基本情報
監督・脚本:ポン・ジュノ
主演:ソン・ガンホ(キム・ギテク役)、チェ・ウシク(キム・ギウ役)、パク・ソダム(キム・ギジョン役)、チャン・ヘジン(キム・チュンスク役)
ジャンル:ブラックコメディ、サスペンス、社会派ドラマ
上映時間:132分
公開年:2019年(韓国)、2020年(日本)
受賞歴:
- 第72回カンヌ国際映画祭 パルム・ドール
- 第92回アカデミー賞 作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞
- ゴールデングローブ賞 外国語映画賞
- 英国アカデミー賞 オリジナル脚本賞、非英語作品賞
あらすじ
ソウルの半地下住宅で暮らすキム一家は、全員が失業中で貧しい生活を送っています。ある日、長男ギウは友人の紹介で、裕福なパク一家の娘の家庭教師として働くことになります。ギウは身分を偽り、妹ギジョンを美術教師として紹介し、さらに父ギテクを運転手、母チュンスクを家政婦としてパク家に送り込みます。こうしてキム一家はパク家に「寄生」していきますが、ある秘密が明らかになることで、事態は予想外の展開を迎えます。
ネタバレ感想

「金持ちほど純粋」
確かに。けどこの映画に出てくる金持ち夫婦はあまり賢くなさそうだ。

簡単に言うと、金持ちの家に貧困家族がパラサイトの様に乗っとっていくという話。
韓国映画がカンヌのパルムドール賞を受賞し話題になった映画です。知ってるとは思うけど。
いつか観ようと思って後回しにしていたがようやく鑑賞できたのでいつもの様にネタバレ感想を。
率直に言えば前半は非常に良くできていたけど後半は人を選ぶ内容に変わる為、評価は難しい。
前半の寄生虫の如く次々と金持ち家族に取り入り、就職していく様はコメディ要素をふんだんに取り入れてテンポも良く完成度は高い。
半地下って日本にはないけど韓国には実際にあるんですね。
韓国って貧困問題エグくてその背景には映画でもふれてたけど厳しすぎる競争社会があるようだ。
エリートはめちゃエリートだけどスペックあるのにあぶれた人たちはとことん貧困っていう。
そしてこの映画の貧困家族はまさにそれ。
それぞれ能力には長けてるんだけど残念ながら無職。
そんな社会構造を映画ではわかりやすく理解させてくれる。

ストーリーは「そんなバカな」の連続だけど自分の家族を家庭教師にしたり、運転手にしたり、家政婦にしたり笑わせながらも事が進んでいく見事なストーリーは目が離せない。
ところが解雇された家政婦が家にやってくるところで物語は大きく転換する。
ここからの展開を受け入れられるかでこの作品の評価が変わってくる。
金持ち家族の家には(家族も知らない)地下が存在し、そこに密かに元家政婦の夫が暮らしていたって話が展開される…
なんだかリアリティに欠けるなぁと思ったけどトータルこの映画、リアリティなんかないんだった。
それから貧乏家族と色々いざこざがあって後半はすっかりサスペンス調に。
モールス信号とか出てきたりしてこれだけガラッと色が変わるとなんだかちょっと興醒め。
その後も結構ダラダラっと進んでいきます。
夫婦のイチャつくシーンも観てるのしんどかったな…
パーティのシーンでサクッと終わっとけばいいものをさらにその後ダラダラ続き、実は親父さんは地下で生きていていつ気付くかもしれない息子に対してモールス信号送るとか…
なんか、この映画からどんどん心が離れていく…
金持ち夫婦の旦那さんはもはや絵に描いたような金持ち夫って感じ。
奥さんも明らかにぱっちり二重でもろ整形してるでしょ。

対する貧乏家族のリアリティさは…納得。
いじってなきゃ本来あんな感じだよね。
色々言ったけど伏線はほぼ回収されて結構綺麗に終わります。
脚本はよく練られて作られてるのであとは前半が好きな人が後半のテンションに合うかどうか。
韓国映画は海外をマーケットにして作られてるのでなんというか、わかりやすいよね。
ああいう貧困問題は興味深いし重すぎない感じで理解できるのでこの映画が評価されるのも理解できる。
対する日本映画は原作ありきの作品ばかりだし歯が浮くような臭いものばかり。
これでは日本のクリエーターは育たないよなぁとなんだか愚痴っぽくなりそうなのでこの辺りで失敬。
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