔の町「ベル・アイル」で一夏を過ごすことになる。
隣の家には、離婚して3人の娘と暮らす女性・シャーロット(ヴァージニア・マドセン)。
最初は人との関わりを拒んでいたモンテだが、シャーロット家の明るさや娘たちとの触れ合いを通して、
少しずつ心の氷が溶けていく。
特に長女ウィロウとの交流は深く、彼女に「想像する力の大切さ」を教えるうちに、
自分自身も再び“書くことの魔法”に引き戻されていく——。
邦題にセンスのなさを感じる。映画会社はこの映画を売る気はあるんだろうか?
別に何があるってわけでもないし格別凄い名作というわけでもない。
引用を読んでもらえるとわかると思うが超ありきたりなストーリーである。もうあらすじだけで内容の90%が理解できてしまう。
そういう意味でもこのあらすじの作り方もどうかと思うが、この映画の良さはむしろその王道な展開にこそあると考える。
おまけに邦画のタイトルが絶望的にセンスがない。
原題は「最高の」ってつかない。
そもそも全く別の映画で「最高の人生のつくり方」「最高の人生のみつけ方」ってあるのでかなり紛らわしい。
ボロクソ言いましたけど、結果から言ってそんなに悪くないです。
悪くないから余計にこのタイトルはもったいないと感じる。
全然知らない映画だと思ったら日本未公開作品でした。
タイトルの意味
原題の「The Magic of Belle Isle」は、直訳すると「ベルアイルの魔法」。
しかしここでの魔法とは、超常現象ではなく「人の優しさ」そのものを指している。
確かに「ベルアイルの魔法」じゃ観たい人いないか。
邦題の「最高の人生のはじめ方」は説明的過ぎるが、まさに人生のリスタートを描いた物語にはぴったりなのかも。
モーガン・フリーマンという偏屈だけど「人間の教科書」
妻が事故で死んで歩けなくなった作家のモーガン・フリーマンは絶妙な感じの偏屈具合。
一言一言のセリフにちょっとした毒っ気とユーモアのセンスを感じる。
でも「このオッさん、なんか嫌いじゃないな」と思わせたもの勝ちでダラダラと最後まで観れます。
隣のシングルマザーが目当てなオスな気持ちきっかけだけど自然な感じで子供達と打ち解ける。
「想像力は、目に見えない世界を描くための翼だ。」
この年代の子供にはちょっぴりワクワクさせるセリフ。
『ショーシャンクの空に』『ドライビング・ミス・デイジー』『最高の人生の見つけ方』…。
彼の出演作には、必ず「再生」や「赦し」がテーマとして流れている。
本作では派手なカタルシスも奇跡も起きない。
ただ、心を閉ざした老人が、他者の優しさに触れることで変わっていく。
その姿を、フリーマンは大げさな芝居ではなく静かな説得力で見せてくれる。
Netflixオリジナル作品のトム・ハンクス主演の「オットーという男」にテイストは似ている。
だけど長女がモーガン・フリーマンに心開いたきっかけはなんだろう?
なんだかその辺はふわっとしてたな。
まぁ、細かいことツッコむ映画でもないしいいか。
つっけんどんなモーガン・フリーマンの表情が子供達と接するうちにだんだんと愛しい我が子を見るような顔つきに変わっていく辺りなんて味が凄い。
もう味しかないよモーガン・フリーマン。
想像力こそ、人間の魔法
この映画が語っているのは、「想像力は生きる力」だということ。
長女ウィロウとの会話の中で、モンテは彼女に物語の作り方を教える。
「大切なのは、見えるものを描くことじゃない。見えないものを思い描くことだ。」
このやりとりが本作の心臓部だ。
誰もが年齢を重ねると現実的になり、夢を見ることを忘れてしまう。
しかし、想像することをやめた瞬間に、人は老いる。
この作品は、「想像することを取り戻す=人生を取り戻す」ことだと教えてくれる。
ロブ・ライナー監督の優しさが沁みる。余裕のある人向けの映画。
母親が子供に本を読んで聞かせるシーンで突然子供がクシャミをするんだけどあれは台本にないよね?
なんの脈略もないし。
多分母親の「お大事に」というセリフもアドリブなんじゃないかな。
そんな事を想像するとちょっとホッコリさせられるな。
しかしモーガン・フリーマンとシングルマザーは結ばれるのかな?
ラストは完全に答えは出さずにおわります。
無理やり二人の恋が成就する様な描きかたにしなかったのはいい選択だと思った。
最後のキスシーンはちょっと違和感があるけどあのくらいで止めとくのがいいかな。
全体的にベートーベンの音楽がとても優しくてピアノの旋律が耳に残る。
子供にも安心して見せられる暖かい空気感の映画です。
この映画を学生の頃に観ていたらどんな感想を持っただろう?
多分今ほど穏やかに観れなかったかもしれない。
映画って観る人の精神状態やその時の環境でその映画に抱く印象が変わってくるから面白い。
過激な映画や娯楽映画に飽きた人にはおススメです。
休日にコーヒーを飲みながらまったり過ごす感覚の映画なので余裕ない人が観てもイラつくだけかな。
まぁ余裕ない人はわざわざNetflix観ないか。



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