【感想】死ぬほど愛して|既視感の連続に辟易する理由【ネタバレあり】

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サスペンス

2025年3月27日よりABEMAで独占配信されていたドラマ『死ぬほど愛して』。

原作は『金田一少年の事件簿』などで知られる天樹征丸、主演は成宮寛貴と瀧本美織ということで、放送前から注目を集めていた本作。

しかし実際に全話視聴してみた率直な感想をひと言でいうならば、「既視感」で満たされた作品だった。

基本情報

タイトル:死ぬほど愛して

配信開始日:2025年3月27日(木)

配信プラットフォーム:ABEMA(独占配信)

話数:全8話

ジャンル:純愛サスペンス

原作:天樹征丸(『金田一少年の事件簿』など)

監督:城定秀夫(『性の劇薬』『女子高生に殺されたい』など)

主題歌:ENDRECHERI.(堂本剛)「super special love」 

あらすじ

エリートサラリーマンの神城真人(成宮寛貴)とその妻・澪(瀧本美織)は、幸せな結婚生活を送っていました。しかし、澪が夫の行動に違和感を覚え始めた矢先、女性記者が殺害される事件が発生。事件を追ううちに、澪は夫の裏の顔と向き合うことになります。愛と狂気が交錯する純愛サスペンスが展開されます。

愛と狂気の“純愛サスペンス”に期待したが…

作品のジャンルは「純愛サスペンス」。幸せな夫婦生活を送っていたエリートサラリーマン・神城真人(成宮寛貴)とその妻・澪(瀧本美織)が、女性記者の殺害事件をきっかけに夫の裏の顔に迫っていく…という展開なのだが、この筋書き自体がすでにどこかで見たことのあるような設定。

サスペンスとしての新鮮味が薄く、序盤から中盤にかけて登場する成宮の「喧嘩が強いサイコパス」というキャラ設定も、近年のサスペンス作品にありがちなテンプレートでしかない。

事件の裏に隠された「秘密」も整形・なりすまし・青木ヶ原といった、少し前のドラマで使い古された要素ばかりが目立ち、展開が予測できてしまうのだ。

キャラクター造形がとにかく薄い

視聴中、何よりも気になったのはキャラクターたちのリアリティのなさだ。

瀧本さん演じるこの女の人が自分としてはかなり苦手なタイプでたかだか男にフラらただけで自殺しようとするメンヘラ気質。

しかもいまどき崖から飛び降りようとする発想は…

もっと痛くない方法あるでしょう。

共感しづらく、感情移入するというより「なぜそんな行動に出る?」という疑問ばかりが浮かぶ。

そして成宮寛貴演じる真人。彼の「狂気的な表情」や「無慈悲な暴力」が、あまりに芝居がかっていて白けてしまう。

カラオケシーンなどは、歌の下手さも含めて、ストーリー通して一番の狂気だった。

成宮の犯人像もありきたり。何か新しいことあったかな?既視感満載の喧嘩が強いサイコパスキャラ。

大の男が3人かがりで成宮に殺される。なんかリアリティないんだよなぁ。

全編を通して演出のダサさが物語の足を引っ張る

全体通して演出がダサい。ひと昔前の演出で恥ずかしくなってくる。

特に目立つのが演出面での古臭さ。例を挙げればキリがないが、リンゴを食べながらの性行為や、洞窟に自ら入り込んで死体と対峙するなど、「なぜそこでそうする?」と思わせるような非現実的で唐突なシーンが連続する。

終盤のカーチェイスや洞窟の死体になりすますくだりも、視聴者の想像を超えてこない。「ああ、やっぱりこうなるよね」という既視感の連続。正直、驚きも感動もない。サスペンスとして致命的だ。

「俺が一緒に死んでくれるったら死んでくれる?」

「真斗が一緒なら」

しんどい。

勝手にやれよ。

「チーコ、ごめんね」

追われてるのにそんないま鳥に謝ってる場合じゃねえだろ。

退屈過ぎる結末

最終話の青木ヶ原の樹海のシーンも非常に退屈だった。

青木ヶ原の樹海ではぐれたら見つかるわけねぇだろと言うツッコミは置いといて、ずっとつまらない鬼ごっこを見せられる。

お互いいくらでもトドメをさせる場面あったでしょ。奥さんも一回刺して終わりなのなぜ?正当防衛なら何度も刺しなさいよ。しかも映画「シャイニング」を彷彿とさせるクラシックな演出にもはや苦笑い。

洞窟の死体を見て悲鳴をあげる奥さんもかなり鈍臭くてイライラさせてくれる。

おまけにカーチェイス…やれやれ…

この最終回が一番つまらなかった。

見せ場を盛り込み過ぎて壮大にスベってしまう、ドラマとしては致命的なラストだった。

総評

1話目から抱いた印象は大きく変わることなく、日本のドラマのチープさが目立った。

成宮ファンなら観てもいいけどそれ以外の映画とか観込んでる人には退屈そのものな作品でした。

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