映画『search/サーチ』【ネタバレ感想】デジタルスクリーン上で展開する新感覚スリラーが予想以上に凄かった理由

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アメリカ映画

映画「search/サーチ(原題:Searching)」は、全編をデジタルスクリーン上で描くという革新的な手法で話題を呼んだサスペンス・スリラー。

監督は新鋭アニーシュ・チャガンティ(Aneesh Chaganty)、主演はジョン・チョー。

デジタル時代の親子の絆をテーマに、2018年に公開されました。

本稿ではネタバレ全開で感想を述べていきます。

基本情報

  • 作品名:サーチ(原題:Searching)
  • 公開年:2018年(日本公開:2018年10月)
  • 製作国:アメリカ
  • ジャンル:サスペンス/ミステリー/スリラー
  • 上映時間:102分
  • 監督・脚本:アニーシュ・チャガンティ
  • 脚本:セヴ・オハニアン
  • 製作:ティムール・ベクマンベトフ(『アンフレンデッド』の製作者)
  • 音楽:トルステン・ラッシュ
  • 配給:ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント

👥 主なキャスト

  • ジョン・チョー … デヴィッド・キム(主人公・父親)
  • ミシェル・ラー … マーゴット・キム(失踪した娘)
  • デブラ・メッシング … ヴィック刑事(捜査担当)
  • ジョセフ・リー … ピーター(デヴィッドの弟)

あらすじ

ある日、高校生の娘・マーゴットが突然消息を絶つ。

父親のデヴィッドは警察に通報するが、有力な手がかりは得られない。

そこで彼は、娘のノートパソコンを開き、SNSの履歴やメッセージをたどることを決意する。

Facebook、Instagram、YouTube、Venmo(送金アプリ)…

デジタルの足跡を一つひとつ追っていくと、

娘の「もう一つの顔」が少しずつ浮かび上がってくる。

彼女は本当に、父の知る「マーゴット」だったのか?

画面越しに語られる「見えない真実」が、やがて父を想像もしなかった結末へと導いていく。

この映画の最大の特徴:「全編パソコン画面」

この映画、全編がデジタルスクリーン上で展開するというちょっと変わった映画。

「ブレアウィッチプロジェクト」なんかは全編撮影者のビデオカメラという設定だったけど(あれはほぼ内容がなくて酷かった)、こちらは結構しっかり作られている。

文字のみで伝えるシーンが多いので日本語の字幕がないとしんどいけど。

カメラは一切使わず、物語はすべて——

  • MacBook の画面
  • iPhone の通話
  • YouTube 動画
  • メッセージアプリ
  • 防犯カメラの映像
  • Google 検索

といった「現代人のデジタル世界」の中だけで進行します。

にもかかわらず、テンポは抜群で、感情の起伏もしっかり伝わる。

メールの打ち直しや削除の「間」だけで、父親の心情を見事に表現しているのが本当に秀逸。

最初は戸惑ったけど後々この設定が功を奏してくる。

SNSが世界で広まったまさに今だからできた映画だろう。

犯人はわりと容易に想像できる

単にアイディア勝負というわけではなく随所随所に謎が散りばめられていてその謎の明かし方、伏線回収なんかが非常にうまい。

「娘の失踪」という王道のテーマにもかかわらず全く飽きさせることない展開にはちょっと感動した。

けどね、こういったミステリーを観まくっている私はなんとなく犯人が想像できちゃった。

こういった映画の特徴としては「協力者が犯人」というパターンが多い。

味方と思わせといて実は敵だったとか、

逆に最初敵だと思ってたけど実はいい奴だったりとか結構ありきたりなやつ。

この映画でもそのパターンが使われていて、一度捜査官との暖かい話でほっこりさせて油断させてからの実は犯人でしたパターン。

だってこの映画って登場人物多いわりにがっつり絡むのってこの捜査官と弟だけだしその登場人物以外の人が犯人でしたとか言われてもあまり納得いかないしね。

だとするとがっつり絡む人物をもっと増やした方が予想できなかったかもね。

まぁけどそれを差し置いても話自体はよくできてます。

テーマは歪んだ親の愛情?

この話の肝はずばり捜査官の話だ。

息子がチャリティを装って近隣からお金を取っていたという件に対してデビッドは「そのあとはどうした?」という質問に対して、「チャリティは本当です。ご協力ありがとうございました」と息子を庇ったこの返答に全てが詰まっている。

「オフレコにしてくださいね」とデビッドと捜査官との一見ほっこりするシーンだったけど私には何か違和感を感じた。

いや、間違ったことに関しては息子にちゃんと正すべきじゃないのかな?

これって親としては庇うんじゃなくしかるところでしょ。

アメリカの親ってそんなもんなんかな…とその時は思ったけど結局は自分の子供に対しての偏った愛情が原因で事件が起きてしまう。

この話が事件の布石となっているという設定は実に上手い。

だけどね。

主人公のデビッドはなんかストーカーみたいで気持ち悪い。

いや、娘を想う気持ちはわかるんだけど娘のインスタやFacebookなど覗きまくり。

パスワードも勝手に解いちゃって娘からしたら正直キモいんだろうな。

ストーリー上仕方ないんだろうけどオッサンってこんなにパソコン駆使できるものなの?

なんだかだいぶ都合がいいなとか思ってしまった。

おまけに暴走して娘の友達を犯人扱いしたうえに暴力までふるうとか頭弱いのかな。

捜査官の歪んだ愛情はもちろんだけどデビッドにも若干引いてしまった。

テーマは歪んだ親の愛情…?

最後の方はケチつけてしまったけど頭空っぽにして観ると結構楽しめます。謎解きが好きな人にはオススメの一本。

タイトル「Searching」の意味

「検索する」という直訳以上に、このタイトルには「真実を探す」「家族の絆を探す」という二重の意味があります。

デヴィッドが探していたのは、娘の居場所だけでなく、「本当の彼女」と「本当の父親としての自分」。

最後に彼が見つけたものは、情報ではなく、愛でした。的なね。

受賞・評価

  • サンダンス映画祭 観客賞 受賞
  • Rotten Tomatoes(ロッテントマト)批評家スコア:92%
  • IMDb評価:7.6/10
  • メディア各誌から「デジタル時代の傑作スリラー」と絶賛

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