余命3か月の父・雅彦と、3か月後に結婚を控える娘・瞳。
カンテレ×フジの連ドラ『春になったら』は、この“同じカウントダウンを別方向に進む”ふたりが、限られた時間をどう埋め、どう手放していくかを描くヒューマンドラマ。さて、涙腺崩壊させられたこのドラマをネタバレ全開で読み解いていきます。
基本情報
原題:春になったら
放送年:2024年(カンテレ・フジテレビ系放送/Netflix配信)
話数:全11話(各約45〜54分)
演出:松本佳奈、穐山茉由 ほか
脚本:福田靖
出演:
- 奈緒(椎名瞳〈3ヶ月後に結婚する娘〉役)
- 木梨憲武(椎名雅彦〈余命3ヶ月の父〉役)
- 濱田岳(川上一馬〈瞳の婚約者〉役)
- 深澤辰哉(岸圭吾〈瞳の同僚医師〉役)
- 見上愛(大里美奈子〈瞳の親友〉役)
- 西垣匠(黒沢健〈瞳の元同僚〉役)
- 影山優佳(斉藤愛里〈瞳の後輩〉役)
- 光石研(阿波野弘〈雅彦の先輩実演販売士〉役)
- 小林聡美(杉村節子〈瞳の上司・看護師長〉役)
ジャンル:ヒューマンドラマ/家族ドラマ
配給・放送/配信:関西テレビ・フジテレビ系(月曜22時枠)→放送後Netflix配信
あらすじ

「3か月後に結婚する娘」と「3か月後に死ぬ父」。限られた時間を前に、父は“死ぬまでにやりたいことリスト”を消化し、娘は結婚と看取りの間で揺れる。家族・友人・恋人、それぞれの“誰かを想う優しさ”が絡み合い、別れへ向かうプロセスを丁寧に描く涙腺直撃の物語。
人が死にゆく物語だけど「どこかポップ」
Netflixで「春になったら」を観た。
余命3ヶ月の父親と、3ヶ月後に結婚する娘の話だ。
確か昔、結婚式挙行当日の朝、父が急死してしまうという「お日柄もよくご愁傷さま」という映画があったけどテイストが近いドラマがこちら。
とは言え、余命3ヶ月という限られた時間の中でどう最後まで人生を全うして生きていくかがテーマ。
いやいや、人はそんなに簡単に割り切れるものじゃない。死ぬまでリストを作って一個一個潰したとしても最後の最後にはやっぱり「死にたくない」というのが人間というもの。
明るくも濃厚な人間味をしっかりと表現してくれた木梨憲武さんには本当に泣かされた。
というより1話目からずっと泣きっぱなし。
これは子供達に散々観させられた「ファインディングニモ」の吹き替えで木梨憲武さんの声がめちゃめちゃ刷り込まれてるのもあるのか。
泣けるが、彼の明るい姿が膵臓癌なのに湿っぽくなっておらず、どこか前向きにさせられるのも本作の魅力。
悪人0の物語
物語は11エピソードあって娘の結婚話と並行して死ぬまでにやりたいリストを一つづつ消化していく事で進行していく。
結婚に反対された娘は父親に反発するも、次第に病状を心配し、結婚どころではなく、父親のそばにいなくてはと結婚解消にまで至る。
次第に結婚相手を認め死後も娘を大事にしてほしいと願う父親、そして娘を好きな親友の男友達、その男を好きな友達。
と、相手を思う気持ちが痛烈なまでに真っ直ぐで、時には鈍感で、暖かい。
そう、ここに出てくるキャラクターに悪人はおらず、誰かのためを想って行動できる人間味のある人たちなのだ。それが観ていて凄く気分がいい。
まさに逆「アウトレイジ」状態なのだ。
前半の木梨憲武さんの声がやけにデカい。
すごく気になったんだけどこれは後半病状が悪化して声が小さくなる布石だったとは。
最終回の予告編。
完全に結婚式前に亡くなってる演出狙ってるでしょあれ。
憲武さん出てこないでみんな涙ぐんでるだけの予告編は確信犯でしょー。
だけどお亡くなりなってからの娘(瞳)の顔はとても穏やか。
父親が亡くなる前に散々感謝の気持ちを伝え、あの世に送り出す気持ちの整理がついてればこんなにも清々しい顔になれるんだ。
親がご健在の皆さん、絶対このドラマ観た方がいいです。親への向き合い方が少し変わるかもしれません。
最近みて号泣した「俺の家の話」と言い、Netflixが手放せない。
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