映画『怪物』は、2023年に公開された日本映画。監督は是枝裕和、脚本は坂元裕二が担当し、安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太らが出演している。
本作は第76回カンヌ国際映画祭に出品され、脚本賞を受賞。是枝裕和監督と坂元裕二が初めてタッグを組んだ作品としても注目を集めた。本記事では本作のネタバレ全開で感想・考察をお届けします。
基本情報
基本情報
作品名:怪物
公開年:2023年
監督:是枝裕和
脚本:坂元裕二
音楽:坂本龍一
ジャンル:ヒューマンドラマ/ミステリー
上映時間:126分
製作国:日本
主なキャスト:
• 安藤サクラ
• 永山瑛太
• 黒川想矢
• 柊木陽太
あらすじ

湖のある町で起きた雑居ビル火災をきっかけに、物語は静かに動き出す。シングルマザーの沙織は、息子・湊の不可解な言動に違和感を覚え、学校へ疑念を抱く。一方、担任教師の保利は、保護者や学校側からの圧力の中で追い詰められていく。
物語は「母」「教師」「子ども」という三つの視点で同じ出来事を描き直し、その度に真実の輪郭が変化していく。誰かの正義は、別の誰かにとっての暴力になりうる。
視点が反転するごとに浮かび上がるのは、善悪では割り切れない人間の弱さと孤独、そして「怪物」とは何かという根源的な問いだった。
タイトル「怪物」の意味
順を追って考察していこう。
最初のシングルマザーの沙織のパート。
自分の子供が学校で何か被害に遭ってるかもしれない。
この子もいきなり突然車から飛び出るし、なんなのよ。
と思ったらどうやら先生からイジメに遭っていたようだ。
母親の安藤サクラは学校側に問い詰める。校長先生の「接触があったというのは確認しております」といういかにもコントのような対応。
もしも話し合いでは解決できないとふんだ場合、子供が怪我したなら病院で診断してもらい、被害届を警察に提出しましょう。
捜査が始まります。
それは子供同士の場合も含めて。
はい、それは置いといて、
40分ほどこのパートがあって次は問題の保利先生のパート。
なるほど、「ガールズバー」は生徒が勝手に言ったものだったのか。
そして先ほどの沙織のパートは沙織の主観が入ったパート。
つまりあの学校側のコントのような対応は沙織の主観ということだ。
そしてあれ?保科先生ずいぶんといい人そうじゃないか。
はい、勘のいい人はここでこの映画のカラクリがなんとなく想像できるだろう。
それぞれの人の視点で物事はまるで変わってくるというのがコンセプト。果たして保科先生は謝罪時に飴玉をなめていたのだろうか?
一部しか見てないで、人の噂で、それらをまるで全ての真実だと判断してしまうことの怖さ。
そう、この怪物というタイトルは人間誰しもにある闇の部分を表している。
「孫を轢いたの校長先生って噂ある」。噂ほど信用できないものはないんだよね。
けど結果的に校長が殺しちゃったんですね。
またもや同性愛
最後の子供のパートで全貌が明らかになる湊と同級生の二人が同性愛だという真実。
しかしまた同性愛…
また同性愛かぁ。是枝さんもの作品も。
正直Netflixで観る作品観る作品どれも同性愛がテーマなのはたまたまなのか?
確かに「人に言えない」からというシチュエーションを作るには手っ取り早いけどちょっと「またか」と思うほどこのテーマが渋滞し過ぎる昨今のエンタメ事情に辟易。
豚の脳を持った人間は人間の意味
本作は親、教師、子供のそれぞれの視点で一つの出来事を描くことで正義と悪が反転する仕組み。
冒頭で安藤サクラの子供が「豚の脳を移植した人間は人間?」という台詞があるが、まさに「どの目線でみるか」によってガラッと捉え方が変わってしまうというメタファーでもある。
豚の脳を持ったら人間なのか?豚なのか?
自分は男なのか、女なのか?
保科先生がやたらと「男らしく」という言葉を使っていたのが気になっていたが、なるほどそれも伏線になっていたのか。
怪物が実際に出てくるホラーものではなく、人間の心に潜む闇を描いた作品である。
それぞれの登場人物の視点で観ていくと実際の事実がガラッと変わる構成は黒澤明の『羅生門』にも通ずる設計だ。
もちろん、自分も息子や娘がひどい目にあったら冷静に事態をみれないもんな。
同性愛以外は非常によくできた作品だと思います。
受賞歴
• 第76回カンヌ国際映画祭 脚本賞(坂元裕二)受賞
• クィア・パルム賞 受賞
• 各国映画祭・批評家賞に多数ノミネート





コメント