Netflixで配信されていたので視聴しました。このブログでは完全ネタバレの感想です。
基本情報
- タイトル:警視庁麻薬取締課 MOGURA
- 種別:連続ドラマ(全6話)
- 初出:ABEMAオリジナルドラマとして 2025年1月9日(木)23:00 放送開始(毎週木曜)/最終話は 2025年2月13日放送。 その後 2025年3月13日より Netflix で世界配信。
- 話数:全6エピソード(ABEMA/Netflix 各プラットフォーム表記)。
- 企画・プロデュース:鈴木おさむ(放送作家引退前企画)。
- 制作:BABEL LABEL(制作発表・アウトライン資料より)。
- 監督:志真健太郎(シリーズ統括)、第3〜5話演出の一部を南虎我(インタビュー記事より担当)。
- 脚本:ナラミハル、秋葉恋(Writers’ room 表記)。
- ジャンル:HIPHOPエンタメ/潜入捜査クライム/ヒューマンドラマ。
- 年齢レーティング(Netflix表記 16+)。
主要キャスト & 役柄
- 般若:伊弉諾翔吉(潜入を命じられる麻薬取締課刑事/ラップスキルを持つ主人公)。
- 成海璃子:高橋舞子(同僚刑事)。
- 吹越満:草田勘九郎(課の上司)。
- Jin Dogg:火薬、G-k.i.d:OG-T、RedEye:Young06、CYBER RUI:Haru、吉村界人:Born-D、jinmenusagi:GEON、ELIONE:Samuel、Ashley:レイラ、眞木蔵人:ハルク、風間俊介:安堂誠、Mummy-D:役名伏せ(サプライズ枠表記)。
- Netflix上の代表クレジット(主演枠)としては 般若・成海璃子・吹越満 が表示。
あらすじ

大麻栽培と密売が疑われるHIPHOPクルーを一斉摘発する作戦で、麻薬取締課の刑事・伊弉諾は“ラッパー”として潜入捜査を命じられる。外部は法執行、内部は音楽カルチャーという二重のコードの間で揺れる伊弉諾は、信頼獲得・証拠収集・自我の保持という三重課題に直面する
なんだろう?この「般若」という俳優。絶妙に演技が上手くない。
けど何故か印象に残っている。どこかでみたことがある…
あ、「インフォーマ」のヤクザ役だ。
調べたらちゃんと本業のラッパーなんですね。恥ずかしながらはじめて知りました。
彼は職業俳優的な滑らかさより「生感」が前面に出るタイプで、粗さが逆に潜入中の緊張や場違い感を印象付ける要素にも。
キャストも本物のラッパーたちが登場し大いにドラマを盛り上げてくれました。何気にD.O.も笑。
「犯罪組織への潜入捜査」という使い古されたテーマだけど、それがラッパー集団への潜入捜査というちょっと興味を引く要素。かと思ったら実話をベースにしてるそうで。そっちのインタビューとかの方が興味ありますが。
ラッパーの描き方がまるで不良学生
「ラッパーって日々何やってんだろう?」と思ってたら、たむろして集まってるだけやん。
そして大麻売って吸って。
「家族」「仲間」と言いつつ不良学生と変わりません。
いや、あくまでこのドラマに描かれてることで言ってます。
だからこそもっとその辺ちゃんと描いても良かったのでは?
敵対するレッドヘッドともまるで中学の不良グループ同士の小競り合いみたいで、挑発も非常に幼稚さを感じてしまいました。
しかも蛇の毒って…笑。このシーンには苦笑い。
結果として不良グループ的ステレオタイプに収束し、HIPHOPカルチャー層へ深いリアリティ訴求をする寸前で留まった印象。
警察を捨ててラッパーとして生きる?
1話目を観た時からなんとなくこういう結末になるんだろうなと思ったけど、
子供もいて食わせていかなきゃならない立場の人間が警察を辞めてラッパーになる
ってちょっと無理があるような気がする。確かに親である前に一人の人間であるんだけど。
「国が正しいと思うことじゃなく、俺が正しいと思うことをする!」
わかるけどさ、そんなみんなが自分が正しいと思うことをするようになったらさすがにこの世は秩序が乱れてめちゃくちゃになりますよ。
だって人を殺すことを正当化するような人間も出てくるわけです。
「俺は正しいことをした」って言って殺人するような人間をある程度縛って安全な世の中にするのが法じゃないですか?
誰かが決めた法のなかで生きる窮屈さは確かに警察の方たちが特に感じてることかもしれませんね。
正直ラッパーってそんなに儲かってるイメージがないんですが、カルチャーに惚れてそのカルチャーの中で生きていくってことなんでしょう。だけど、実際問題生活するために大麻売って生きていくのは違うと思うし、この主人公もカッコイイこと言いながらなんか地に足がついてない感じがしてならないんですよね。
なんで大麻やっちゃダメなの?
この物語で一番印象に残ってるのが火薬が伊弉諾に言った言葉。
「それは法で規制されてるから…。」
では、その法は誰が決めたのか?じゃあ国が殺せって言ったら殺すのか?
自分の頭で考えてない証拠だ。
確かに1948年7月10日に大麻取締法(昭和23年法律第124号)が公布・即日施行されるまで自由栽培期で慣行的に「合法」扱い(刑罰による包括禁止なし)だったわけだし、それを決めたのは人間様です。
人は人間様が決めた法律の上で生きている。法がダメだからダメ。人が人として生きていくことの意味を問うセリフで考えさせられますね。
物語は法規制(大麻取締)を外枠に、個人の倫理判断が公共秩序とどう折り合うかを問いかけます。
まとめ
潜入捜査ジャンルに「ラッパー×法倫理」フックを付与したライト寄りクライムサスペンス。
血は出てくるし、人は殺されるし、薬物も出てくるけど、基本はポップな毛色なのでツッコミながらも最後まで楽しく観れました。
最後のラップシーンもなぜ警備員なり警官がすぐ駆けつけないんだ。みたいな。
まぁ、そんなことを言い出してはこのタイプのドラマはキリがないので…。
でも最後に一つだけ言いたいのは、
風間俊介の演技は臭い。やりすぎ。
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