『学校の怪談2』考察|ノスタルジーとジュブナイルの融合!前田亜季の可愛さとのくろ首と野村宏伸のスクリーム顔!

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ホラー

木造校舎の廊下がやけに長く感じる夜——1996年公開の『学校の怪談2』は、平山秀幸×奥寺佐渡子コンビが“子どもの一夜のサバイバル”を本気で描いたジュブナイル・ホラーの傑作。花子さん/人面犬/ろくろ首といった学校怪談のアイコンを首なし校長事件(4月4日4時44分)と時計塔のミステリーに絡め、103分を一気に駆け抜けさせます。前作と世界観は共有しつつも物語は完全に別物。

ネタバレ全開で感想を述べていきます。

基本情報

  • 作品名:学校の怪談2(英題:Haunted School 2)  
  • 公開日:1996年7月20日  
  • 上映時間:103分  
  • 製作国/配給:日本/東宝  
  • 監督:平山秀幸  
  • 脚本:奥寺佐渡子  
  • 原作:常光 徹・日本民話の会「学校の怪談」  
  • 音楽:寺嶋民哉 撮影:柴崎幸三  
  • 主な出演:野村宏伸/西田尚美/岸田今日子/米倉斉加年/細山田隆人/前田亜季/竹中夏海/太田翔平/きたろう(人面犬)/神戸浩 ほか  




あらすじ

合宿で地方を訪れた子どもたちは、“4月4日4時44分に起きた首なし校長事件”という怪談を耳にする。やがて一行は時計塔のある小学校で不可思議な出来事に巻き込まれていく。花子さん、人面犬など“学校の怪談”おなじみの怪異が次々と現れる中、子どもたちは謎を解き、夜を生き延びられるのか――。




前作とは共通点があるが別物

1996年公開でもう30年前の作品。当時リアルタイムで映画館に観にいきました。

単発の怪談オムニバスではなく、子どもたちの一夜のサバイバルを通じた成長譚になっているのがシリーズの肝。それは前作の路線を世襲しつつキャラクターなどは前作からさらにブラッシュアップされたようにも思える。

前年公開された『学校の怪談』の夏も冷めやらぬままのパート2。毎年撮られてたんだ。この翌年が監督が代わってのパート3です。

前作からてっきり話が繋がってるかと思われたが全く別物の話となっている。

スタッフたちは前作はやったことない手探り状態だったら、本作は「とにかくおもいっきりふざけよう」と制作チームが一丸となっている。

公開されたのは夏だが設定自体は4月なので春。




本作の個性的なキャラクターたち

前田亜希は最近観ないが自分と同い年。この当時は随分と初々しい。

「木に登っちゃうぞ」とか意味不明発言連発だけど可愛いからいい。同世代の女子からは嫌われそうなキャラクターだけど。

真っピンクの稲葉杏子は当時でも携帯電話をもつボンボンの女の子。

竹中夏海は現在アイドルの振付師になって活躍されてます。心霊写真を送ることでわずか3万円の報酬をモチベーションとしてる子。

司の「3万円もらったら山分けしようぜ」とか可愛い会話してるな。

小田桐司(阿部大和)は田舎のガキ大将。悪そうなやつが実はいいやつ理論を真正面から体現したようなキャラ。

ボケた婆ちゃんを公園に置きっぱなしにして風邪を引かせたことをずっと悔やんでる。爺さんに対しては思い入れ0らしく、ラストも「ばあちゃん!ごめんな!」って、爺さんスルーなのは酷い。

「シャンプーくせぇ」とディスされていた加賀直弥(細山田隆人)はいけすかないキャラクターだけど実は情に厚い。「ベタベタされるの嫌い」とかぬかしつつお前大人になったらどうなん?

「学校でうんこなんてしないぜ?普通」というめちゃくちゃな偏見を持っており、最終的に司から「シャンプー」呼ばわりされる。

笛吹少年の三好憲(太田翔平)は何なんでしょう?彼が全ての元凶なのですが何故か喋らないでずっと笛でピーピーいってるだけ。だけどラストで喋れることが判明。「お前なんやねん」と総ツッコミ入れそうになる。もっとはやく喋ってれば事件解決できただろ。

それぞれのキャラクターは一作目よりもはるかに個性が立っていて記憶に残ります。




騒いでるだけの大人たち

基本的には子供たちの成長物語なので事件解決は子供たちです。

特に司の歳の離れたお姉さんである小田桐理香(西田尚美)はずっと騒いでるだけで何も子供達の助けにはなってません。そもそも学校にすら入ってません。

前作は先生役だった野村宏伸は本作では泥棒役として続投。当初は一作目の続きとして養子にいった後の設定だったらしいが、「それではつまらない」ということで真逆のキャラに振り切ったようです。画面いっぱいの絶叫シーンは相変わらず迫力があってインパクト絶大。

なぜか三好憲の笛の音は理解できるスペックの持ち主。あれだけの体験をしておきながらその後ものうのうと盗みを働くメンタルは尊敬に値する。

お化けたち

本作の舞台の学校もど田舎の木造校舎。これどこよ?

この木造の古びた学校、雰囲気抜群ですねぇ。いまはこういう学校ないよね?「学校の怪談」はやはりこの木造の校舎の存在が魅力なんです。前作の校舎もよかったけど本作も雰囲気抜群。

お化けはちょいとムラがありますね。

岸田京子のろくろ首はインパクトありますが、首切られてるのになぜろくろ首?

そしてあの野村さんへのキスは一体何だったんだ。笑

ろくろ首が自分の首を自分で操縦してるシーンはなんだかシュールです。

ラスボスの人形はどこかのアトラクションの人形みたいなチープさで怖さ半減してます。前作の方がまだ迫力はあった。

あの前田亜希が捕まってたカブトムシはなんだったんだ?登場するのは「怖い」とかじゃなくてもいいんだ。お金はかかってますけどね。

数年ぶりにみたけどトータル、ジェットコースタームービーで最後まで楽しめた。やはり奥寺さんの脚本は子供達のセリフがやたらとリアルでいいですね。




実はオーディオコメンタリーが面白い。

面白いのがDVD版のオーディオコメンタリー。

監督の平山さんと脚本家の奥寺さん、そして聞き手の佐藤利明さんがビックリするくらい噛み合ってない。

明らかにそこまで意図して作られてないのに佐藤さんの深読みに2人が全くついてきてない。

「あぁ、そういう見方もあるんですね」的な常に距離感と、そもそも作ったのが昔過ぎてあんま覚えない2人の感じ僕はニヤニヤしてしまった。

このあと3作目は監督が代わり、次は4作目を引き継ぐがまるで作風が変わるので僕の中の学校の怪談はこの2作目まで。

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