映画『スイート・マイホーム』感想|つまらない…予測不能って嘘じゃん?

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ホラー

基本情報

公開日:2023年9月1日

上映時間:113分

監督:齊藤工

原作:神津凛子『スイート・マイホーム』(第13回小説現代長編新人賞受賞作)

脚本:倉持裕

配給:日活

ジャンル:ホラー・ミステリー 

あらすじ

極寒の長野県で暮らすスポーツインストラクターの清沢賢二は、寒がりの妻と娘のために「まほうの家」と呼ばれる最新の暖房設備を備えた住宅を購入。新居での生活は順調に見えたが、引っ越し後、家族の周囲で不可解な出来事が次々と発生する。差出人不明の脅迫メール、地下室で泣き叫ぶ娘、赤ん坊の瞳に映る不気味な影…。やがて賢二の過去や家族の秘密が明らかになり、理想のマイホームは恐怖の舞台へと変貌していく。

期待させといて、結局は想定内の展開

ちくしょう、騙された。

俳優の斎藤工が監督をした本作。

「予測不能のミステリー」と銘打っておきながら、犯人が割と序盤でわかってしまうところ。観ている途中で「あ、この子でしょ?」とピンときてしまい、そのまま予想通りの展開。

それでもラストで何かもうひとひねりあるのでは…と淡い期待を抱いていたが、あっけなく終わってしまった。

ホラー要素は悪くない、でも深みに欠ける

正直、前半は悪くない。新築の家に引っ越してから不気味な現象が起こり始めるという設定は、ホラーとして王道でありながら、独特の雰囲気を持っていて引き込まれる。

ただし、そこから先が弱い。

精神的にくる怖さもさほどない。結果的にどっちつかずなホラー/ミステリーになってしまっている印象。

あのラスト、正直しんどい…

特に酷評されているのがラストシーン。母親が赤ん坊の瞳を木の枝で刺すという描写。

「これで見なくて済むね」というセリフには、恐怖よりも白けた気持ちが勝ってしまった。

自分の目ではなく、赤ん坊の目を潰すという選択に、何の意味があるのか?倫理的にも物語的にも共感が難しい。

この後味の悪さが多くの観客をモヤモヤさせているのではないだろうか。

キャスティングについて思うこと

窪塚洋介も出演しているが、役柄的には珍しいトーンで新鮮だったが、窪塚洋介じゃなくてもよかったかもというのが正直な感想。

彼の個性があまり活かされていない印象を受けた。

主演の窪田正孝は安定の演技力。彼の目の演技や感情の抑え方はさすがといったところだが、それでも作品全体のトーンが軽いため、印象に残りにくいのが残念。

総評:惜しい。もっと面白くできたはずの映画

『スイート・マイホーム』は、素材としては悪くない。舞台設定も不穏な空気も揃っているし、家という密室の中で狂気が芽生えていくプロットはホラー映画として王道中の王道だ。

しかし、脚本・演出・構成すべてがあと一歩及ばず、「惜しい映画」で終わってしまった。

全体的に軽い。

斎藤さんの映画、もう一本くらい観てから判断したいな。

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