考察感想『未来への10カウント』|打切りの真相は?木村拓哉主演!王道だけど観てしまう学園スポーツドラマ

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人間ドラマ

木村拓哉主演のドラマ『未来への10カウント』(2022年・テレビ朝日系)は、ボクシングを通じて「もう一度、生きる意味」を見つける物語。スポーツ青春ものに見えて、実は喪失からの再生を描いたヒューマンドラマ。

本稿はネタバレ全開で感想を綴っていきます。

基本情報

  • タイトル:未来への10カウント
  • 放送枠:テレビ朝日系・木曜ドラマ(毎週木曜21:00)
  • 放送期間:2022年4月14日~6月9日(全9話)
  • ジャンル:学園スポーツ/ヒューマンドラマ
  • 脚本:福田靖(『HERO』『海猿』など)
  • 演出:河合勇人、星野和成
  • 音楽:林ゆうき
  • 主題歌:B’z「COMEBACK -愛しき破片-」
  • 制作:テレビ朝日・MMJ
  • 主なキャスト:
     - 木村拓哉(桐沢祥吾)
     - 満島ひかり(折原葵)
     - 内田有紀(大場麻琴)
     - 柄本明(大場一郎)
     - 高橋海人(伊庭海斗)
     - 八木莉可子(芦屋珠美)
     - 山田杏奈(水野あかり)
     - 村上虹郎(西条桃介)
     - 安田顕(甲斐誠一郎)
     - 佐久間由衣(桐沢の亡き妻)ほか




あらすじ

かつて将来を嘱望されたボクサー・桐沢祥吾(木村拓哉)。だが妻を病気で亡くし、生きる目的を見失っていた。そんな彼に声をかけたのは、母校・松葉台高校の元理事長・大場一郎(柄本明)。廃部寸前で人手不足のボクシング部を立て直すため、桐沢にコーチを依頼する。

桐沢は渋々ながらも母校に戻り、生徒たちを指導することに。そこに集まっていたのは、ボクシングへの情熱を持ちながらも、指導者不在で力を発揮できずにいた若者たち。桐沢は彼らの努力と真剣さに触れ、自らも再び生きる意味を見つけ出していく。




打ち切りの真相は?

木村拓哉主演のドラマ『未来への10カウント』(テレビ朝日系、2022年放送)は、放送当時「打ち切りでは?」とネット上で話題になりました。というのも、ドラマは全9話で完結したが、当初は「全10話」となるのでは、と視聴者や一部のメディアで予想されていたからです。

しかし、公式に「打ち切り」と発表された事実はなく、実際には主演の木村拓哉が新型コロナウイルスに感染したため撮影スケジュールに影響が出て、当初の構成を調整する形で全9話完結となったようです。

つまり「低視聴率による途中終了」ではなく、制作上の事情で1話短縮されたというのが真相です。

視聴した印象としても最終回までしっかり物語は描き切られており、内容が唐突に終わった感じはない。むしろあのテンポ感と結末はよく出来ていたと思いました。

あの大ヒットした『グランメゾン・パリ』だって公開当初は「全然客が入らず失敗作」と下げ記事が出てたくらいだから単なるPV数稼ぎの記事の犠牲になったのかも。




テンプレドラマの典型

しかしタイトルダサいなぁ。いまどきのドラマタイトルに思えない…

ドラマ自体は傑作には至らないけど良作の出来ではないだろうか?

別に本作に限ったことではないが、いまの日本のドラマってオリジナルが皆無に等しい。90年代に夢中で観てたドラマはそんなことなかったように思えるが、やっぱそんなことあるのかな?

「カルチャーにオリジナルはなし」とは散々言われてるけど本作もとにかくどこかで観た事あるシーンの繋ぎ合わせのような作品です。

でも、それが別に悪いわけではないです。なぜなら闇落ちした人間が復活して這い上がるテーマは普遍的であり、誰しもが共感できる内容だから。

それにキムタクがコーチ役っていうのもちょい興味が惹かれる。なぜなら彼はいつだって自分が主役だからだ。コーチ役であれば一歩引いた役なんだろう。

そう思って観たら最後までしっかりキムタクでした…

教頭の名前「猫林はじめ」ってどんなネーミングだよ。テイストは「ごくせん」のまんまコミカル。

大場校長も、桐沢の親友の甲斐も全部今までのドラマのテンプレキャラです。

しかし八嶋智人は憎たらしい役やらせたら天下一品ですね。




ボクシングコーチのキムタクは?

今回のキムタクは妻も死んで、「いつ死んでもいいや」というやさぐれた元天才ボクサー。今回も元天才の役です。多いなぁ、元天才役。

むしろ本作では高校生ボクシングのコーチ役なので一歩引いたテンション低めのキャラクターです。

相変わらずキムタク流のボソボソ喋りで、あまりに覇気がなく、かと言って熱く生徒にぶつかるわけでもないのでなんだかスッキリしないストレスを感じました。

生徒はキムタクが臨時講師とボクシングコーチと焼鳥屋を掛け持ちし、オジサンが頑張ってる姿を見て勇気づけられます。

破天荒な練習方法なのかなと思ったけど特にぶっ飛んだ練習はしておらず、堅実にそれぞれの生徒にあった指導方法。むしろヤスケンの暴走を止めるくらい冷静。

7話、西条が一般生徒を殴った件で他の先生たちに詰められ出る時になぜキムタクは何も言わないのか?状況を悪化させたいのかな?ちょっとストレス溜まりますね、この演出。

48歳の設定だけど、ボクシングシーンはキレがない。仕方ないよね。十数年ブランクがある設定だし努力している方だとは思いました。

でも同時に、キムタクって最後にはその役っぽい感じに持っていく、努力の人なんだなと本作を観てて思いました。




最終回の感想

最終話は試合のシーンはダイジェスト。まぁ1人1人長々とやられたらそれはそれでストレスだけど漫画だとしっかり描くところだろう。

「悔いの残る試合はするな」

「全てをぶつけてこい」

高校時代のボクシングが全てじゃないし、むしろ卒業してからの方が人生長いわけで、桐山は栄光の高校時代以降の人生がグズグズだった。

高校生の時は「今が全て」で先のことなんか見えない。だけどこれからの人生は長いわけで、挫折してからも這い上がれる精神力を学ぶ時期でもある。

だから本作はあくまで桐山の復活劇がメインであり、高校生たちが主役でもない。だとしたらあの試合のダイジェストはなんとなく理解はできる。

人生は辛いことの連続。だけそのその度に這い上がれっていうテーマなんだと改めて納得。これは歳をとらないと理解できないよなぁ。

満島ひかりは終始、天真爛漫。光と影でキムタクとの対比がよく出ていて、爽やかなラブストーリーもいいエッセンスになっていたと思います。

大場校長先生と父親の親子問題も単にボタンの掛け違い。自分の教え子も可愛いいが、自らの子供が可愛くない親なんていないんだよ。って大場校長独身?

最後は全てがハッピーエンド。別にこれに関しては何もないです。こうなるべきストーリーだろうし気持ちいいくらい真っ直ぐでピュア。

悪くはないし、ストレスはありながらもそれなりに楽しめたドラマだった。

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