どんな映画でも1つくらい見所はあるはず…そう思って観たが、これは冗談抜きで何も得られない映画だった。
この記事では、『ノック・ノック』を絶対に観るべきでない理由をネタバレ全開で語っていきます。
同じ過ちを犯さない為にもここに「戒告」という意味でレビューをしようと思う。
基本情報

原題:Knock Knock
日本公開日:2016年6月11日
上映時間:99分
製作国:アメリカ、チリ
ジャンル:サスペンス、ホラー
レイティング:R15+
監督・脚本・製作:イーライ・ロス
共同脚本:ギジェルモ・アモエド、ニコラス・ロペス
出演:
- キアヌ・リーヴス(エヴァン・ウェバー役)
- ロレンツァ・イッツォ(ジェネシス役)
- アナ・デ・アルマス(ベル役)
- イグナシア・アラマンド(カレン・アルバラード役)
- アーロン・バーンズ(ルイス役)
- コリーン・キャンプ(ヴィヴィアン役)
あらすじ
建築家のエヴァン・ウェバー(キアヌ・リーヴス)は、妻と子供たちが週末に旅行に出かける中、自宅で仕事をしていた。ある雨の夜、道に迷ったという2人の若い女性、ジェネシス(ロレンツァ・イッツォ)とベル(アナ・デ・アルマス)が彼の家を訪れ、助けを求める。エヴァンは親切心から彼女たちを家に招き入れるが、次第に彼女たちの行動は奇妙なものとなり、エヴァンの人生は予期せぬ悪夢へと変わっていく。
何が問題だったのか?この映画の致命的な欠点

1. 女2人の目的が雑すぎる
「家族を裏切った男に制裁を加える」──それが彼女たちの“動機”とされている。
だが、その設定があまりに薄っぺらい。
金銭目的でも復讐でもなく、正義の制裁でもない。ただ男をおちょくって痛めつけたいだけ。
しかも、自分たちで誘惑しておいて「裏切り者め」とは何の冗談だ?
設定の浅さ、動機の稚拙さが脚本全体の説得力を失わせている。
2. サスペンスでもホラーでもなく、ただの不快体験

「どんでん返し」もなければ、「謎解き」も「背景描写」もない。
そもそも彼女たちがどこから来たのか、なぜそんな行動をするのか、過去に何があったのか──
何一つ描かれない。
不安を煽るでも、ゾッとさせるでもない。
ただただ「不快」。
観ているこちらもキアヌと一緒にストレスを溜めていくだけ。
3. キアヌ・リーブスが情けなさすぎる

キアヌといえば『マトリックス』や『ジョン・ウィック』で知られるアクションヒーローだが、今作では終始無力。
終盤では顔だけ出して庭に埋められているシーンまであり、もう「これがネオかよ…」と絶望。
しかも本作のプロデューサーがキアヌ本人というのだから、もう訳が分からない。
他にも突っ込みどころ満載
- 拳銃があるのに一度も使えず…
- 華奢な女2人に力で全く勝てないキアヌ…
- 家の中の指紋ベタベタなのに捕まらない女たち…
- 被害者なのに最後に嘲笑されて終わるだけ…
リアリティがなさすぎてツッコミ疲れしてくる。
ピクシーズの「Where Is My Mind?」が台無し
極めつけはエンディングで流れる、あの名曲「Where Is My Mind?」。
映画『ファイト・クラブ』のラストで使われたあの神曲だ。
名シーンと一体化したあの音楽が、こんなチープな映画で再利用されている。
ピクシーズへの冒涜と言っても過言ではない。
なぜこの映画を観てしまったのか?
Netflixで「スリラー映画」や「サスペンス系」のタグを見て選んだが、完全な選択ミスだった。
邦題に「絶対に開けてはいけない」とつけておくべきだったのでは。
『ノック・ノック』を観るべき人/観るべきでない人
観るべきでない人
- 本格的なサスペンスを期待している人
- ホラーとしての恐怖演出を求めている人
- キアヌ・リーブスに夢を持っている人
- 説得力のある脚本や設定を重視する人
観てもいいかもしれない人
- B級映画好きで、突っ込みながら観るのが好きな人
- アナ・デ・アルマスの美貌だけを目的にする人
結論:この映画に使う99分は取り返せない
『ノック・ノック』は、観る価値なし。
それどころか、観ることで不快感・虚無感・怒りすら覚える。
一夜の過ちで人生を狂わされたキアヌのように、この映画を観たことが人生の小さな汚点になった。
時間はかけがえのないもの。
Netflixには他に面白い作品が山ほどある。
この映画だけは、どうか再生ボタンを押す前に思いとどまってほしい。
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